レビューメディア「ジグソー」

備えあれば憂いなし

これは万年筆専用の洗剤です。万年筆のインクを入れたまま日が経つとインクが詰まって書けない、ということが起こります。一般の染料インクならまだ水洗いでなんとかなる場合もありますがブルーブラック(ダイアミンの登記官インクやペリカン、プラチナ万年筆など特定メーカーのもの)や水性顔料インク(プラチナ万年筆のカーボンインクやセーラー万年筆のSTORiAシリーズ、モンブランのパーマネントインクなど)といった耐水性のインクだと場合によりオーバーホールが必要になります(私はビンテージ万年筆をオーバーホールして実用にしています)。特に金ペンは国内メーカーでも福沢諭吉に匹敵する値段(各社標準モデル。樋口一葉級の安いのもある)ですし、舶来の高級品などはiPadよりも高価です(iPad Pro 12.9″モデルが89,424円、マイスターシュテュック149は97,200円)。うっかり故障させてはシャレになりません。

 

本品はそのような状況で使用します。小袋の説明書きに従って水で薄めて首軸ごと一昼夜ペン先をつけておけば洗浄できます。オーバーホールは不要だと思われますが場合によって私はオーバーホールで使用することがあります(ダイアミンの登記官インクを使ったときなど)。

その後付属のスポイトですすぐのですが、スポイトがプラチナ万年筆専用になっています(コンバーターやカートリッジの代わりに差し込むイメージです)。他社の万年筆の場合、コンバーターを使う(パイロットに限ってはCON-70やかつて発売されていたCON-20を使えばまだ楽ですがセーラーは回転吸入式のコンバーターのみなのでかなり面倒です)、空のカートリッジを使う(都合よく手に入るものではありません)など工夫が必要です。なお、欧州統一規格に対応したペン(ペリカン、ウォーターマンなど)の場合、それ用のパッケージが併売されています。

 

洗剤の原液が入った小袋は5つ入っており、1回当たりの単価は259円20銭(税込)です。プレピーに限っては買い換えたほうが安上がりですがそれは例外です。末永く使えるのが万年筆の特長ですからそれを考えると決して高くはありません。

 

以前ビンテージ万年筆を洗浄した際アスコルビン酸洗浄(没食子インクを使用する場合のメンテナンスによく使われます)ではうまくいかなかったことがあり、それの対処のために購入したという経緯があります。おかげで現在でも常用にできています。アスコルビン酸洗浄で結果が芳しくない場合、これを使ってみるのも手です。

 

なお、同じ目的の製品がエルバンやロットリングから出ていますが、持っていないのでよくわかりません。

  • 購入金額

    1,296円

  • 購入日

    2015年12月頃

  • 購入場所

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