レビューメディア「ジグソー」

爆速、爆熱。

ここ数年、安価なSSDで自作界隈じゃそこそこ知られるようになったApacerと、PHISON。

日本じゃあんまり知名度ないけど、Apacerは自作黎明期から割と知られたメーカーで、多くのマザーボードベンダが動作対応検証に使ってた。産業用メモリでは割と現在でも著名。

PHISONにしても表に名前が出てきてないだけで、USBメモリ用コントローラーのOEM供給じゃ結構な大手だったりする。

 

んで、そのあんまり日本じゃ知られてないメーカー両社によるSSDといえば、どーしても安価なTLC搭載ってイメージが強いんだけども、M.2に限って言えばその印象は捨てたほうがいい。

 

何故なら、搭載するNANDは東芝製MLCであり、コントローラーの性能も高いからだ。

 

ただ、なんつーか・・・・・組込向けばっかりやってる会社だけあって、パッケージがね。

実際、NVMe-M.2のSSDとしては安価な部類(というよりSamsungやOCZがボッタクリ価格)なのだけども、これじゃ思いっきり安物の印象が先に立つ。

もうちょい頑張った見た目にしたほうが、確実に売れると思う。要改善。

 

基盤のほうも、このように組込向けというか実際「Bulk」の文字がある。

ただ、保証についてはちゃんと三年保証なんだそうだ。その点は安心。

 

ただ、実用優先の見た目というか、コントローラーはコアがむき出しで搭載され、欠けやすい角の部分を透明樹脂でカバーしている。

キャッシュはNANYA製のDDR3L-1600で、512MB

NANDチップには、東芝製のTH58TFT0DFLBA8Hを採用している。

 

見た目は地味なれど、搭載されている部品のスペックは中々に凄い。

 

MLC採用ということで、480GBの容量を実現するにはNANDの枚数が必要。

裏面にもきっちりとNANDが搭載されている。

 

都合四枚の搭載ということで、128GBx4の512GBが本来の容量と思われるが、予備領域(利用領域がダメになった時の予備。データを飛ばして延命する)として8GBづつ削られている。

 

産業用を多く手掛けるメーカーだけに、手堅い構成と言えよう。

更新: 2017/04/10
スペック

爆速。0Fullなら3000MB/s 超え。

CDM5.2.1 ランダム T1取得

 

CDM5.2.1 0Full T3 取得

 

さて、このように地味な見た目とは裏腹に、その性能についてはかなり強烈だ。

全ての計測値で良好な性能を発揮しており、スレッド数を増やすことで素直に伸びる傾向を示す。

 

0Fullだと更に性能が伸びるため、SandForce系同様にR/Wデータを圧縮する動作をしている可能性がある。

 

次にATTOベンチマークの結果だが、こちらの結果もかなり強烈だ。

3000/2200というR/W性能も相当だが、SATAでは速度差が出て当たり前の256kBあたりから、殆ど速度が変わらない傾向を示すのが驚異的。

 

ベンチマークだけでなく、実測値もこのようにかなり良好。

こちらはIntel750SSDから本製品に、8.2GBのデータを投げた状態で取得したものだ。

 

ただ、この性能の代償というか、NVMe-M.2製品全般に付いて回る問題と言えばそうなのだが、発熱がかなり大きい。

装着によって最大20℃は温度を下げると言われる大型ヒートシンクを搭載してもなお、最大動作時の温度は60℃近くまでハネ上がる。

 

こちらがその大型ヒートシンク。現在、オリオスペックで販売中だが、在庫僅少らしい。

装着状態で温度計測した結果がこちらだが、動作直後の温度取得では雫さんから「もっと冷やしてよぉ!」って毎回怒られる状態である。

 

なお、私自身は未確認なのだが、ヒートシンク無しでの動作温度は80℃行くらしい。

60℃を超えた時点でサーマルスロットリングが発生することも確認(ヒートシンク取付が甘かった時に計測した。書き込み速度1500→1100MB/sにダウンする)しているので、装着可能であればヒートシンクの装着を強くお勧めする。

更新: 2017/04/10
総評

爆速なのにお手頃価格。これ以上の性能が必要なら倍額。

東芝製MLC採用で、この性能にも関わらず、実売が27000円を切るという、MLCのSATA-SSDをちょいと割高にしたくらいのお値段なこの製品。

 

はっきり言って、お買い得である。

同じ構成のPHISON純正のバルクがドスパラの直輸入でもっと安かったりするが、三年保証が付くこと、NANDに東芝のチップを採用していることの二点を考慮すると、こちらの価格でも十分に買い。

 

発熱対策は必要だが、これはどこの製品でも抱えている問題なので、気にしても仕方ない。

というか、今だけ特価の通常価格は28700円なので、いま買うなら差額でヒートシンクも買える。

 

「ApacerとPHISON」という組み合わせで躊躇してたら勿体ないぞ、こいつ。

 

 

 

 

  • 購入金額

    26,500円

  • 購入日

    2017年04月10日

  • 購入場所

    OverCrockWorks

24人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • supatinさん

    2017/04/14

    Vossさん、こんばんは
    (*・ω・)*_ _)ペコリ

    信頼の東芝製NANDと優秀なコントローラー
    しかも大容量でこのお値段は魅力的ですね
    (*´꒳`*)
  • Vossさん

    2017/04/15

    「熱さえどうにかすれば」良い製品です。
    一応、ヒートシンク無しでもサーマルスロットリングによって75℃最大くらいで収まるのは確認できたんですが、それでも精神的には余り宜しくない数字ですねー・・・・

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