実は、今でも、手を伸ばせば届く本棚に置いてあるという一冊w
歴史が大好きなので、見ているだけでワクワクしたんですよね。
学生の時には、信長の野望と三國志の影響が強かったので、日本史は戦国時代周辺に興味が集中していましたけれども。
最後部に載っているのは、
・神社の建築様式の簡単な図説
・仏像の種類の解説として、簡単な『如来』『菩薩』『明王』『天』の役割の説明
・行政区分の変遷として、旧国名、廃藩置県での県名、それを統合した都道府県の対照表
・年号一覧表
・年表(天皇の在位と、政権トップの在位、他のアジアの動きと、世界の動きを並列表記)
・陸上、海上、航空の各自衛隊の方面担当地域の地図、1990年末見込の戦力
と、ワンポイント、一ページにすらならないものもありますが、中々のものです。
そして、今、何かと話題な島津家さんは、何気に甲斐武田、豊後大友よりも古くから守護として名前が残っていたりするという伝統の家である事が資料集の中でも確認出来たりします。
源頼朝によって守護に抜擢されたという伝承通りに、鎌倉政権成立時には既に薩摩に名前があります。
この時から近代である明治まで、所領を維持しつつ家督を継承し続けることが出来たのは、島津だけであるというのは、なんとも凄いお話です。
話が逸れました。
歴代天皇在位と政権トップ在位を絡めた年表。
これ、対照出来る状態の年表が収録されている本は、教科書や副読本でないならば、5000円以上する事も有り得ます。
そう考えると、凄い価値があるのデスヨネー。
思わぬところに、愛読書とのつながりが!
久々に引っ張り出して、ページをめくっていると、とある資料写真の説明文が目に留まりました。
山背国愛宕郡出雲郷の戸籍(徴税資料)
ここで注目すべきは、地名。
山背=山城ですので、現在の京都府の地名です。
726年のものですので、平城の京があった頃ですね。
ちょっと外れた場所に勢力を持っていた地方豪族のもの。
というには、名前が引っかかりますよね。
「出雲」
地名も、姓も、とある場所にあるという大社の地と同じです。
QEDシリーズ後半に、出雲にまつわる事件が登場します。
そこには、奈良、京都にある出雲の地名こそが、日本書紀、古事記に記されている出雲であるという説が採られていました。
相撲の元祖と言われている當麻蹴速と野見宿禰の勝負。
野見宿禰は、天皇の招聘に応じて、その日の内にやってきます。
妖異や神の類でなければ、出雲鳥取の地のように数百キロも離れていたら、日を跨ぎますよね。
また、奈良の出雲は三輪山の麓。
三輪山といえば、大物主大神が祀られている聖地。
大物主は大国主命の別名とも言われています。(共に祀られている大己貴命も、大国主命の別名説あり)
故に、畿内に出雲は存在していた。(或いは、大国主命に別名が大量についている事から、日本書紀、古事記に記載されている出雲の出来事は、雲州鳥取の話と、この畿内の話が合成されている可能性がある)
という説です。
京都市内の出雲路辺りが、この資料に載っている計帳の愛宕郡出雲郷らしいですねぇ。
御霊神社が、出雲氏のゆかりの寺の跡にルーツを持っているとか、いないとか。
壬申の乱の功を認められて、官位を授けられたり、平城京に出仕(通勤していた)の記録もあるそうなので、朝廷の記録に残っている出雲のいくつかは、京都や奈良に住んでいる出雲氏の事なのかも。
いやあ、もっとマニアックな資料でしか分からない証拠だと思っていたら、教科書副読本に掲載されているレベルの有名な資料だったとは。
なんだか、凄くビックリしました。
やっぱり、贅沢な資料ですね。
-
購入金額
690円
-
購入日
1992年頃
-
購入場所
ZIGSOWにログインするとコメントやこのアイテムを持っているユーザー全員に質問できます。