オーディオマニアの間では有名な石の一つです。メーカーでは「ノイズと歪みが極めて小さくプリアンプに最適」としています。バイポーラ入力で、1回路品のみがあります。メーカーが推奨する用途はオーディオ用のほか、「赤外線、CCD、ソナーの画像処理」「地震計」などがあります。
梨地仕上げの音質
この石は位相補償しないと発振するようで、音が大味になります。ボリュームを回すとガサゴソ音がするのは、位相余裕が無い証拠です。
ゲイン3.1のcMoyアンプで使った場合、47pF(村田の温度補償型積セラ)で位相補償をかけると、かなりまったりした音になります。但し、クリアな音かというとそうではなく、梨地仕上げのような雰囲気があります。それでも、10分ほど聴き続けていると耳が慣れてくるからかザラザラ感は鳴りを潜めます。
位相補償を10pFまで下げると見晴らしが良くなります。47pFでは過補償になるようです。
過渡応答(A=11 Vin=200mVp-p f=100kHz Rfb=10kΩ 位相補償なし 10:1プローブのみ接続 ガラエポユニバーサル基板)
過渡応答(A=11 Vin=200mVp-p f=100kHz Rfb=10kΩ Cfb=10pF 10:1プローブのみ接続 ガラエポユニバーサル基板)
(12/30追記)15Ω負荷(セメント抵抗)時の過渡波形を以下に掲載します。見ての通り下半周期だけ発振しています。
過渡応答(A=1 Vin=200mVp-p f=100kHz Rfb=0 位相補償なし Rl=15Ω ガラエポユニバーサル基板)
発振対策が必要
1回路品のみなので、ステレオ回路で使うには同じものがもう1つ必要です。2回路用のソケットで使うには、変換基板も別途必要です。
また、容量負荷の駆動には注意が必要で、10倍未満では注意が必要なようです。ヘッドホンアンプでは比較的ゲインの低い非反転増幅回路が使われることが多いので、発振に対策が必要です。発振すると音が大味になります。
電源電圧は±5~±15Vで動作します。公称50mAの出力電流を謳っており、ヘッドホンアンプに使うぶんには問題ないでしょう(オームの法則によれば16Ωに800mVまでは大丈夫ということになりますが、普通はもっと低電圧の信号が使われますので、普通に使うぶんには余裕があると言えるでしょう)。ただ、電源電圧の関係上、ポータブルアンプに使うには難しいものがあります(9Vの電池を2本使うなどが考えられますが、乾電池は意外と場所を取ります)。
このオペアンプの場合、データシートに動作原理から容量負荷の駆動、歪補償やDACへの応用など詳しく書かれています。
値段相応
高音質なオペアンプですが、それなりに高価です。2つ揃えようとすると4000円程度かかります。同価格帯でもっと使いやすいものにはMUSES02などがあります。それでもOPA627と比べれば安いのですが……
結構あるかも?
24V駆動のcMoy回路の場合、位相補償47pFでは外気温29.1℃に対しモールド表面が41.1℃まで上昇しました。
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購入金額
1,728円
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購入日
2016年09月08日
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購入場所
シリコンハウス共立
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