テキサスインスツルメンツから発売されている1回路入りオペアンプです。黎明期のICオペアンプで、旧ナショナルセミコンダクターから発売されていたものです。もとはと言うとフェアチャイルドのμA741です(初代フェアチャイルドはナショナルセミコンダクターに買収され、ついでナショナルセミコンダクターがテキサスインスツルメンツに買収されています)。位相補償コンデンサを内蔵しているのは当時画期的だったことでしょう。入力はNPNです。
なお、2回路品としてLM1458があります。
ロー寄りのドンシャリ
ヘッドホンでは意外と聞けなくもないですが、ロー寄りのドンシャリといったところでしょうか。今ではもっと良い石があるので、意図的にローファイにするのでもない限り、わざわざオーディオに使うこともないでしょう。
但し、エフェクターに使う分には今でも定番のようです。これについては専門外なのでよくわかりません。
過渡応答(A=11 Vin=200mVp-p f=100kHz Rfb=10kΩ 位相補償なし 10:1プローブのみ接続 ガラエポユニバーサル基板)
過渡応答(A=11 Vin=200mVp-p f=10kHz Rfb=10kΩ 位相補償なし 10:1プローブのみ接続 ガラエポユニバーサル基板)
過渡応答(A=1 Vin=200mVp-p f=100kHz Rfb=0 位相補償なし Rl=15Ω ガラエポユニバーサル基板)
立ち下がりだけクロスオーバー歪が出ているようです。
画像のサイズが違うのは撮影機材(小さいほうがiPhone 5c、大きい方が同6s)が違うからです。
外部電源が前提
遡ることおよそ半世紀、1968年。位相補償コンデンサを内蔵したμA741が初めて出たときは、発振しにくく使いやすかったであろうと思われます。
DIPの1回路品なので、ステレオで使うには変換基板を……と言いたいところですが、わざとローファイに作るのでない限り今時分わざわざこの石でオーディオ回路を組むこともないでしょう。
但し、今でもディストーションなどのエフェクターには需要があるようです。
電源も、スペック上は±10V以上を要求します(実際には±5Vでも動くそうです)。かつてのアナログ計算機は±15Vで動かしていたので問題はないのですが、今や5Vロジックですら過去のものとなりつつあります。エフェクターでは006P(9Vの電池)を使うのが定番だそうですが、これを2個使っても足りません。電源は外部から接続することを考えたほうが良いでしょう。
エフェクターのような積極的に歪を出す回路には需要があるとはいえ、こんなに古い設計の石がよく生き残っていたものだと逆に感心させられます。
今ではエフェクタ用のIC
エフェクターに使うならともかく、オーディオアンプに使うのはやめたほうが良いです。今ではNJM4558のほうが安く手に入りました。
但し、エフェクタに使う場合はTL071(これはFET入力です)と同じ価格帯ですので、これは好みで選んで良いと思います。ディストーションエフェクタを作るのにOPA627を使っては大根を正宗で切る様なものだということはわかるでしょう。
そんなに発熱しない
24V駆動のcMoy回路では、外気温21.1℃に対してパッケージ表面は23.3℃まで上昇します。
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購入金額
86円
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購入日
2016年11月18日
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購入場所
デジット
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