葦を刈る夫にめぐりあう話
福永武彦「今昔物語」(ちくま文庫)
構成・作画 白梅進
あしからじと をもひてこそは わかれしが などかなにはの うらにしもすむ
きみなくて あしかりけりと おもふには いとどなにはの うらぞすみうき
蘆刈説話の変貌 ―『大和物語』第一四八段の追記をめぐって ― 笹川博司
(↑クライマックスで主人公の男女が詠み合う歌が含まれる学術的論文です)
子供のころTBS系列で放送されていテレビアニメ『まんが日本昔ばなし』は、
現在のこどもたちにも見せてあげたい、日本の文化を伝える不朽の名作ばかりですね。
こども心にも、「今日は楽しい話かな、悲しい話かな?」と期待半分・不安半分で、
デンデン太鼓を持った子供を乗せた龍が空を飛ぶオープニング映像を眺めていましたね。
毎週30分の放送の中に、むかしばなしが2話ずつ入っている番組でしたが、
その2話の内容が、楽しくコミカルな、あるいは、ほのぼのとした内容のモノと、
終始物悲しく、救いようのない結末を迎える悲劇、すなわち、
年端もいかぬ子供に見せていいものか疑問に思うような、
人生の無常や世の不条理を感じさせる内容のモノに大別されました。
かりに、前者を「楽しい」系、後者を「悲しい」系とするならば、
この「葦を刈る夫にめぐりあう話」は典型的な「悲しい」系です。
このvol.1に収録されている映像はアニメではなく、コマ送りの絵です。
枚数の多い、精緻な画が続く紙芝居、といった趣です。
話の内容自体は、「今昔物語」に収められていて高校古文なんかでもお馴染みのモノです。
福永武彦先生の「今昔物語」は今でもちくま文庫から出ていますよ。
わざわざこのDVDで観る価値はというと、やはり市原悦子さんの語りと絵にありますね。
ものがたりの内容に合った、悲しさに追い打ちをかけるような絵ヅラです。
白梅進さんの作画ということですが、興味を持って調べてみると、この作家さん、
古くは『みつばちマーヤの冒険』から始まって、『超人ロック』や『ピグマリオ』など
著名なTVアニメやOVA作品で絵コンテを担当されていたり、キャラクターデザイン,
作画監督などで製作に参加されるスゴイ方でいらっしゃることが判りました。
子供の頃に見たおはなしを童心に返ってもういちど見たいというかつての少年少女の方も、
それをいまの子供たちに見せてあげたいお父さんお母さんにもおススメですね。
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購入金額
105円
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購入日
2000年頃
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購入場所
ザ・ダイソー オークワ大和高田店
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