目黒電波測器（現・計測技術研究所 目黒電波測器事業部）から発売されていた電子電圧計です。「ノイズメーター」と書かれていますが、読んで字のごとくノイズを計測する機械です。ミリバルと呼ばれる交流電圧計の一種で、10μVのレンジまで測定可能であり（一般的なミリバルでは1mV程度のレンジが限界です）、広帯域であるという特徴があります。

一般的なアナログテスターでは感度が低すぎ、デジタルテスターは十分な帯域がありません（高いものでも1kHzであり、事実上商用電源周波数専用です）。そこでアナログアンプの設計に使われるのがミリバルです。中でもこの機種は、μV単位のホワイトノイズまで計測できるように設計されています。

ホワイトノイズはあらゆる帯域に渡ってある一定の強さで発生するため、帯域の平方根に比例して数値が観測されるノイズのレベルが上がります。そこで、ホワイトノイズのレベルを記述するときは、帯域が重要となります。

中古品なので説明書がありません。ファンクションジェネレータを持っているので、ノイズメーターの帯域を調べたところ、およそ650kHzあるようです。この帯域はフィルタなしに設定した場合ですが、聴覚フィルタを設定するスイッチが付いています。

1kHz、1Vrmsを入力したところ

振幅はそのまま、3dB減衰する周波数まで上げたところ

RMS表示・平均表示・ピーク表示の切り替えスイッチがありますが、説明書がないため本当にRMSを表示しているのか、正弦波決め打ちで換算しているのかはわかりません。

そのほか、S/N比の測定に便利なように感度調整ツマミが右下に付いています。