まだ公開中なので、あんまりネタバレは書かないが、堀辰雄の小説「風立ちぬ」の登場人物をゼロ戦の設計者堀越二郎に換えてリメイクしたもの。二郎は少年の頃から持つ空への憧れを飛行機設計者になることで結実させるが、兵器ともなりうる飛行機というものを創り出すと言う行為に葛藤しながらも、夢の中で遭遇するイタリアの飛行機設計家ジャンニ・カプローニとの語らいで昇華し、自分の道を究めていく。そこに結核を患うヒロイン、里見菜穂子の命を燃やす純愛が絡んだ....いくつものプロットが平行して走る凝縮された作品。
「行間」も多く、シーンの飛躍も多いので、「大人向け」の映画だが、決して子供も楽しめないわけではなく、夢の中で飛行機の翼の上で語り合うカプローニと堀越のシーンのような御伽噺的要素もあり、広く楽しめる(とはいえ就学前だと厳しいかな)。
宮崎アニメは家族全員好きなので、家族で見に行ったあと、続いて足を伸ばして原画展に行った。
宮崎駿のラフスケッチとキャラクター設定画、イメージボードと実際に使われた背景が展示され、一部実物大ジオラマ?w(列車の実物大セット)や小物類(タバコやメガネ)なんかが展示してあった。
必見はやっぱり宮崎駿のラフスケッチとそれに軽く彩色したもの。絵のほんの一部しか塗っていないようなものもあったけれど、「生きている」。その立体感と躍動感がすばらしい。
他にもイメージボードと実際の背景の比較や、背景にセルを載せたものもあり、あぁ、こうしてあのシーンは撮られたのか、と納得。
そしてこういった催し物でよくあるパターンで、出口のところには関連書籍やキャラクターグッズが売られる店舗が併設。そこで当然「限定」に弱いねことしては「原画展限定」のポストカードセットを購入。
ポスターにもなった堀越二郎が空飛ぶ飛行機を見上げるカットのほかに、昭和の田舎の風景画とドイツのユンカース社でのカットのほかに4枚のイメージスケッチが入る。まさに「これ」があったわけで、でも実際は筆や鉛筆の強弱がもっとはっきりしていたな、なんて思い返したり。原画展はまだ開催中なので(その後地方でも開催)、お近くにて開催されているなら、ぜひ。
「風立ちぬ」原画展告知
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購入金額
950円
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購入日
2013年08月17日
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購入場所
所沢西武
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