････最初に断わっておきます。

破綻したorz　…これ、無理ゲー過ぎるわorz

世界遺産をお手元に、ということで・・・数あるナノパズルの中でも『ブッチギリで最高難度』と評されるのが、この姫路城。

プレミアムシリーズが発売された現在、その地位をブラックパール号に譲ったのではとも言われているが、個人的意見として言わせてもらうと「ブラックパール号よりも難度は高い」(汗

パーツ構成を見ると、一見して「板状の部品が多い」事と、曲面構成がない事、細く強度の低い部品がない事から、そこまで難度が高そうという雰囲気はない。

パーツ点数こそ全シリーズ最大の三枚構成だが、ブラックパール号の凶悪さと比べればだいぶ大人しい雰囲気である。

まあ、実際には大人しいどころか、鬼畜レベルの凶悪さを秘めている訳だけども(汗）

しかも、その凶悪な難度を見抜けなかった私は、完全にナメてかかっていた。
なにしろ、この姫路城を「道具が無いと作れないという、その偏見をぶち壊す」ための腕試しにしようとしたのだ。

上に示した、100円ショップで売ってそうなテキトーな道具三点だけで、この姫路城に挑みかかったのである。

だがそれは、大魔王相手に”ひのきのぼう”で突っ込むに等しい所業であった。

姫路城は、ひたすらに板で箱組作り、それを繋ぎ、積み重ねる構造となっている。
問題なのは、この箱組の構成が「四面すべて別部品」であること。

打込接ぎによる石垣の持つ上反を再現するには、四面を繋いだ状態の部品は作れない。
そのため、四面の板を「反らして端で繋ぐ」ことで箱組を作る訳だが、この構造だと四面の合せをきちんと取らないと、速攻で歪んでしまう。

そして、その歪みが蓄積されると最終的に「どこかで破綻が生じる」のだが、この姫路城は天守閣の全てがこの四面別の箱組方式であり、しかも「四段を積み重ねる」構造なのだ。

歪みが生じやすい部品が四段分も同一箇所に集中するとなれば、それはもう非常に高い確率で破綻が生じ易くなる。

これは、天守を囲む構造物についても同様で、天守より段数こそ少ないが、形状が複雑なので余計に手ごわい構造となってしまっている。

しかも最悪なことに、この姫路城は「初期の製品であるが為に、設計上の精度が悪い」のだ。
カーブの形状などに致命的なミスがある（天守と矢倉を繋ぐ、正面左の渡り廊下と、馬出の継ぎ目部分など）ため、一部の部品は形状を調整しないと固定出来ない。

まさに、形状といい、構造といい、あらゆる意味で造り手にとり難攻不落なのである。

結果、やはりというべきか・・・完成時に複数の破綻が生じるに至った。
一応はこれで完成であるが、個人的には全く納得していない。

正面右側からの煽りが、一番破綻が少ない角度になっている。

背面左側。この角度も比較的破綻は見えにくい。

しかし、その角度を変えてみると・・・・天守三階の屋根や、矢倉に隙間が（汗）

馬出部分。ここの接合部品の形にも問題があり、歪みが出易くなっている。

正直、今まで組んだ中で最も厳しかったのは、この姫路城だ。
構造的に弱い部分こそ少ないが、構造上も精度上も破綻しやすく、組み辛い。

完成時の出来が割と良いだけに、形状や構造を一部手直ししたバージョンの発売を望む。
あと、出来れば松本城も出してほしいなあ。