パラドックスインタラクティブ社謹製のリアルタイムストラテジーゲームです。
題材は、第二次世界大戦。
クルセイダーキングス、ヨーロッパユニバーサリス、ヴィクトリアと続く、歴史リアルタイムストラテジーシリーズの最終章に当たるものです。
熱狂的な支持者、愛好者が世界中に存在して、MOD(改造シナリオデータ)が多数存在し、遂には公認改造版がシリーズ派生作品として販売されるに至った名作ゲームです。
私がこのゲームを購入するに至ったのは、上記リンクにあるヴィクトリアレボリューションをインストールした時に、おまけフォルダに入っていたコンバートツールです。
ヴィクトリアにハマって、何度もプレイした後に、レボリューション終了年度である1935年のデータをコンバートできるという事で、PCゲームを扱っているショップを梯子した覚えがあります。
この頃には、すっかりパラド信者状態でしたねぇ。
まあ、今もそうですし、そのお蔭で、英語苦手なのに、英語版ヨーロッパユニバーサリス4とか、クルセイダーキングス2、ヴィクトリア2を購入する程のハマりっぷりです。(翻訳販売権を持つサイバーフロントさんが解散しましたので、もう、シリーズ作品適正価格の日本語版は無い)
ちなみに、まだ、英語は読解すらもおぼつきませんw
完全なるウォーゲームソリティアの電源ゲーム化
プレイ可能な国家は、もちろん、開始年代1936年1月1日に存在したと認識されている、ほぼ全ての国家(軍閥、内戦時の派閥含む)です。
国家の数を絞っていないので、国家閣僚、将官、研究機関(産業、学者など)、艦船名などが前国家分用意されています。
姓名、没年、写真と業績に応じたいくつかの能力、と項目自体は少ないですが、こんな国の人間まで!?と驚く位データ化されています。
日本でも、クイズ番組で初見になりがちな、物理学者の方とかが登録されておりまして、勉強にもなります。
とはいえ、全人物を本当に調べつくせるわけもなく、それっぽい名前の人物や名前しか判明しなかった人物を架空経歴で使っている場合もありますし、HOIゲーム中の役職に無理やり当てはめた状態になっていたりもします。
南米のとある国には、日本を代表する文豪の写真が使われておりまして、ネタAAR(アフターアクションリポート所謂プレイ日記)に使われていたり、中東の国は国王の独裁制なので、全ての役職兼任状態だったりして、全ての実在実際の団体、人物を用意できている訳ではありません。
さて、HOI2もヨーロッパユニバーサリスシリーズと同様に、国家予算=資金収入といった構図ではありません。
国家予算というか、国力はIC(工業力)で表現されています。読んで字の如く、物を製造する力の事ですね。
経済力から、金融力を除いた力というべきもので、一日当たりの生産能力を表しています。
このICを維持する為に必要なのが、金属、電力、エネルギー、希少資源です。対応する数値分を毎日消費しており、足りない場合は、その分だけ実際に使えるICが減ります。
ICは兵器、武器の生産、補給物資の生産、消費財(生活用品や嗜好品)の生産に使われます。一日当たりの能力になりますので、余剰した分を貯める事は出来ません。使わないICとは、つまり、稼働していない工場という事なんです。
実際には、余剰した分は、全て消費財の生産に当てられます。
このゲームの国力はICで表現されますが、資金というデータが無いわけではありません。
主に友好工作、他国との取引、技術研究をしてくれる研究機関への給与、という部分で使用されます。
税収という形では入手できないので、消費財が国民に購入されることによって増えます。消費税というか、研究機関の給与という事を考えると公益法人の売上、かな。
武器、兵器の生産に掛かる費用は、資金で支払いは出来ず、全て、一日当たりどの位のICを使って、どの位の日数掛けなければならないのか、というデータになっています。
例えば、歩兵一部隊(一師団単位なので一万人分の装備)の場合、トータルで装備調達に必要なICが200だったとして、「IC5消費で40日」というような感じです。
ICを貯める事が出来ないのと同時に兵器生産も必要なトータルのICを一括払い出来ませんし、一日当たりの支払いを増やして生産に掛かる日数を減らす事も出来ません。
このシステムは、艦船の建造日数や、兵士の訓練期間の再現しています。技術研究の成果で効率的な訓練や生産方式が発明されたならば、その限りではありませんが。
よって、HOI2では戦争開始後から泥縄式に戦力の拡充を図るようでは勝てません。
予め、戦略に沿った戦力を用意して、イレギュラーを想定して予備を作らなければ戦線の維持すらままならないのです。
特に、艦船は2年以上建造に掛かるのは当たり前なので、適当に作っていては、完成した時には役立たずになっている事も多いです。
兵器などの生産に際しては、搭乗する乗組員や構成、運用する兵士などの人が必要となります。これは人的資源と呼称してカウントされ、毎年成人して働け(戦え)るようになる人数が領土毎に設定されていて増加していきます。
これを消費して部隊を編制(兵器を生産)する事になりますが、戦闘で消耗(戦死、療養離脱)した部隊の回復にも使われますし、ICを増やす(工場を増設)為にも必要になりますので、足りなければ大変困ります。
部隊には士気、指揮統制、戦力、攻撃力、防御力があります。
士気は、読んで字の如くやる気ですね。無くなれば、逃げ出します。
指揮統制は、命令が行き届いているかどうか、という数値で低くなると、部隊は武器を持って集まった人の群れと化します。これが低いと士気が回復しなくなります。
戦力は、戦闘可能な兵士の割合です。低くなると、攻撃力が低下します。ゼロになったら、全滅です。
攻撃力と防御力も読んで字の如くですね。対象となる部隊のタイプ毎に設定されています。
例えば、対空砲部隊は航空機に対して大きな攻撃力を持っていますが、戦車相手には攻撃力がほとんどありません。
厳密にはもう少し複雑な計算をしますが、感覚的にはそんな感じです。
戦闘は、上記の能力を基に判定されていきますが、銃声の効果音があるものの、後は、部隊同士の数字が表示されたウィンドウの上の部分でバーの色が伸びたり縮んだりするだけですし、そもそも、当該部隊を選択していなければ、勝手に始まって、勝手に終わってます。
陸上部隊の操作もシンプルで、移動先を決定して、そこが敵地であれば占領し、敵部隊がいれば戦闘に入ります。ただし、移動するタイミングを同期して多方向から攻撃をしたり、移動はしないけれども隣で戦闘が起きていたら加勢したりという事は可能です。
ユニットはウォーゲーム特有の記号で兵科が表されています。慣れれば、見ただけで判別できますが、初見だと、「この×のってなんだっけ?」という事になりますね。
指揮官は、ゲームシステムの都合上、将官のみとなります。規模の大きくない軍隊でも、ゲーム的には最低一個師団はある設定となりますので、現実では100人も率いていなくても、少将だったりします。
画面左に並んでいるのが、所属する指揮官ですね。ネパールなので、権力者のラナ一族が並びまくりですw
指揮官の能力は4つ。
階級(少将から順番に、1、3、6、9個師団を指揮可能となります。超過も出来ますが、ペナルティ有)
スキル(指揮能力の事、0~9までの10段階で、数値×5%の戦闘能力ボーナスが付きます。3あると秀才クラス。ドイツ将軍は高い傾向にあり、平均が5か6という化け物レベル。実在指揮官が居ない時の架空将官は0固定となりますので、凡人は0という事になります)
経験値(100に達するとスキルが1上がります。一戦闘に付き、1上がる、程度。激戦区に投入されない限りは、そう簡単には上がらないと思った方が吉)
特殊能力(添付画像では見難いですが、兵站管理とか、古典派、防勢ドクトリンとかいうものです。兵站管理ならば、麾下の物資消費量が抑えられますので、オトク。古典派は、バロックにたいこ古臭い考え方なので成長に掛かる経験値が2倍になるステキな(棒)能力です。防勢ドクトリンは、防御時のユニット能力にボーナスがあります。戦闘時に稀に開花する事があります。残念な事に、喪失する事は無いので、古典派な人は古典派のままですw)
ユニットには各国の差がありませんので、この辺りの修正が国ごとの強弱を表現する事になりますね。
技術研究画面です。
様々な分野の技術(発明)があって、研究が終わると成果が適用され、ツリーに従って解禁されていきます。
ネパールは、小国な上に産業革命すら殆ど体験していない国ですので、ほぼすべての項目が初期レベルからのスタートです。
研究機関というものが、各国には用意されていて、主要な企業、学者、軍人などがピックアップされています。
研究機関の能力は、二つ。
研究難易度との判定で、基本の速さを決めるスキル。
もう一つが、適正(青いアイコン達)です。
研究判定は5回あって、アイコンと数字で表現されています。今、選択している「建築技術」は「☆」と「工場のようなマーク」に数字が入っていますね。
アイコンは、この分野の適性が必要なんですよという事を示していて、合致すると難易度は半分扱いになります。
数字が、難易度を表していて、研究機関のスキルと対照して進行速度が決まります。
経営規模の大きな企業や、高名な学者達は、適正も多かったり、スキルも高かったりします。
核爆弾で有名なオッペンハイマー先生は、確か、最高の9だったような…。
この能力も将官のそれと同じで、大国や歴史に残る学者などを輩出している国はスキルの高いものが多いです。
アメリカなんかは、平均すると7とか言うんじゃないかと思う位に高い人が多いです。
画像左の枠が5つある事にお気づきでしょうか?
実は、ICの総合値によって、研究する事が出来る枠が増えます。最低一枠あって、確か、20毎に一つ増えたハズ。
故に、小国は、研究速度にも同時に出来る研究の数にも、差を付けられるというオチ。
政治タブを開くと今の閣僚が見られます。
閣僚にも能力があります。
思想や行動基準を元にした人物評のようなものが、「それ」です。
フレーバーテキストの後の、「歩兵建設ボーナス -25%」以下ならんでいる部分が能力になります。
これは、歩兵師団を作成する時のICが割引される、だったように記憶しています。
歩兵を安くそろえる事が出来る、タノモシイ国家元首デスネ。(戦闘能力を支える指揮統制が低くなるので、一度士気が崩壊すると立て直せなくなることがある厄介な人ナンデス)
ゲーム全体の印象として、ボードゲームにリアルタイム進行を加えたようなもので、派手なエフェクトに頼ることのないものだと言えます。
また、このゲームにおける兵器の名称は、単純にその国家の兵器の世代を代表するものとしての記号的な意味しかありません。世代が同じならば、国ごとに名前が違っても基本能力は同じです。
兵器の細かな性能などにこだわりのある人には、これとこれが同じ能力でくくられているのはおかしい!という事もあると思います。
そ れではどの国も同じ世代の兵器を使っていたら、全く同じ能力の部隊になるのか?というと、そうではありません。
指揮官のスキルと特殊能力、それにドクトリン(戦闘教義=戦争を遂行する時に兵士や兵器に求める能力の優先順位などの基本方針)が違うことで能力への修正が変わり、これに加えてAIの設定によって、兵器の能力が同じはずなのに、ドイツの部 隊は精強で、イタリアのそれは脆く、というような各国の特色をプレイすると感じるのです。
最初の敷居は高く、煩雑に感じる操作も、慣れてくると不思議と戦争を指揮している実感に変わってくるような気がします。
パラドックスインタラクティブ謹製のゲームには想像力が要求されますが、このゲームも例外ではないです。逆に言えば、想像力とロマンを持っていれば楽しめるのでは無いでしょうか。
また、イベント、ユニット能力、各人物のデータベースなどなど、殆どのデータが平文で記述されているので、MODを導入しなくても、比較的簡単に改造が出来るのも魅力の一つです。
(指揮官を全てジャンガリアンハムスターの画像と名前にしたネズミーランド的な国にしてみたり♪)
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購入金額
8,000円
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購入日
不明
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購入場所
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