初期のオペアンプの一つです。1969年からある石ですが現行品です。もとはフェアチャイルドから発売され、セカンドソースが各社から出ましたが、今回はテキサスインスツルメンツから発売されているものが入手できました。同社はほかに、旧ナショナルセミコンダクター版のLM741も併売しています。
本来は μA741 と表記しますが、百万分の一を表す「マイクロ」がギリシア文字で「μ」と書かれるのに対し、ローマ字しか使えない環境などでは形の似たラテン文字の「u」で代用表記することが広く行われていることから、uA741 と書かれます。(なお、似たような表記はNECから発売されていた μP で始まる型番のICにも見られます)
DIPの1回路品です。
昔の設計だからしょうがない
ICオペアンプの中でも特に初期のものなので期待してはいませんでしたし、むしろローファイ感のある石ですが、まったりした音質で低域寄りです。というのも、オーディオに使うには帯域が足りていないからです。
後に出てきた4558などと比べればどうしても見劣りがしますが、それは当然のことです。なぜなら、これをオーディオ用に改良したものがRC4558だからです。
過渡応答(A=1 Vin=200mVp-p f=100kHz Rfb=0 位相補償なし Rl=15Ω ガラエポユニバーサル基板)
LM741と比べてクロスオーバー歪が少ないようです。そのためか、まだ聴ける音質になっています。
昔の設計だから(以下略)
オペアンプは本来アナログ計算機のために作られたものなので、1回路入りです。2回路用のソケットに差し替えるには変換基板に実装する必要がありますが、今ではずっと良い石があるので今時分わざわざこれで設計することもないでしょう。
電源電圧は±5~±15Vで動作します。±15Vはアナログコンピュータに由来するそうです。ポータブル機器には向きませんが、まさかこの石でポタアンを作ろうと思う人はいないでしょう。
昔の(以下略)
オーディオ回路に使うのであれば、NJM4558のほうが安いし、今ではこれよりずっと音質の良い石がいくつもありますので、わざわざこの石を選ぶ必要もないでしょう。もっとも、わざとローファイにしたいのなら別ですが……
発熱? なにそれ美味しいの?
24V駆動のcMoy回路で使用した場合、外気温23.0℃に対しパッケージ表面が24.9℃まで上昇します。昔のオペアンプですのでそんなに帯域もなく、発熱は抑えられています。
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購入金額
86円
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購入日
2016年09月17日
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購入場所
シリコンハウス共立
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