レビューメディア「ジグソー」

色んな意味で、業務用のNAS

アイ・オー・データの業務用NASです。

型落ちを安く買いました。

 

ここが◯

  • WindowsPCとの相性の良さ
  • USB端子やWindowsによる拡張性
  • 家庭用に引けをとらないサイズ

ここが✕

  • 冷却ファンの騒音
  • メンテナンスにRDPクライアントが必要
  • 初期設定が必要で、運用開始までに時間がかかる

この商品が向いている人

  • 家族にNASの設置を理解して貰える人
  • WindowsServerに尻込みしない人
  • 価格よりもサイズに価値を見出す人

 

更新: 2015/06/15

本体について

おそらくはQNAPの製品がベースです。

カタログスペックでは、悪くないものがあります。
「ただし」が多いですが。

  • HDDがWDのRed……4TBが2本
  • OSがWindowsServer……ただし、旧バージョンの2008R2
  • CPUがIntelのAtom……ただし、D2701。つまり昔の「遅くて使いづらいAtom」
  • GbEが2系統、USBポートが複数……ほぼパソコンです。

梱包はそっけない白地の箱でした。

中身はこれだけ。

内容物
内容物

  • 本体
  • ACアダプタ+ケーブル
  • LANケーブル2本
  • ドライブベイの鍵
  • 説明書
  • CD

説明書がそっけない以外は家庭用のNASと同梱物に大差はありませんでした。

設置してて気づいたのが、端子の豊富さ。

リアパネルだけで、こんなに端子があります。

端子の豊富なリアパネル
端子の豊富なリアパネル

メンテナンス用に、モニターやキーボードを接続することもできます。
万が一、HDDが全台クラッシュした時は、一般的なパソコンと同じ手順でシステムをリカバリーする必要があるからです。

他にもUSB3.0が2、USB2.0が3(ウチ1つはフロント)、eSATAが1と端子があります。
フロントパネルにはUSB2.0が1、スイッチが2つです。
スイッチの1つは電源で、もう1つが任意のプログラムを起動できるものです。

左側の黒いパネル部分にアクセスランプとスイッチがあります。
HDDベイは最初から鍵でロックされています。
付属の鍵で解錠できますが、故障時以外は必要ないでしょう。

更新: 2015/06/15

NASとして使いはじめるまで

説明書を読んで驚いたことがあります。
この製品、「最初はNASとして動かない」ということです。

ファイル共有が、一切されていません。

ほとんど素のWindowsServerにアイ・オー・データのアプリが少し入ってるだけです。

そういうところが企業用なんでしょうね。

 

まず、ネットワーク設定が必要です。

ネットワークにあわせてIPアドレス、ドメイン、ActiveDirectoryなどの設定が必要です。
うちはIPアドレスを固定していないので、初期設定のままとしています。
LANが2系統あるので、2つのネットワークに接続するもよし、データ用と管理用でLANを別にするもよしです。
自宅には管理LANなんてないので、1系統だけ接続しておきました。


ファイル共有も、共有フォルダを自分で作成します。
フォルダごとにユーザーごとの権限が決められますし、クオータも設定できます。
面倒なので、guestアクセスでまるごと共有しました。

 

これって「普通のパソコンで設定する内容と一緒」です。

 

ここまでして、とりあえずファイルサーバーになりました。
WindowsUpdateを走らせたり、アンチウィルス用ソフトを入れるのが残ってますが、後でもできます。
24時間運転が前提のシステムなのでWindowsUpdateは自動適用かつ、夜中に再起動させる設定でも問題ないと思います。

 

 

ファイルサーバーという以上、ファイルをどこからか入れてやる必要があります。
今までは外付けHDDに入れてたので、それをコピーしました。
……が。

Windows8でフォーマットしたFreecomの4TBのHDDが読めませんでした!
いきなり「フォーマットしますか?」というのには驚きました。

もう1つ、ラシーの外付けHDDもあって、そちらは読めました。
ただ、システム設定直後でインデックス作成とかで負荷がかかってたのか、安定しなかったです。
ソレに嫌気が差して、結局、有線LAN経由で別のPCから転送しました。

写真やら昔ためこんだ音楽やら、お絵かき掲示板の無数のイラストやら、自炊した書籍のPDFやら、歴代PCのドキュメントフォルダそのまんまだとかで、トータル3TB強ありました。
様子を見ながら作業したので、2日くらいかかりましたかね。

 

転送速度はMAXで850Mbpsくらい出てました。
まあ、そんなもんかなと思います。
原因不明ですが、時折、急激に速度が落ち込むこともありました。
それでもUSB2.0でHDDを接続したのと体感は一緒なので不満はないです。

 

 

フォーマットしますか?と聞かれたHDDは一度初期化した上で、NASのバックアップにしようかと思っています。
こういうNASはミラーリング+バックアップの方がデータの損失を避けられるというのが自分の考えなので。

更新: 2019/02/14

そして抜け殻に。

HDDを引っこ抜いて、新NASへ移し変えました。

OSもHDDに入ってたので、このNASからはブートできなくなりました。

 

冷却ファンの騒音がネックなんですよねえ。

更新: 2019/02/15

DOMはどこへ消えた?

調べたところ、このNASはQNAP TS-269ProのOEMではないか?という疑問がわきました。

 

ならばアレがあるはず。

Disk On Module、略してDOM。

QNAPのNASは管理用OSを内蔵しており、それをDOMに保存していたのです。

 

ところがこのNASの仕様書にはDOMの記載がありません。

HDDにWindowsを入れる前提だからでしょう。

 

では、DOMは?

分解して調べたところ、そもそもDOMが実装されていませんでした。

8ピンのピンヘッダがついていたので、そこがDOMの取り付け場所だったんだと思います。

信号はUSB2.0のままでしょうから、変換アダプタでUSBメモリをつければDOM代わりにできるかもしれません。

 

また、メインボードにはHDL-Z2WSの記載がありました。

原型となったのはTS-269で正しいと思いますが、DOMの省略以外にも何かしらの変更が加えられているのではないかと思います。

 

  • 購入金額

    49,800円

  • 購入日

    2015年06月11日

  • 購入場所

    NTT-X store

コメント (8)

  • Schrödingers Katzeさん

    2015/06/16

    USBマウスと、USBキーボードにディスプレイをつないで直接ローカルから設定…何てことも出来ます。WebUIが無いので、RDP環境が無いと設定とか、各種の操作が出来ないんで必要なのはおなじですが。

    …まったくもってフットプリントが小さくなりませんがw
    ただ、「何かあったとき」はその構成でリカバリさせられちゃうんですよねぇ…。

    上の二つと、外付け光学ドライブは「用意しておいたほうがイザというときには幸せ」になれるとは思います。というか、無いと自力で復旧できない壊れ方の時に困ります。

    意外と普通にWindows用のアプリケーションなどが動くので、常に上げておきたい様なサーバやアプリケーションがあるなら入れても良いかもしれませんね。

    音については、多分風切り音が中で共鳴しちゃってるんだと思います。
    ちゃんと回っては居ますが、風量の割には、掃除機みたいな音、しますよねぇw

    処分品だと、まぁいいかと思いますが、フルプライスでって言われると、適当なパーツで自分で組み立てれば良いかっておもってしまいます。
    悪くは無いんですが、普通に誰かにお奨めできるお値段では(普通は)売られてないんで、やっぱり会社用でしょうなぁ。
  • jakeさん

    2015/06/16

    ローカル設定、できるみたいですね。
    インターネットに接続できない環境では、そちらで設定するように記載がありました。
    メーカー的にはRDP推奨でしたが。

    常時運転は、今のところ予定していないです。
    正直やかましいし、過去にレビューした0スピンドル&ファンレスのコンピュータが、既にあるもので。

    値段はアレですが、会社で買うならオススメではありますね。
    3年保証が最初からついてるんですよ。
    何かあったらメーカーに文句が言える、というのは業務用だと大事なことです。
    担当者のお手製だと、担当者「が」壊れた時にブラックボックスになりますからね。
  • Schrödingers Katzeさん

    2015/06/16

    結局、設定とか管理を考えれば、リモートデスクトップを設定するのが良いでしょうし、普通に拡張性も落ちれば、フットプリントも大きくなりますし、標準で入ってるソフトウェアでできるのでRDPを設定させるってのが、普通に運用を考えたら真っ当な案内なのかもしれません。

    回転数が低めのときでもちょっと大きな音がしますし、全力のときは更に凄い音がしますから、家庭では居場所無いかも知れませんね。比較的大口径のファンだから静かとか、そういうのがあれば、家でも悪くないよーって言えそうなんですが、LANDISKとかLinkStationの方がどう考えても普通の人は幸せになれるw機能的にも、お財布的にも。
    いや、普通の民生用のNASが良く割り切って作ってあるというところもありますし、標準で家庭で利用しそうな機能も入ってますし、優れてるからともいえるんですが。
    デザインと大きさ自体は家庭にあってもそんなに悪くない(むしろOEM元の黒基調の方が親和性は高そうですが)とは思うんですが、あの騒音を考えると人には薦めにくい箱になってますね。まぁ、普通に買いたい値段じゃないですけども。
    ユーザーによる機能追加、アプリケーションの追加が楽という部分はあるのですが、じゃ、「何をさせたら生かせるだろう」と考えると、この箱ならではというものが見つけにくいです。まぁ、会社にちょこんと置くことが前提の商品ですから、考慮もされてないんでしょうけど。

    保証も性能維持だけだと会社の場合は、物理的な部分より中身が大事なので、対障害性の機能と、そもそもの信頼性が大事な気もします。この商品ならでは!という尖ったところがあんまり見当たらないんですよね。悪くはないんですが。
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