知的財産法は実は毎年どこかしら改正されます。しかし、大筋は変わらないという受験生泣かせな科目だったりします。
ちょっと話題になりましたが、職務発明の特許権を出願できる権利を発明者から雇用している法人に移そうという風に今度改正が予定されています。そういうわけで、出たばっかりなのですが、この問題集、一部の問題が出題文ごと法律に合致しない場所が出てくることになってしまいました。
ちなみにこの問題、現行法でも事前に契約書で法人に特許出願権を譲渡しているので、実務上はほぼ変更はないんですけどね。
ここまで書くと予想はできていると思いますが、この本は出題部分と解説部分から成っています。
問題文は、なかなかコミカルなエピソードが挿入されていたり、ストーリーが複数の問題にまたがって展開されているなど、ちょっと面白い工夫がなされています。
解説も十分詳しくかつ分かりやすくなっています。しかも答案構成つきで。解説をまとめた上で答案を作成すればほぼ間違いなく及第点の答案が完成します。
そのため、問題→解説→答案構成となっているので、法科大学院生以外でも、知財に興味のある方のは大変わかりやすい本になっているのです。
というわけで、見かけたらちょっと手に取ってみてほしい一冊です。三省堂本店の法律コーナーとかまで行かないと売っていないと思いますが。
これは全くの余談ですが、出題の中にWiiを想起させるゲーム機が出てきます。しかし、名前が「ドリームボックス」です。Wiiの同世代機であるXbox360から名前がとられているのは理解ができます。しかしなぜPS3ではなくDreamCastから名前がとられているのか…
著者の中に熱心なセガファンがいるのかもしれません。
知財選択者必携の書
知財の問題集としての完成度もさることながら、どういう問題が起こった時にどこの条文が問題になるかという日常に起こりうる疑問も解決できる、学生以外にも役立つ一冊。
著作権法なら使う機会は発生するでしょうが、特許法上の問題が身近に起こり得る人はそんなに多くはないと思いますが。
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購入金額
3,240円
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購入日
2014年11月29日
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購入場所
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