初期のAthlonはK7/K75と呼ばれるCPUコアを採用していて、パッケージはSlot Aのみで提供され、VIA Apollo KX133チップセットを搭載したマザーボードと組み合わせて使われることが一般的でした。K75コアのAthlonは、x86互換のCPUとしては初めて定格動作周波数1GHzを達成したことで知られています。
そしてK75コアの改良版として主にSocket 462(Socket A)向けに発売されたのがThunderbirdコアでした。一応Slot A向けにも発売されましたが、初期のSlot A対応マザーボードでは対応していないものも多く、価格も割高であったことからあまり普及することなく消滅していきました。
このK7V-Tは、型番末尾のTが示す通り、初期のSlot A対応マザーボードであったK7VをThunderbirdに対応させた仕様の製品でした。対応CPU以外には、K7Vとの目立った差は特にみられません。
KX133チップセットの隠れた特徴としては、高速仕様のSDRAMとして発売されたVC(Virtual Channel) SDRAMに対応していたという点が挙げられます。実は私もこのマザーボードを使う際、当初は余っていたSDRAMを適当に使っていたのですが、後に128MBのVC SDRAMを格安で2枚ほど仕入れて、それを使うようにしていました。ベンチマークなどで有意な差を見出すことは出来ましたが、体感速度に影響するほどでもありませんでした。
私の場合は、このマザーボードをジャンク扱いで仕入れ、当初K75コアのAthlon 700MHzと組み合わせて使っていました。当時Slot 1のPentiumIII 450MHzなども持っていましたが、時代の割には高い動作周波数が幸いしたか、Athlon 700MHzの優位性が目立っていました。
後にThunderbirdコアのAthlon 900MHzも安く入手できたため、これでサブマシンを構成していた時期もあったのですが、より高性能なPCを組み立てた時点で親戚宅に寄贈してしまいました。ただ、数年後親戚宅でノートPCに全面移行した際に使わなくなったため、再び私の手元に戻ってきています。
Slot Aは製造コストが高く、AMDとしては厄介だったのかもしれませんが、カートリッジ形状であるため扱いが容易であり、ユーザー側からすれば便利な規格でした。Socket AのCPUやマザーボードもいくつか使いましたが、コア欠けの恐怖と戦いながらであったためか、どうしても全幅の信頼を置ききれなかったことが記憶に残っていて、Slot Aがもう少し続いてくれればと思っていたものです。
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購入金額
3,000円
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購入日
不明
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購入場所
はにゃさん
2013/03/20
私も K75 800MHzの SlotA と PC CHIPS M800LMRという AMD750マザーを中古で購入して使ってました。
P55CやらSlot 1でVIAチップセットに一切の信頼をおけなかったので、AMD750を選びました。当時のチョイスとしてはよかったのですが、CPUがなぜか死亡しちゃったので、お安かったK75 750MHzを購入しました。
この頃のCPUは焼き鳥問題が怖かったですね。
jive9821さん
2013/03/20
私の場合はAMDのチップセットとはなぜかあまり縁がなく、強いていえばTYAN TigerMPXやASUS A7M266-D程度しか使ったことはありませんでした。
焼き鳥問題は、自分自身の環境では結局何もなかったのですが、知人のPCを組んだ際に、クーラーの僅かな歪みで接地がうまく出来ておらず、コアがあっという間に焼損したことがありました。それ以来、コアむき出しのAthlonにはどうも不信感が残ったままでした。Athlon MP DualのPCを組んでもメインに据えなかったのはその辺りが影響していましたので…。
はにゃさん
2013/03/20
ヒートシンクの固定方法が重量に見合ってないと怖いですよね。
うちでも去年 Core iシリーズで妙に コアの状態が Throttledになるので確認したら、半分浮いてました。
いまどきのCPUじゃなければ焼き鳥でしたね。
jive9821さん
2013/03/20
PCの構成を変更した際の仮組だったため、以前使っていたCore i7-950のクーラーをそのまま使ったところ、着脱を何度もしていたクーラーだったため、ストッパーが破損して浮いていたようです。慌ててCore i7-970添付のクーラーに差し替えて事なきを得ましたが、これもSocket Aの時代ならCPUを壊していたでしょう。