なんどかご紹介している、日本のポップス界にクロい薫りを持ち込んだ男、久保田利伸。デビュー盤
の時点ですでにクロかったが、3枚目(“Such A Funky Thang!”)でさらにNY的クロさを増し、4枚目(“BONGA WANGA”)ではアフリカ方面に旅立つw。続く5枚目(“KUBOJAH”)は「PARALLEL WORLD I」と名づけられたコンセプトアルバムで少し毛色が違うが今度はレゲエに行く(余談だが20年以上「Ⅰ」のまま放ってあったPARALLEL WORLDシリーズはつい先日、ボサノヴァをテーマとする「Ⅱ」が出された)。
その後に出た6枚目。アメリカ(3rd)⇒アフリカ(4th)⇒ジャマイカ(5th)と回った彼は、今度はヨーロッパ的昏さをもつクロさに遷移する。激していなくてCOOLなクロ。イメージとしては名前(Neptune=海神)の名が示すとおり、あるいはそのジャケットが示すように「蒼」。COOLなファンキィポップが並ぶ。「To the Limit」。2曲目だが、印象深い。従前のファンキィJ-POPからの脱皮を感じさせるCOOLなシティソウル。グリスを多用したクリスピーでCOOLなオルガンは盟友柿崎洋一郎。大きめに録られたBashiri Johnsonのパーカッションが空間を感じさせる。コーラスがパンするのが面白いな。
「トランペット吹きながら」。祝、富士山世界遺産登録?wゴキゲンなシャッフルポップス。♪パラッパッパッパ~♪というスキャット、日本語と英語が融合したリズミカルな歌詞。コーラスまでそうなので、楽しい。♪I don't wanna stop the way I swing/なにがおきても/Never gonna change the way dance/しあわせ感じるから/I don't wanna stop the way I swing/こころはマウント・フジ/Never gonna change the way dance/たいせつなものだから♪後半のボーカルに寄り添うThe Brecker BrothersのRandyのミュートトランペットがCOOL!!
「Let's Get A Groove ~Yo! Hips~」はブリッブリの粘っこいMe'Shell(Ndegeocello)のベースとマルチプレイヤー柿崎のキレのあるカッティングギター、ちょっと4thアルバム“BONGA WANGA”を思い出させるアフリカンなリズムで始まるが、曲に入るとデビュー時代に通じるキャッチーなファンキィポップに。でもサビをフェイクして採るラインやカットインする対旋律はクロさが増している!ゴキゲンなサックスはThe Brecker Brothersの今は亡きMichaelのプレイ。
ポップで明るい曲もあるけれど、アルバム全体として「Adeus Meũ Amor」や「Sweet Dreams ~そっとおやすみ~」のようなバラード、「夏の子午線」や「誓い」のように物悲しいミドルチューンも多く熱くない感じ。
シングルカットが1曲もないという意味では地味なアルバムですが、聴けば濃く深い蒼い世界に包まれるような味わい深い作品です。
【収録曲】
1. 真夜中の太陽
2. To the Limit
3. Adeus Meũ Amor
4. トランペット吹きながら
5. 夏の子午線
6. Sweet Dreams ~そっとおやすみ~
7. Let's Get A Groove ~Yo! Hips~
8. Our Masterpiece
9. Pump Up Your Gold
10. GET SIX
11. 誓い
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購入金額
2,800円
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購入日
1992年頃
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購入場所
退会したユーザーさん
2013/07/05
嫁が久保田を好きなので私も聴きまつ(・・b
最近はとんと聴いてないようでつが・・
cybercatさん
2013/07/05
>若い顔でつねぃ(・・
まぁ、もう20年以上前ですからねぇ..
>最近はとんと聴いてないようでつが・・
彼は時代によって「クロさ」にどこからアプローチするかが違っているので、最近はおきに召さないのかな?w
北のラブリエさん
2013/07/05
この時期によく聴いていた覚えがあります。
cybercatさん
2013/07/05
音作りも「最先端」これ見よがしのがなくて、オーソドックスな分、古ぼけない。
自分的には久保田の中では一番聴く作品かも。