庭木が刈り取られて、雑草の中から刈り込みバサミが発見されました、庭師さんが忘れた物なのか?我が家にずっと前からある物なのかは分かりませんが、金属部分は赤く錆、持ち手の木製の部分はもうすぐ地面に戻ろうかと言う位に無数のカビが生え、苔すら生えそうな勢いでした
半年から1年はここにあったと思われ静かに朽ち果てようとしていました
放っておいても地球の一部に戻っていってしまうので、それも忍びがたくサルベージすることにしました
まずは赤く錆びてしまっているハサミの部分に機械油を差して1週間ほど放っておきます
真っ茶色から、焦げ茶色に油が回って色が変わってきました、地金は生きていそうです
しかし、雨と紫外線で軸の部分は変色しています、本来茶色のはずですが、灰色になっています
まずは錆を取ります、錆はディスクグラインダーで取ってしまおうと思いましたが、奥の方がどうなっているか分からなかったので、とりあえずはケミカルで取ることに
ソフト99のRust Remover(クリーム)をヘラで塗り込みます
20年位前に買った物なので、今ひとつ効果が出ていない様な気がしましたが、錆び自体が厚いので1回では無理です
ここで、やっぱりグラインダーが頭をよぎりますが、うまく削らないと刃ごと無くなってしまいそうなので思いとどまります
拭き取って1回目終了です
地金が現れてきましたが、ほとんど取れていません
2回目は液体版の錆取りを使います
今回は表面の錆の層を削ってありますから奥に浸透します
しばらく放置して、水溶性なので洗面台で洗い流してしまいます
錆取り剤を流したら、残った錆を3Mの錆取りタワシで削ります
更に細かいところは、カップ型の真鍮タワシで削って行きます
もう一度錆取り剤を塗ります
塗ってもう一度削ります
削るとこんな感じに(真っ赤ですね)
こんな感じから・・・
こんな感じに・・・
錆が取れて下地が出てきました
このままでは、元の錆びだらけに戻ってしまうので、刃の合わさるところは鉱物製のオイルを塗っておきます
その他の所はとりあえずは錆還元剤を塗っておきます、これは赤錆を黒錆に科学的に変化させるケミカル剤で水溶性なので扱いも楽です
刷毛で塗っておきます
化学変化したところは青くなるのでわかりやすいです、しばらくすると落ち着きます
柄は、まずはサンドペーパーで適当にカビを取ります、きちんと取れば良いのですが心が折れそうなので、適当に・・・
取り終わったら、余っているウレタンニスで着色します
カビが黒いので、黒目のニスをチョイス
とりあえずこれで、完成、刃研ぎは後ほどやります
研ぎはちゃんとやると良いのですが、そうなると、グラインダーでカシメを削り取る、刃を一枚一枚バラバラにする先端が折れているのでグラインダーで整形、研ぎに入ると言った手はずになりますが、仕上がりをプロ並みという所まで持って行く気は無いので、これも手抜きをします
ハサミ側を固定して削ることにします、
イメージ的にはこんな感じで削るわけですね・・・(^_^;)
刃の部分以外は錆チェンジャーを使って酸化第2鉄に還元してしまったので、今回はイジリません
暇があったらグラインダーで錆を落とそうかと思います
荒砥で擦ると錆が出る出る・・・(^_^;)
水が真っ赤です・・・
ハサミは片刃なので表面しか研ぎません、裏を研ぐと合わせが変わってしまうので、よろしくありませんので、裏は本来錆取り等しか行わないのですが、ここも今回は割愛です
やはり、年月の劣化は激しく、奥の方まで錆が食い込んでいます
めげずに研ぎ続けると、やっと銀色になってきました
めんどくさいので、グラインダーを使いたくなる衝動を抑えつつ研ぎます・・・
研ぎ終わったら、その辺の雑草を使って試し切りをしてみます
切れ味はなかなかの物です、まあ、毎日使う物でもないので、これで良しとしてしまいましょう
まあ、本当に直すのなら研ぎ屋さんに持って行くのが早そうです、1000円位でやってくれないかなあ・・・
終わったらWD-40をかけて終了です
え、WD-40じゃ揮発性が強すぎるだろうって・・・確かに・・・安いから・・・
呉556よりは・・・揮発しないよね・・・
そうこうしましたが、やっぱり刃は銀色にしたいなと思い、大錆取り計画発動です
まずは、定番のコンパウンド+スチールブラシから
コンパウンドが茶色くなってきます
コンパウンドをぬぐって見るとちょっと取れていますが、気が遠くなる様な状態です
錆の進行が進みすぎていてこんな物では落ちる気配もありません
そろそろ、電動工具で行きたい欲求が抑えきれませんが、私の持っているディスクグラインダーでは回転数が高すぎ、刃物の熱が上がりすぎ焼き戻しになってしまいそうなので、悩んでいましたが、工具箱を見ていると似た様な工具がありました
これです、ランダムアクションサンダーです
とりあえず240番のサンドペーパーが付いていたので、これで削ってみます
2分でこんな感じ、結構削れます、素材の温度も上がりません
番手を120番に代えて更に削ってみました
裏との差はこんな感じ
裏は錆錆ですね
やはり電動工具は早いですね
ほぼほぼ落ちたのですが、赤錆は落ちますが、黒錆は落ちません
バフ掛けしたいところですが、バフ用のアタッチメントを持っていなかったので諦めます
3Mの錆取りスポンジに、ピカール金属磨きを付けて磨いていきます
しかしながら、予想以上に錆が深く金属独特の光が出てきません
クレンザー入りのスポンジも使ってみましたが、結果は一緒です
やはり、あの方法を使うしか無いのか・・・
続きは、次の休みへ・・・
最後は酸処理するしか無いのか・・・
ペットボトルを切り取ったら、入れてみます
だいたい良いでしょう
使用前のハサミはこんな感じ、中性洗剤で油分を洗い流します
流してから、パーツクリーナーで脱脂します、脱脂しないとサンポールの効果が半減します
サンポールを投入、500mlしかないので半分ほどしか入りません
足りない分はお湯を投入します
そして、しばらく放置・・・
2時間45分後・・・変わってない様な・・・気がします・・・1回上げて見ましょう
うーん、地肌が出てきましたね、錆はこのまま軽く水で流してワイヤーで磨いてみます
確かに錆は落ちます・・・(^_^;)
ワイヤーブラシで大きな錆は擦り落として見ましたが、この間5分、薄ら赤錆が見えます、酸化していますね
元のサンポール液に戻しました
3時間半を経過したのでそろそろ上げることにしました
今度はアルカリ中和させるので、重曹水で洗うことにします
ワイヤーブラシで洗います
だいたい落ちましたね・・・(^_^)
どうやら錆の程度にもよりますが、完全に錆びきってしまった物は、原液を使うか、今回の様に1/2希釈した物は1晩漬けるのが良さそうです、思った以上に鉄を犯しません
しかしながら、先端部分などは曇っています、おそらく化合物が付いているのでしょう
曇ったところはディスクグラインダーを使って磨きます
バフを取り付け、青棒を塗り込んで削り込みます
削って行くと、鉄の輝きが現れます
色の違いは一目瞭然です
磨くと輝いてきます、バフ掛けなので素材の温度も上がらないので焼き戻しも無いので問題ありません
削り終わったら浸透潤滑剤をかけて終了です
使用前、使用後を比較してみましょう
だいぶ変わりましたね
やはり初めからサンポール漬けが良かったんじゃ無いかという意見はありますが、まあ家に無かったんで・・・仕方なしかと
これで、切れ味も戻りました、出来としては満足です
刃物の銘も見えてきました・・・コピー品かも分かりませんが上野の菊季かなあ?、奥の歯の裏側には日立安来鋼付の文字が入っています
本当であれば日立製作所のやすき鋼と言うことで島根県産の砂鉄から作られる鋼で和包丁などに使われる金属だと言うことでしょう
ハサミ自体も古い物ですしその辺のことはほじくらないことにしましょう
-
購入金額
0円
-
購入日
2014年10月31日
-
購入場所
がじおさん
2014/10/31
すばらしいです。(^^
hideさん
2014/10/31
一応ハサミとしての体裁は取れているみたいなので、次回は刃研ぎと細かい錆取りでしょうか、続きはディスクグラインダー登場は間違いなさそうです
植木系は元々植物の汁が付くので、刃がきちんとしている物が多いので雨ざらし1年でも腐っていないと思われます
いかんせん本体推定売価2000円しないので、お金をかけずリビルドしないといけないので苦労します
現在家にある物を使っているのでゼロ円でリビルド中です・・・
ホームセンターにディスクグラインダーの錆取り用の良いディスクがあるのですが、それを買うと道半ばで新品を買うのの半額ぐらいになりそうで、悩んでいます
hatahataさん
2014/11/01
いろいろな薬剤が参考になります。
赤錆を黒錆にするモノとか、ちょっとの錆なら磨かないで、そのまま塗っちゃうだけで済みそうなので、楽そうですね。
hideさん
2014/11/02
錆チェンジャーは結構便利ですのでお勧めです取らないというのも一つの被膜になるので、これはこれで良いと思います
雨が降ると垂れてきますので、塗りっぱなしと言うわけにはいきませんが・・・
いぐなっちさん
2014/11/12
ありがとうございます。
hideさん
2014/11/12
塩酸の濃度が低いので、もうちょっと漬けても良かったかもです、前の日の夜に漬け込んで次の日そぎ落とす位で良さそうです
ちなみに、サトウキビの生成段階で出る廃糖蜜に1週間から2週間漬けるとリン酸化合変化して赤錆が取れるらしいですが、都会暮らしでは無理な作業なので、諦めています
高圧洗浄機も良いらしいです、そこまでやるならサンドブラスターの方が良いかもしれません
がじおさん
2014/11/12
勉強になります。(^^
hideさん
2014/11/12
やっと復活です・・・( ^^) _U~~
だんだんすべての錆を落とすかってところで嵌ってきますね・・・
手にサンポールがかかってヒリヒリします
ところで、話は変わりますが、サンポールを使ってアワビの殻を液につけると石灰質が溶けて真珠質の部分だけが残るそうです、ギターのピックの飾りなんかにいいらしいですよ
どうでもいい情報ですが・・・
私も今度やってみようかと思っています