imajuku*はモデル・女優の今宿麻美、のちにAKBにも楽曲提供したキーボーディスト・プロデューサーの樫原伸彦、マニピュレーター田久保誠一、カメラマン兼ギタリストのMr.Wu、ディレクター兼ギタリストのDJ hamburgerらからなる音楽とヴィジュアル系のクリエイティヴ集団。もともとは電気グルーヴのA&RでもあったDJ hamburgerこと畑信弘が、踊れるフュージョンを作ろうと樫原に声をかけ、音楽系のみならずカメラマンなどヴィジュアル系のメンツも内包し、バンドイメージとして今宿麻美を使うユニットを作った..ということらしい。
当然コンセプト的には「オサレで踊れるフュージョン」(たぶん)。企画もの故その中身は大したことはない...と思いきや、樫原の作曲能力が高く、また正統派フュージョンバンド?ではやらないようなアプローチもされていて意外にイケてる。
「Horizon」は、なんかテクノ版「サバンナ・ホットライン」(NATIVE SON)という印象のCOOLさと熱さが同居する曲。打ち込みリズムなのだが、薄くフランジャーをかけたハイハットでノリをだし、ライトなヴォーカルが曲を彩る。それにリップノイズが大きいフルートの音でメロが取られるが、ソロの部分は特にリップノイズが大きく、尺八かディジュリドゥかという感じのアーシィな感じに。アフリカ的?掛け声も入ってノリがイイ!
ループ系打ち込みのバックにCOOLなヴォーカルとサックスが乗るライトフュージョン、「Feel Like Makin'」。すごく尖ったところはないが、心地よい。ラストの長いサックスソロの部分はすごく洒落てて、カフェにでも流れているとセンスいいかな。
ゴスペルチックな強い低音部のタッチを持つピアノにちょっとデッドなサックス、スキャットというよりは叫びのようなボイスが乗る「Kick’n Back」。こちらのフルートはリップノイズというよりはほぼ歌っているような「声」に近いものでファンキィ。
いずれも「洒落た」「踊れる」「フュージョンタッチ」の曲という3曲が収められた本作。日本で主流だったテクニック主体の「フュージョンバンド」ではなく機械も多く使っているし、個々のプレイヤーのプレイを聴くという「いわゆるフュージョン」の聴き方ではなくフュージョンの手法を用いたダンスチューン、と捉えた方がいい感じ。ただコンセプト優先なためか、音楽的方向性がやや定まっておらず、シングル全体あるいはimajuku*全体としてはちょっと散漫な印象となってしまったのはザンネン。音楽をガッツリやろう、というよりはオサレ系で上昇気流に乗ろうゼ!的なノリではじめられたユニットかもしれないけれど、関わった人々の感性の尖り方で、結構イイ感じに「聴ける」音楽になってます。ループ再生推奨で!
【収録曲】
1. Horizon
2. Feel Like Makin'
3. Kick’n Back
SONY MUSICのimajuku* HP
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購入金額
1,223円
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購入日
2000年頃
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購入場所
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