「芋づる式洲崎綾 Part4」。Webラジオのキャラクターの面白さと天使の歌声のギャップ萌えですっかりファンになった洲崎綾(あやちゃん/ぺっちゃん/あやっぺ)関連。12月といえば恒例のイベント月ということで、この半年で増えてきた彼女の直接参加した作品や楽曲、ラジオCDなどから、イベントグッズなどまでと芋づる式に関連アイテムをまとめてご紹介するシリーズレビューの「今回の」ラスト。
登録ジャンル的には「本の蟲」系といえるのだが、自分的には「音楽の杜」的要素も強いもの...
というかそれ目当てに購入を即決したというか。
2016年12月24日、あやちゃんの誕生日(翌25日)を記念して、イベント「洲崎綾クリスマスパーティー~バースデーイブ2016~」というトークイベントが行われた(虎ノ門のニッショーホール)。そのイベントに向けて作られた初のファンブック(写真集+α)。
内容的にはあやちゃんの今までを振り返ったもので、生まれ育った石川から始まり、大学~養成所時代に練習に使ったりした代々木公園、そして出世作「たまこまーけっと」で縁ができた京都での写真にコメントしながらつつ想い出を語るという造り。
金沢では金沢駅前のショットで始まり、「洲崎先生」の迷名作漫画「Advantage」
などを挟みつつ、金沢南総合運動公園のカットへ。そこでは幼いころの「お花屋さんになりたい」とか「小説家になりたい」というような漠然とした想いが、最終的に声優を志す具体的な夢になった経緯や、東京への憧れなどがつづられている。高校の頃よく遊んだという繁華街=竪町ストリートでは、地元の大学に行くと思っている両親を置いて東京に行ったら両親が寂しくないかなと思いながらも夢を追いたくて、結局想いを打ち明けるも両親の反対にあったこと。それでもあきらめきれず憧れていた声優林原めぐみのたった1回しかなかったラジオでの電話相談番組で電話がつながり、声優になるために養成所に入るのは大学出てから、もしくは大学行きながらでも遅くはない、自分を広げるために興味があることを勉強して見たら、というアドバイスをもらって、もう一つの将来像だった「学校の先生」になるための勉強をするために東京の大学を受験したことなどが語られる。
東京では1年目はたくさんバイトをして資金を貯め、2年次から養成所に通い始めたこと、そして養成所での悩みや友人(そしてそれはライバルでもある)のことが、レッスンの練習でよく通った代々木公園でのカットと共に語られる。ここでは養成所の同期で今でも親交が深い「るるきゃん」こと佳村はるかから誕生日にもらった直筆のメッセージなども挟まれる。
ラストが京都。あやちゃんは養成所での事務所オーディションも合格までに6年かかっているけれど、所属後もなかなか役のオーディションに受からず、数年経つ。初の大役が「たまこまーけっと」での主役、北白川たまこ。それは商店街の餅屋の娘たまこの成長や恋を描いたものだったが、制作が京アニこと京都アニメーションだったためか、その商店街(うさぎ山商店街)は京都にモデルとなる街がある。それが京都出町枡形商店街。ここは「たまこ」系の聖地となっているようでアニメファンの訪問も多いようだが、商店街の人々とアニメスタッフ/キャストとの交流もあり、あやちゃんも「京都のおとうさん、おかあさん」と呼ぶほど親しくしている人もいる。その人たちとの交流のカットや、まるでアニメの1シーンのような商店街や鴨川の飛び石などの写真に添えて、「たまこまーけっと」でやっと両親に認めてもらったこと、その映画版「たまこラブストーリー」の京都での上映会を観に来た両親の間でのエピソード、そして最後に今後のことなどを綴って終わる、全72ページの本だった。
最後の今後の話以外は、いずれも断片的には今までのラジオやインタビューで語られたことなので、内容的には「そんなこと初耳」というほど目新しいものはなかったのだけれど、彼女の言葉で時間軸に沿って語られるこの本はとても良く彼女の想いが伝わった。
そして基本タレントさんの写真集などにはあまり興味がないcybercatが、正式発売に先駆けて先行販売で前のめり気味に入手したのは、この本にはオリジナル曲のCDがついているのを知っていたから。自分があやちゃんを推すに至ったのは、間違いなく歌の要素がかなり大きいので。
この歌、作詞があやちゃんというのも興味があったけれど、作曲は(編曲も)なんと藤本巧一!彼こそ「たまこまーけっと」の主題歌「ドラマチックマーケットライド」
や「たまこラブストーリー」の「プリンシプル」
の作曲者。「ドラマチックマーケットライド」は、キーがCとDを行き来する転調が印象的な技巧派の曲だし、「プリンシプル」は、あやちゃんの今まで歌った歌の中では誰が選んでも間違いなく五本の指には入ると思われる、伸びやかなフレーズと透き通る歌声が心地よい名曲。
一般書店で販売されない限定流通の本の付属のCDとしては贅沢極まりないこの布陣、これを買わずにいられるだろうか?ということで、購入。
CDにはまず、あやちゃんのナレーションで写真について、本には載ってないような情報を含めて語られるパートがあり、写真を眺め、文章を読みながら聴くとちょうどよい感じ。
そしてラストには期待した楽曲「空」。
...........これは、期待以上だった。
曲調としては奇をてらっておらずどちらかといえば「プリンシプル」系だけれど、もうすこしゆったりとしたグルーヴ。ピアノと生ギが目立つバラード調の曲で、イントロはストリングスなども入っているけれど、1コーラス目Aメロ前半はピアノとパーカッションのみに絞り、後半に入ってベースにバスドラとバックビートのハイハットクローズ中心のドラム、遠目のディストーションギターと加わっていき、Bメロでドラムがスネアを使い始めて生ギも加わり、一瞬のブレイクの後サビでストリングスなども鳴り始めてドーンと来るというドラマチックな構成。曲としては(自分的には)ベースがよく動き、バスドラとのタイミングが必ずしも合っていないのが印象的(一般的にはバスドラとベースは同時発音の曲の方が多い)。Bメロ後半のサビへのつなぎの部分の音の配置と、あやちゃんのファルセットとの切り替え近い音域を使ったメロディラインも印象的。さすがあやちゃんの「いい音域」をよくわかっている。
あやちゃんの詞もいいな。自分はバンドで音楽をやっていてしかもリズム楽器担当だったので、歌はおおむね「曲>詞」の比率で聴いていて、メロディラインは覚えていても詞の内容はまるで覚えていないことも結構あるのだけれど、この曲の歌詞は沁みるなぁ。
♪どんな光もただ見ているだけじゃ/届かないよ/手を伸ばして/今はまだ/こんなに胸が張り裂けそうになる/抱きしめるたび怖かった/でも、諦められない/そんな夢の欠片、探したのは...♪
..と夢を追うことの大切さを歌う。それがいちいちメロディラインと合わさって胸に届く。
歌を創る場合、方法として詞に曲を付ける「詞先」とメロディに歌詞を乗せていく「曲先」があって、詞先の方は伝えたい想いが上手く伝わるし、詞と音符の区切り方が不自然でない利点があり、曲先の方は詞の文章の区切りや詞に使われた単語が持つイントネーションにとらわれないメロディが書けるメリットがある。今回はあやちゃんがざっくりした詞と伝えたい内容を藤本さんに渡し、出来上がってきたメロディに詞を調整して合わせるという形をとったみたい。職業作詞家でないあやちゃんにとっては、1コーラス目と2コーラス目で詞の文節を合わせて曲に合いやすくするというようなことは難しいだろうから、この方法は時間がかかるけれどベストな方法だったと思う。
そうしてできた曲は伝えたい想いがのびやかなメロディに乗って届くとても素敵な曲となった。
歌が言霊とともに自分に染み込んでいき、すごく感動した。久しぶりに歌を聴いて泣いたかもしれない。
...会社でもある程度年数経つと何となく「ここまでやればいい(完璧ではないけれど必要十分)」というのが見えてきて、昔のように何が何でも自分の限界までシャカリキにならなくても..という気になっていたのだけれど、できる限り頑張ってみようかな、と初心に帰ることができたね。
先日のイベントでは(さすがに1曲ではバックは録音だったけれど)生歌が聴けてその時もウルっと来たなぁ...
今のところ、一番大切な曲のひとつになっています。これは洲崎綾ファンならば絶対に聴くべき曲かも。
...12月に入ってからずっと連続してお届けしてきた「芋づる式洲崎綾 Part4」、まだ手持ちが完全に捌けたわけではないのだけれど、とりあえずラスボス来ちゃったwので?、これでいったん終了。次はいつやろうかなぁ....←まだストックはあるラシイ...ww
【目次】
・はじめに
・金沢 ~金沢駅前~
・金沢 ~金沢南総合運動公園~
・金沢 ~竪町ストリート~
・東京 ~代々木公園~
・「空」
・京都 ~祇園周辺~
・京都 ~出町枡形商店街~
・京都 ~鴨川~
・メッセージ
【付属CD収録内容】
1. オープニング
2. 金沢南総合運動公園
3. 竪町ストリート
4. 代々木公園
5. 京都出町枡形商店街
6. エンディング
7. 空(歌・作詞:洲崎綾、作編曲:藤本功一)
発売元Sea Side Communications該当商品ページ
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購入金額
3,800円
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購入日
2016年12月10日
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購入場所
SEASIDE LIVE FES 2016前日祭 会場物販
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