本書は芦部憲法ではオミットされがちな歴史的な背景を十分に説明した憲法の教科書である。また、イデオロギー色はほとんどない。
そのため、非常にわかり安く法学入門者にも最適な本になっている。
教科書としては、薄い部類だが、判例は内容を掲載し、説明しているし、キーになる部分も文章量を惜しんでいない。おそらく、これ一冊で、一般の方には十分すぎるほどに人権というのがよくわかるのではないかと思っている。
私個人としては、大学生以外にも、中学生や高校生にも読んでもらいたい本である。
これは、本書を読まれた方はわかると思うのだが、憲法をメインにすえた、歴史系の読み物ともいえる構成になっているのである。
そのため、憲法の理解と同時に、憲法の歴史をひも解くことになるのである。そして、なかなか一般には触れられない判例の掲載が、臨場感を増すアクセントになっているのである。
そのため、無味無臭の「歴史」の講義よりは、中高の生徒諸君にはよほど面白く感じられるのではないかと思ったからである。
なお、大学生や法科大学院性は、芦部憲法と併せて使うのが最もベストで、芦部憲法の「文脈」を理解するのには必携となるのではないかと思っている。
ただし、難点としては誤植が多い。
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購入金額
2,625円
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購入日
2013年08月28日
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購入場所
三省堂書店
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