1956年作品。175分。原題 “Around The World in 80 Days”
あらすじ
時間にとにかく正確で過剰なまでに几帳面な英国紳士のフォッグ氏。社会向上クラブという社交クラブに属する彼は、クラブで「80日間で世界一周は可能である」と言い、他のメンバーと2万ポンドという大金を賭けて、世界一周の旅に出かけるのだったが、そうすんなりと事は運ばないのだった…
1956年に、恐らくはかなりの製作費をかけて作られたのであろう、超長尺作品です。
インターネットで調べると、日本語の「allcinema.net」では169分ですが、英語の「imdb.com」では2時間55分となっています。
Disk1とDisk2の本編間に存在する「幕間の音楽」と、本編終了後に流れる「退室の音楽」まで合わせると、2時間55分の方が正確な数値になっています。
ジュール・ベルヌの著名作を映画化したものですね。
普段は非常におとなしいフォッグ氏が、大金を賭けて世界一周を試みるわけですが、もちろん交通手段には色々な障害が待ち受けていますし、さらには警察も少々絡んできて、彼のスムーズな移動を妨げます。
この警察が絡んでくるあたりは、私は最近原作を読んだばかりだったので良く分かったのですが、予備知識なしに鑑賞するとちょっと唐突すぎ&説明不足な感じがします。
召使い役の同行者パスパトゥーが、かなりの女好きとして描かれますが、原作ではこんなだったかなぁ…?
シャーリー・マクレーンがインド人役を演じたりしていますがさすがにこれはちょっと無理がありましたね。
3時間近い長尺ですが、その中には世界各地の風俗や名物、そして珍しいものなどの映像がふんだんに含まれております。
現代であればさほど珍しいものではないでしょうが、1956年当時の人たちにとっては、海外旅行もそう行けるものではないでしょうし、世界一周など夢のまた夢でしょうから、そういう部分でも観客を楽しませる意図もあったのだと思います。
まぁ、現代となってはそこが少々冗長に感じたりもするわけですが(^_^;)、そこは当時の観客たちに想いを馳せたり、日本も出てきますので、1956年にハリウッドが19世紀終わりの日本を再現しようとしたときにどんなものになるのかを想像しながら楽しむようにしましょう(^_^;)。
各地の名物なども、結構な長尺で(ものによってはほぼワンカットで)描かれたりしますので、そこを楽しめるかどうかで評価も変わってしまうかもしれませんねぇ。
世界各地の様子がスクリーンに描かれるわけですが、CGも無い時代ですから、バックスクリーンを使用したり、実物を作ってみたり、実際にその場に行かなければいけないわけですが、主演男優は後ろ姿しか映らないシーンがあったりして、色々と苦労がしのばれます。
ともあれ、映画ファンであれば一度は聞いたことがあるでしょうが、尺が尺なだけに二の足を踏んでしまいがちな作品です。
私も入手してから実際に鑑賞するまで、結構な時間を要しました。(^_^;)
ま、時間がたっぷりある時に、古き時代のハリウッドに想いを馳せながら見るのが良いかと思われます。
「えっ!?」と驚くゲスト出演者たちも出ますしね。
さて出演は、「ピンクの豹」「007 カジノ・ロワイヤル(1967年の方)」などのデヴィッド・ニーヴン、「不機嫌な赤いバラ」「アパートの鍵貸します」などのシャーリー・マクレーン、そしてゲスト出演に「情婦」「黒い罠」などのマレーネ・ディートリッヒ、「殿方ご免遊ばせ」「凱旋門」などのシャルル・ボワイエ、「上流階級」「オーシャンと十一人の仲間」などのフランク・シナトラ、そしてスラップスティックの喜劇王バスター・キートンも出ています。
キートンには本編で気付かなかったのが悔やまれます。エンド・クレジットで名前が出てきてビックリしました。
2016年2月鑑賞
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購入金額
1,543円
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購入日
2016年02月08日
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購入場所
Amazon.co.jp
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