レビューメディア「ジグソー」

無いモノは作る。

18650 x 4本用の 電池ボックスです。

テスラ車のバッテリーパックにならい、ヒューズ機構を付けました。

縦横に無制限に連結できるようにしました。

このようなモノは売っていないので、作りました!

 

 

テスラメソッド

と、ちばとどが勝手に呼んでいます。

18650 のセル各1本ごとにヒューズ機構を設けてバッテリーアレイを組む方法です。セルや装置にトラブルが起きてもセルに近い位置で回路を遮断して安全性を確保しています。

 

テスラ車 の実際のバッテリー内部の様子;

18650セルのプラス極がアレイの電極になる金属と細い線でつながっています。

接合の様子がきれいなので、電気溶接ではなく、もちろんハンダ付けでもなく、レーザー溶接かなと思いますがどうやってくっつけているのか知りたいところです。

https://teslamotorsclub.com/tmc/threads/pics-info-inside-the-battery-pack.34934/ より

 

テスラ社製の電気自動車は、ノートPCや電動アシスト自転車で使われているのと同じ 18650型リチウムイン(Li-ion)バッテリーを使用しています。ただ、本数が、ノートPCで4本~9本程度、自転車で21本~35本くらいなのに対して、テスラの自動車は、7000本くらい使用していて、しかも、それはパナソニックに開発してもらったとの情報がある高性能バッテリーです。

つまり、テスラ車は、リチウムイオンバッテリーによってかつて他のデバイスでは見られなかったほど大きなエネルギー集積を行っています。

ところが、一般に電池は化学反応によってエネルギーの出し入れをしているので、どんな電池でも一定程度の不安定さ、不均一性、諸劣化を伴います。中でもLi-ionバッテリーは、電池メーカーが未だに手探りで設計製造しているようなところがあって決定打的な仕様に着地していないようにさえ見受けられ、Li-ionバッテリーを使用する機器を設計する場合も、バッテリーへの負担と製品のライフタイム、コストなどのバランスを取るために苦労します。Li-ionバッテリーは、それほどに発展途上なエネルギーメディアであるとも言えます。

しかし一方、現時点で他にこれほどのコストパフォーマンスでエネルギーを蓄えられるデバイスが市場にないのも事実です。

そこで、テスラ社は、Li-ionバッテリーのコスパと安全性を両立するためにすべてのセル1本ずつにヒューズを付ける機構を考えたのだと思います。

ちなみに、Li-ionバッテリーアレイを作る場合の一般的な方法は、バッテリーの極をつなぐのにニッケル(まれにステンレス)の薄板をスポット溶接して接合します。ハンダでなく溶接なのは、バッテリーが熱に極端に弱いため、接合ポイントだけに熱を集中できるという点で溶接が有利です。

 

以上のような製品をお手本として、自作してみました。

特許などあるのかもしれませんが、販売したりはしないので問題はないでしょう。

 

 

材料は、市販品のみ

18650用の電池ボックスは、国内の市販は少ないですが、Aliexpressなどには豊富でしかも安価です。

 

 

18650 x 4本 を並列に接続する構成です。

 

横に渡した太い線(バス線)には、電池のまとまった電流が流れます。

2.0mm の銅線(VVF線から取りました)です。20AくらいまでOKです。

プラスのバス線とマイナスのバス線は底面からの高さを変えています。組み合わせた際にできるだけ接触しないことをねらいました。

 

丸端子は、R2-4 (ラウンド型、2mmの線を圧着し、M4のネジでとめる、という仕様を示す呼び名)です。

内側に付いている丸端は太い電線の回転防止です。

 

 

⇩ 拡大

 

 

ヒューズの線は、0.15mm の銅線です。

 

ヒューズ線は、電池ボックスに元々ついている電極のセルの着脱に影響ない位置と 追加したバス線をハンダ付けしてつなぎます。

電池がケースに入った状態でヒューズを経由してショートさせるとこの線が焼き切れます(実験済み)。計算上、2A弱程度で切れます。

切れるのは一瞬で、火花が散るようなこともないので、引火のリスクはたいへん低いと考えています。とはいえ、実験中は可燃物を近づけないとか、実験の初期や構成を変更した場合、通電中は目を離さないなど、注意することにします。

今後、実用するタイプのアレイを製作する際は、ヒューズの線はもっと短くして他の部材に触れないよう配線する、アレイの設置場所を屋外にするなど検討するつもりです。

 

連結して使用します。

 

 

実験用なので、増産しませんが、うまく行けばもう1、2セット作ってこの形式で小規模に実運用するのもいいかもしれません。

この電池ボックスが全部で21個あれば18650セルが84本装着でき、650Whくらいの電気が溜められます。ノートPCなら10時間、デスクライトなど20WくらいのLED照明x3灯を一晩くらい使えるはずです。

  • 購入金額

    190円

  • 購入日

    2017年04月05日

  • 購入場所

    DIY

24人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • いぐなっちさん

    2017/04/06

    ステンレスに、溶接に…およそ電力ラインへ使用するには縁遠い素材・手法ですが、問題ないんですね。
  • ちばとどさん

    2017/04/06

    いぐなっち さん、

    電池のタブは、産業用ではもっぱらニッケルなんだそうです。ステンレスでもいいけど、扱いにくいんだそうです。
    間違っちゃいまして、ごめんなさい。
    溶接は電気溶接・スポット溶接(熱源が電気で、ごく狭い範囲に圧力をかけて行う)でいいようです。
    ...写真のテスラのはステンレス板なのかなぁ。

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