レビューメディア「ジグソー」

598スピーカーの最終形

かつてオーディオブームが巻き起こっていたときに、各社が最もコストパフォーマンスの高いモデルを次々に投入していたのが、79,800円前後のプリメインアンプと59,800円前後(1本当たり)のスピーカーでした。

その中でも特に人気を博していたのが、DIATONE(三菱電機)のDS-77シリーズで、その3台目に当たるDS-77HRは当時大ベストセラーとして知られていました。

DS-77ZはDS-77HRから2世代後となる直系の後継モデルであり、最後のDS-77シリーズでもありました。ちなみに厳密には1本6万円の製品です。

実は私はこのような大型3ウェイスピーカーはあまり好みではありません。当時から一部の評論家の方も指摘していましたが、一般家庭の6畳や8畳という部屋では大型スピーカーが真価を発揮することは難しく、中型以下の2ウェイスピーカーなどの方がよほどのびのびと実力を発揮してくれることが多かったのです。ユニットも大型であり、アンプ側の駆動能力も要求されます。

現在メイン級で使っているのは、SANSUIから発売されていた2ウェイスピーカー、SP-100iですが、これを8畳の部屋で使って好バランスというのが個人的な印象です。



それなのに、何故DS-77Zを入手したのかといえば、単に友人が「実家の離れを解体するので、そこにあるオーディオ機器も全て処分してしまうのでよかったら引き取ってくれ」と連絡してきたためです。残念ながらスピーカー以外に残っていた機器はコンディションが悪く、そのまま処分行きとなってしまいましたが。

引き取ってきてしばらくは、数年使われていなかったというだけあり、空間がスピーカーの周囲に貼り付いているように感じるほどひどい音でした。しばらく使って、ようやく本来の音に近づいてきたかと思える程度です。

ただ、サイズが遙かに小さいSP-100iと比べても、未だに迫力や力感という要素では明らかに劣っています。DIATONEらしく小綺麗に整っているのですが、スピーカーの外観から受けるイメージとはほど遠いものです。高域の微細な表現はさすがではあるのですが、楽器の質感も特筆出来るほどのものも無く、ヴォーカルものでもあまり生々しさを感じるタイプではなく淡々と小綺麗に聴かせる傾向の音質です。臨場感でもSP-100iと比較すると明らかに劣ってしまいます。

繋いでいるアンプがKENWOOD L-01Aであり、スペックの割に大型スピーカーの駆動力があまり高くないこともあるのかもしれませんが、部屋のスペースを多大に割いてまで使いたいスピーカーかといわれると、なかなか難しいところがあります。



各社がコストパフォーマンスを競った価格帯に満を持して投入された製品らしく、細部に至るまできちんとコストをかけていることはわかるのですが、それが必ずしも音質面での好結果には繋がらないということを表してしまっている製品ではないかと思います。
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    不明

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