先日担当させていただいたGetNavi(2015年11月号)の『素玄目線』連動レビュー「BOSE SoundLink Mini Bluetooth speaker II」。
担当させていただく事になって、さぁどうすべ、と。
音を言葉で表すのは難しい。もう一つのMonster CableのSUPERSTAR BACKFLOATの担当となったら水がかかったときの音の差などの説明は自分の声やVOICEROIDで作った音声ファイルでも良いかな、と考えていたが結局BOSEの方の担当となったので、裏にパッシブラジエーターを持つこの機種はやはり広い場所での聴取ポジションの違いによる音の変化を伝えないと、と。
そうすると使いたくなるのは音楽。以前のレビュー
で即興で作ったワンアイデアのループ曲を打ち込んで使った事もあったが、打ち込み環境が単身赴任先にないのと、簡単な曲だと帯域が広くなく、音質変化が把握できない。さりとてその時点から打ち込み環境を用意してきちんとスコア書いて打ち込んで...なんて程の時間の余裕(と曲を即製する能力w)はない。
そこで想い出したのがWebラジオ「洲崎西」。
このラジオ、いわゆる「声優ラジオ」なのだが、番組(映画)タイアップラジオではないので?オープニングテーマとエンディングテーマにアニメ作品の主題歌やパーソナリティの歌う曲が流れるわけではない。そこで流れるのはインストの曲で、特にエンディングテーマのコード進行がカッコよいので「何の曲かな?」と調べてみたことがある。
するとこれらの曲は特に「洲崎西」のために作られた曲ではなくて、「こういった用途のために市販されている曲」だと分かった。
一般に曲などの創作物には著作権や著作隣接権というものが発生する。これは複数の権利者のいろんな権利が絡んでいる。その作品を創った作曲家、作詞家(インスト曲以外)、編曲者やレコード制作者には曲の購入時(CDなど、もしくはダウンロードでも)に支払が発生するとともに、実はこれらの著作権類は曲をかけるときも発生する。CD等を買って曲を手に入れてもそれは私的鑑賞に限って曲をかける権利が認められているだけで、それらを放送したり店のBGMに流す、あるいは動画作品に使ったりする場合、都度「ロイヤルティ」が発生するのだ。
したがって購入した曲を動画のBGMに使いたいなら権利者か著作権管理団体(有名どころとしてJASRAC)と契約を結び、動画が再生される度にその対価を権利者(あるいはその委託を受けた著作権管理団体)に支払う必要がある。ちょっとそれは個人ではキビシイ。
そこでそれらを解決するものとして「著作権ロイヤルティフリー」の音源がある。これらは「著作権使用料がない」音源。著作権がないわけではなく、その著作物を使用する時の料金も購入時に纏めて支払ってあとは契約が続く限り使い続けることが可能、というもの。
こういった楽曲を提供している団体は複数あり、Ligar Music LibraryやSOUNDTEXTURES、BGM ONLINEといったものがあるが、今回はせっかくなので「洲崎西」のテーマソングを提供しているNash Music Library "FREE USE MUSIC"を運営する株式会社ナッシュスタジオを選択。
ここの契約形態としては、1曲(1素材)ごとに料金を支払い買い取って、それを終生使うことができる「ライフタイム契約」と定額を支払うことで株式会社ナッシュスタジオの提供する楽曲を使い放題な「レンタル契約」がある(厳密には先にまとまった額を支払うことで割安に「ライフタイム」権利のある楽曲をダウンロードできる「先払い式ライフタイム契約」とも言える「リザーブ契約」もある)。レンタル契約は放送局などが使うのに適したもので、Nash Music Libraryの約20000曲(2015年9月現在)のライブラリーを自由に使えるが、使えるのは契約継続期間中のみというもの。曲はよりどりみどりだが、高い。楽曲のバックアップHDDなどが提供されないダウンロードのみの安い方の契約でさえ年間45万円(税別)で最短3年間契約とか個人では完璧ムリな額。「ライフタイム契約」は1曲(1素材-1CDというのも可-)ごとに買い取り、その曲を終生使うことができる、というもの。料金としては曲の長さによって異なり、効果音やジングルの様なものは500円、45秒までの曲が1000円、46秒から4分までの曲が2000円、4分超の曲が3000円といった感じ(いずれも税別価格)。10曲ほど入ったCDアルバム1枚が3000円程度の一般的な楽曲を買うことを考えれば高いが、これで終生著作権を気にせず使うことができる音源が手に入ると考えれば、ま、それもありかと。
あと一般的な曲の場合、その公開時に曲を改変することは禁じられているけれども、これはループ加工やピッチ調整、フェードイン/アウトなどの加工も可。転売禁止などの項をのぞけば、一般的に「やってしまいそうだがやってはいけないこと」というのは、無加工なフルサイズの楽曲がダウンロード可能な状態で公開することくらい(映像作品のバックに無加工フルサイズの楽曲のみをつけるのはたぶんNG。今回動画では野外での収録ノイズやナレーションは入っているし、再生機器切り替え等で細切れ状態になっているのでYouTubeから音だけ抜いても再利用はできないのでOK)。
ただ高価なので今回は全動画で1曲を使い回した(購入価は1曲の価格)。契約も結べたので、今後また動画レビューをする事になったら曲を増やして見ても良いかな。
そうそう1曲目としてダウンロードしたのは当然?「洲崎西」のエンディングテーマ(↓作成動画の一例参照)。この曲の名は「Funky Alien(Instrumental)」というのだが、実は「Funky Alien」というヴォーカル曲がちゃんとあることが分かったり(元曲はラップ調のヴォーカルが入ったファンキィなもの:NSF-202-06参照←試聴音源には無断転用を避けるため、♪Nash Music Library♪というセリフ?が定期的に入っているのであしからず)。
今後の動画レビューのBGMはこれで安心?w
Nash Music Library "FREE USE MUSIC"
法的条件クリアなので公開する動画のBGMに最適
法的条件がクリアになっているので、いくつかの規約を遵守すれば著作権などの問題が発生しない。
一度購入すると永久無料(契約条件による)とはいえ少し高いかな...
ライフタイム契約であれば、契約個人(企業)が死亡(廃業)するまで再利用可能でポッキリ価格なので仕方がない面もあるが、2~3分の曲で2000円(税別)は高いかな...1000円くらいならもっと使うんだけれど。
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購入金額
2,160円
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購入日
2015年08月19日
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購入場所
株式会社ナッシュスタジオ
jive9821さん
2015/09/25
https://www.falcom.co.jp/music_use/rule.html
私もレビュー用の動画で使わせてもらっています。TV番組のBGMとして使われることも結構あるので、案外聞き覚えのある曲もありますからね。
ちなみにTV局は許可なく勝手に使っていると、日本ファルコムの会長は言っていますが…。
cybercatさん
2015/09/25
自分の欲しい曲調があるとそれも便利そうですねー。
ただこの"FREE USE MUSIC"は出典を書く必要もない、という点と、20000曲から選べるという点がよりその用途に特化した感じですかね。