丁度、この本が出た辺りは、L2さんのブームがPCゲームとテーブルトークの狭間の時期かなあ。
或いは、気づいていなかったのかもしれません。
もしくは、どストライクなパロディー過ぎて、敬遠していたかも。
という訳で、購入したのはつい最近ですw
タイトルや題材は、確かにパロディーなのですが、システムはしっかりと練り込まれていると思いますね。
・魔女っ子ダイスレスロールプレイング
魔女っ子ものの番組を再現するRPGです。
しかし、プレイヤーは魔女っ子を演じません。主人公が出会う周囲のキャラを演じて、番組を作っていくというスタイルになります。
能力の決定方法も、特殊ですね。
人気、影響力、行動力の三つに180ポイントを振り分けるのですが、決定方法は競りとなります。
能力値は、主人公に絡む役柄で登場する為に、他のプレイヤーよりも高い必要がありますので、競りの意味が出てくるわけですね。
そして、万能のバランス型にしようとしても、競りがあるので、思い通りに行かないというw
更には場面で起きるイベント、アクシデントへの判定にも使われることになります。
そう、ダイスレス、なので能力値の決定から、判定にまで、ダイスの出番はありません。
プレイヤーは協力したり、妨害したりしつつ、主人公がどんな行動を取るのかを決め、魔女っ子番組らしく作って楽しむ訳ですね。
・聖戦士RPG プラネットナイツ
聖闘士なアレを再現したRPGです。
世界を守る女神は太陽の力を持ち地上に生まれ、太陽宮にて平和を司っています。
その太陽宮を惑星宮など太陽系の星などの力を受けた聖戦士が守護するという設定。
もちろん、聖衣鎧はありますよ。
ソーラープレート、プラネットプレート、サテライトプレート、アステロイドプレート、コメットプレートとなっていて、アステロイドとコメットが某作品では青銅、サテライトが白銀、プラネットが黄金と言えば雰囲気は掴めるでしょうか。
能力値は、美形度、腕力、根性、敏捷度。初期値は32をそれぞれに振り分けします。
美形度は成長しません。このRPGで最も重要な能力です。
何故ならば、美形キャラがエピソードの中心として動くことが出来るからです。注目度が高く、最初にファイナルブロウを披露する見せ場があります。
腕力は純粋な攻撃力。
根性は、重傷や瀕死などのダメージを耐え、何度も立ち上がる為の能力。
敏捷度は、主に攻撃の回避能力ですね。
HPは腕力+根性+レベル1毎に1D6です。美形度を高くし過ぎると、ここにしわ寄せが来ます。美人薄命w
一回のセッションは、話数で言うと数話から1クール分の場面に区切られて進行する事が推奨されています。
これは、正義の聖戦士は鎧以外の武器を持たず、正々堂々と戦う誓約(制約)がある(但し、ラスボス戦や雑魚戦は除く)為に、敵との戦闘が基本的には1対1だからです。
見せ場が少ないキャラが出るとセッションが盛り上がらないですからね。
戦闘中の行動は、口上、通常攻撃、間合いを取る、間合いを詰める、防御する、というものが主な選択です。
また、戦闘時の特徴として、1ターン目は必ず、口上から始まる、というのがあります。
「教皇は、アテナを亡き者にしようとしているんだ! 通してくれ!」
「くくく、それがどうした? 強者である教皇猊下が支配するのは正しいことではないか」
「馬鹿な! 正義を守るのが聖闘士の使命ではないのか!」
というようなセリフの応酬をしてから戦闘に入るのがマナー。盛り上がるセリフを言えれば、戦闘にも力が入りますね。
そして、瀕死ダメージ(HPがマイナスになる)を受けた場合、1ターンに1ポイントずつ回復して、1に戻るまで行動不能になります。
その分は、敵が口上を必要ターン分使用してストーリーを語るというお約束がありますw
シナリオのコツや、判定など、鎧ヒーローものをしっかりと基本要素で再現しているので、聖闘士なアレだけではなくて、背景設定を変えることで、天空戦記なものや、鎧伝なものにも使えます。
・ホラームービーRPG 死霊のお中元
タイトルから、既に元ネタたちが分かりますね。
そう、エクソシストやドラキュラ、リングのような映画ではなく、キャプテンスーパーマーケットのようなノリのB級ホラー映画をプレイするのが目的となります。
つまり、最終的にシナリオでPCが全滅して、「次の犠牲者は、誰だ」みたいな展開になるのも、殺人鬼を撃退するも、呪いのマスクをPCの一人が興味本位で被ってしまって…、後はご想像ください、な展開もありなのです。
さて能力値は、5つ。
耐久力、運動力、知力、恐怖ポイント、気合ポイント。
耐久力は文字通りの数値、シナリオ中に0になったら死亡します。
運動力は筋力や敏捷性が必要な時の判定に用いられます。
知力は、知識、霊感などの判定に用いられます。
恐怖ポイントは、恐ろしいことを引き寄せる力となります。このポイントを消費して、B級ノリの行動をする事で、後述の気合ポイントへと変換する事が出来ます。
B級ノリとは、
「一人になったらヤバいぞ!」
「でも、〇〇が居なくなったんだよ!」
「皆で一緒に探しにいこう、武器も1つしかないし…」
「手分けして探した方が速いだろ?俺が探して来てやるよ、武器はお前たちが持っておきな!」
というような明らかに、お前それは危険を招いているだろう?と突っ込みたくなる行動や、都合よく故障したり、電球が割れたりするようなアクシデントの事を言います。
それによってピンチを招くことによって、気合ポイントが貰えるのです。
そして、気合ポイント。
これは初期値が0で、恐怖ポイントを変換できた場合に増えます。使用する事によって、能力値にボーナスを付ける事が出来たり、行動を好転させる事が出来ます。
このポイントを上手く貯めつつ使用出来れば、「さんざん、打つ手なしで逃げ惑っていたのに、追い詰められて偶然掴んだ石が聖別されていた十字架の欠片で悪霊は断末魔を上げて消滅。朝日が昇る中で生き残ったものたちは安堵して家路に着きました。めでたしめでたし」というような良いB級映画が出来上がります。
貯めることに失敗しても、「この湖畔には、忌まわしき伝説がある、それは13日の金曜日にキャンプをすると参加者が全員殺されてしまうというものである。そう、それは未だ進行形なのだ」という良いバッドエンディングが作れる訳ですw
ノリを合わせないと中々にセッションが上手く行きそうにもないのが難点ですが。
サンプルシナリオのタイトルも、B級感が強くて良いです。
「悪魔の紅茶きのこ」「スペース・キョンシー」「49日でしかも仏滅」「火星ミイラの逆襲」などなど、なんともいえませんね。
・特撮戦隊RPG 英雄戦隊セイギマン
こちらも読んで字の如く、ですねw
ちょっと、前半で力を入れすぎたので、この辺りからあっさりと紹介します。
このRPGのポイントは、怒りポイントという能力です。
これはセッション開始時点では1ポイントですが、悪の組織の行動に怒りを覚えたことを一番に発言する事で加算されていきます。発言者が2ポイント、上手くその発言に乗っかったら1ポイント貰えます。
怒りポイントは変身後の能力を全て底上げするボーナスとなります。
正義の心を燃やす事で、ヒーローが強くなる、という演出を再現するルールですね。
熱血キャラ程、強くなるという事でもありますので、その辺りもそれっぽいデスヨネ。
・U.F.S ウルトラファイター物語
これもまた、タイトルで丸わかりですかねw
巨大怪獣や宇宙人などと戦いを繰り広げる変身ヒーローものRPGです。
特徴的なシステムとして、ヒーローは変身する為にウルトラポイント(UP)が必要。
UPは、登場人物が怪獣などの侵略者や事件に向かって対策的な行動を成功させる事で貯まります。
十分に貯まると変身が可能となり、ヒーロー登場! しかし、UPはヒーローのHP決定にも使われますし、攻撃技のエネルギーにもなるという事で、ギリギリだと不利になるかもしれません。
そして、怪獣は、対ヒーローHPと対人HPを持っていて、両方が0にならないと倒せません。
ウルトラ警備隊の奮闘は必要な行動なのです!
・超☆少年時代
すこしふしぎコミックな世界を再現しようとしたRPGです。
未来の道具をもった青いタヌキ猫型アンドロイドが押入れに住んでいたり、ご先祖様の超発明で事件を起こしたり解決したりする少年のお話、大飯喰らいで大した特技もない霊的生命体Qといったものの特徴をルール化しています。
このRPGの世界には、不思議な能力や道具をもった居候がいて、登場人物を助けたり、助けなかったりするという設定になっています。
キャラクタータイプは、超少年(超能力少年でも、スーパー少年でもありません。超「少年」っていう事です、いわゆる主人公です)、ヒロイン、狂言回し、ガキ大将、優等生。
青いタヌキの登場するアニメでいうと、眼鏡のダメ人間、お風呂好きの女の子、親の金を自分の力と思っているガキ大将の腰巾着、八百屋の長男なガキ大将、出来過ぎな位の優等生、という事になりますね。
主能力は4カテゴリの8つ。
体力系の運動、喧嘩。
財力系の節約、浪費。
知力系の勉強、娯楽。
魅力系の人気、道化。
最大値は5で、1d6で決定します。6が出たら◎(得意の印です、実際には5として判定します)
副能力はおねがい力とがんばる力。
おねがい力は超少年5、ヒロイン4、狂言回し3、ガキ大将2、優等生1の固定です。これは、居候な不思議キャラが助けてくれる力です。主人公な超少年が高いですね。
がんばる力はセッション開始時5で固定。元気度を表していて、怪我やショックで減ったり、頑張る行動が上手く行かない事で減少します。最低値が1で、0にはなりません(すこしふしぎな世界観ではおおよそ死ぬような事件はないですよね)
主能力決定時に、おねがい力の数だけ、任意の能力値に×をつけます。×は1として判定します。超少年が×が多いのは、原作の雰囲気を再現していて良いですね。
全ての判定は1d6±修正値で能力以下を出せばOKとなります。
シンプルですね。
また所持品とワザ(得意なこと)をそれぞれ1d6種類ずつもって置けます。
超少年たちを助ける(?)居候キャラは6つの能力(キャラによって道具、魔法とも呼ぶ)を持っています。
発揮出来る能力の数は居候キャラのタイプによって違い、
万能型は全て、
専門型は一つだけ、
代償型は主人公たちから物を一つ貰わないと能力を使えない、
契約型は主人公たちからワザを一つ貰わない能力が使えません、
消耗型は能力を使う度に居候キャラ自身のがんばる力を消耗して、1になっている時は使えません。 最後のタイプ、無能型は能力の使用に際してランダムに決定されてしまいます。
6つの作品とも、元ネタがあって、というものなのですが。
それでも、シンプルながらもやり込もうとすると可能性が広がる、というバランスになっているのではないかな、と考えています。
元ネタの肝の部分をグッと掴んでいる感じで、「これ、あるあるだねー」と言いながら説明が手短に済みそうなところも良いですね。
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購入金額
1,887円
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購入日
2016年09月09日
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購入場所
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