決して派手な色付けや，音響的な質の追加というような要素はほとんどない素直な音づくり，だと思います。

従前に使っていたものも XMOS の ALO The Key で，DSD 部分以外にはさほどの差異はない（ DAC は違うかも…）ところもあって劇的な向上といったことは体感できませんが，より細部の艶が増したようにも感じられます。

USB DAC 系は，デバイスをいったん認識させておいてからドライバーインストーラーで再認識，というものや，はたまたドライバーを入れておいてからデバイスの認識，の大きくは二系統があるように思います。

あとは，サウンドデバイスの素としては標準ドライバーで，付加機能を付与するドライバーというものもあるかとは思いますが，どちらかというとそれはサラウンド機能をフューチャーするゲーム向けデバイスに多い気がします。

そういった点では，ほかの PC パーツなどに比べるとまだしもクセの少ないドライバーセットアップ体系だと思いますし，シンプルに foobar2000 などでもコンポーネントの追加で悩まず DSD も再生できます。

本文にも書いた端子類の物理的配置がね，ネックで少し減点です。

その点を抜きにすれば，ファームウェアアップデートで安定感も増して落ち着いてきているようで，そういった点からも発売から時間を経過している割にお値段は安定しているようにも思えますが，素晴らしいコストパフォーマンスだといえると思います。

製品の性質といっても過言ではない，変えようのない物理的端子類の配置があるのですこーしだけポイントを減じつつも，大いに満足できるといえるでしょう。

MQA 再生されると LED が黄色になるらしいのですが，ムリゲー( ；´Д｀)

https://twitter.com/Ivarn/status/992888028539449344

やはりムリゲーだったことが判明しました。

nano iDSD 系のサポートは“ MQA レンダラー”機能までで、USB DAC 単体では MQA フォーマットをデコード再生することができません。
普通の 24bit/96kHz 前後の FLAC ファイルとしては再生できます。しかし、それはどのような環境でも可能な MQA ファイルの互換性機能でしかありません。

MQA レンダラーな USB DAC 等で MQA フォーマットを適切にデコード再生するには、MQA デコーダーが必要になります。

そして、知りうる限りでは Audirvana Plus しか存在しないようです。

幸い、Windows 10 向けには Audirvana Plus for Windows 10 がこの度正式リリースされましたので、Windows 10 、macOS 環境では MQA デコード再生が可能です。

しかし、追加投資が必要です。何より、ライブラリーに登録しないとウインドウ上へのドラッグアンドドロップではプレイキューに登録もできない、という仕様からはおよそ有償で導入すべき要素は現状認められません。

今後、ハイレゾフォーマットのメインステージに MQA が躍り出る、と言ったことでもない限り、MQA フォーマットを積極的に導入しようというモチベーションにはつながりません。

ポータブルプレイヤーとともに使われるモバイル用途が視野にある nano iDSD 系では精いっぱいのサポートかもしれませんが、残念なサポートです( ；´Д｀)