2016年・11月神奈川からスタートし、2017年9月22日の東京まで
合計42都市80本、自己最長、最多本数の超ロングランツアーが続いています。
11日と12日は、昨年リニューアルした旧京都会館、現ロームシアター京都での2ナイト公演でした。
これは公演後のロームシアター横を流れる京都疎水
ライトアップされた桜並木が水面に映り、高ぶった感情を覚ますお手伝いをしているようです。
制御された水の流れの上を静かに花筏が進みます。
ステージと同じようにパンフレットも素晴らしい
旧京都会館の建て替えに際しては、前川國男氏の設計による景観に溶け込んだ歴史的建造物を残すべく市民運動が起こりました。
私も、新しい建物があまりに現代的なものになるのは受け入れられないと考えていた側でした。
しかし現ロームシアターの外壁は、以前のものをそのまま利用しているか、それとも良く似た新しい壁なのか、私は知らないのですが、以前と変わりなく見えます。
昨夜、初めて中に入ったのですが、以前とは全く異なる様子です。
全てが近代的でした。
建て替え時の制約があるとのことで、4階まであるバルコニー席へのアクセスはあまり良くないようで、エレベーター利用には順番待ちの列が出来ているようです。
しかし、
以前は存在していなかった、そのバルコニー席を左右に抱えるホール内は素晴らしいできばえ。
荘厳ささえ感じる雰囲気に圧倒されました。
椅子のサイズは日本人向けが採用されているので、欧米人には窮屈かもしれません。
でも、このホールなら これまで不可能だったオペラをかけることができます。
昨夜の松任谷由実コンサートも、以前の京都会館では不可能なステージ構成でした。
開演前からステージ最前面には薄い半透明スクリーンが降りているのですが、それに印刷されている様に見えた大きな書架は実在セットです。
時空の歪みを表現している湾曲した書架は左右に分かれる構造で、曲に合わせてステージの奥行きを増やします。
口パクはまったく存在せず、バンドメンは常にステージ上に並びます。
1F最深部近く、ミキシングコンソールの前が私達の席でしたが、演奏と実音のシンクロを感じることができるサウンド構築でした。
時にピエロ、時にバレリーナに姿を変える2人のダンサーは、ワイヤーアクションで宙を舞うこともあり、前述の巨大な書架に架かる螺旋階段は実際に利用できる構造でした。
コンサートの前半は、数多あるユーミンの大ヒット曲をあえて使わず、宇宙図書館というコンセプトに合致する「重層的な楽曲」が選ばれます。
時に中央に動画が映し出されるのですが、それ以外にも薄いスクリーンにプロジェクションマッピング技術が利用された虚像が踊ります。
最新の視覚技術と、人間が奏でる楽器の音が、高い次元で融合しておりました。
観客の平均年齢は、おそらく50を越えていると思われます。
彼らが望む彼らの青春を彩った名曲たちは、アンコールでメドレー編成で演奏されます。
ユーミンからの贈り物だと思いました。
大学生の頃に、京都産業大学の学園祭で最初の生ユーミンを体験してます。
前座を兼ねたバックバンドはスクエアという贅沢なステージでしたが、無料だったんですよ。
その後、旧京都会館で、大阪城ホールで、改築前のフェスティバルホールで、何度も彼女のステージを楽しみましたが、今回の「宇宙図書館ツアー」はマイベストだといえます。
40年を越える彼女のキャリアを、部屋で、車内で、テレビから、ラジオから、リスナーとして
ともに過ごした私達だから 今回のツアーがベストに感じるのでしょう。
新装なったロームシアター京都の奥行きと高さが確保された新しいステージだからこそ実現した
今回のコンサート。
その重層的な世界観 異次元を行き来する世界観 立体的な構成
それらが このパンフレットに反映していると思います。
折り紙の様に展開するでもなく、パズルのように解き明かすでもなく、不思議な装丁です。
レスリー・キー撮影の写真は、この作品、ステージに非常にマッチしていると思います。
税抜き8000円のチケット代金は、その内容に比して格安だと感じます。
税込み3500円のパンフレット代金は、ご祝儀代わりと考えました。
最後のアンコール曲は「経る時」
これは私達夫婦にとって特別な思いがある曲ですので、結婚30周年を迎えた私達への贈り物だと
勝手に解釈しております。
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購入金額
3,500円
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購入日
2017年04月12日
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購入場所
ロームシアター京都 物販ブース
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