レビューメディア「ジグソー」

育てるNAS(成長のたびに追記)

フロントからアクセス容易な3.5インチベイが4つあり、光学ベイ用ののSATAもHDDに使用すれば5つのHDDを搭載でき、簡易なNASを構成するのに適した小さなサーバマシンです。CPUもN54L(デュアルコア・2.2GHz)ということで性能は限定的ですが、メモリをできるだけ積んでスムーズに動作するようにしました。

購入時には、メモリDDR3 2GBとHDD 250GBがセットされていました。

製品はとっくにディスコンとなっていて2、3世代前のモデルですが、現在でもヤフオクでは流通があり、一定の需要はあるようです。

 

メモリ

初めの 2GBに替えて、4GB x2枚 としました。

HDD

はじめは、新規に調達したり他のNASから外した 250GB~2TB をいくつかセットしました。
内部のSATAの他に、6つのUSBポートのいくつかと eSATAも利用しました。 

起動ドライブ

内部のUSBポートにアダプタを経てmicroSDを接続し、OSと仮想マシンをインストールしました。

 

初めの頃(2014年~)

無償のMicrosoft Hyper-V Server 2012 R2 (以後、Hyper-V Server)を基盤に、仮想マシンとしてCentOSなどいろんなLinuxをインストールしてNAS(zfs、mdadm) 、SQLサーバー、webサーバー などを楽しみました。小規模な運用でアクセスが極端に輻輳しなければ、意外と堅牢な運用ができました。特に、1つのCPUで複数の仮想マシンを用いて zfsとmdadmで 2系統のNASを構成して同時稼働できたりするのは、実用的かどうかは別として、興味深いことでした。

最大7~8本のHDDが繋がっていたこともありますが、NASのような安定性を欲する仕組みをタコ足配線的なケーブル接続で長期間運用することはさすがに無理があって、ケーブルで接続したドライブは知らないうちに接続が外れたりディスクが寿命を迎えたりしてRAIDを構成できなくなり徐々に撤去しました。

 

現在(2017年)

NAS専業のマシンとなっています。

 

約3年間も連続運用していると、microSDが劣化したのかアダプタが壊れたかあるとき再起動できない事態なり、その際Hyper-V Server を廃して仮想化をやめ、 CentOS6.8 で zfs のみをインストールしました。

Hyper-V Server を管理するためには、マイクロソフトの「Hyper-V マネージャー」や「サーバーマネージャー」が必要で、 たしか、Windows 8 Pro 以上でインストール可能という条件があったり認証関係でちょっと面倒でした。その点、Linuxなら どのマシンからでもターミナルを使用して管理できます。

システムのドライブが破損してもRAIDの構成が壊れたわけではないので、新しいデイスクにインストールしたCentOS6.8+zfs に従来のRAID構成されたディスクを接続してインポートするとデータを損なうことなく元どおり使用を再開できました。

 

HDDは、新品中古取り混ぜて、3TB x 3本 + 2TB x 2本 となっています。

同時期に同一型番を準備してNASを構成すると、ディスクの寿命時期もある時期に重なる可能性が高く、RAID5の場合ディスク1本のリプレイス中ディスクアクセスの頻度が高まるのでにさらに1本がダメになってついにRAID自体が破壊してしまうという事態に陥ることもありえます。図らずもそのようなリスクを回避できているかもしれません。

 

3時間毎にディスクの健全性をレポートするメールをちばとど宛てに発出するようにしています。

 

3時間ごとというのは、頻度が高すぎるとは思いますがww
どれかディスクがダメになると、状態が[ONLINE]から[DEGRADE]になります。

 

成長できるzfs

現在、5本のHDDで raidz (RAID5相当)を構成しています。

zfsは、個々のディスクのサイズは、リプレイス(RAIDの内容を保ったまま1本のディスクを置き換える)する際、元と同じかより大きいサイズに変更することができます。ただ、構成本数やRAIDタイプを変更する場合は、いったんデータを退避してはじめから構成する必要があります。
異なるサイズのディスクが混在する場合は、最小サイズを基準にRAIDが構成されますが、リプレイスして、最小のディスクをより大きくできたとき、そのサイズに合わせてRAIDのボリュームサイズも拡大されます。つまり、リプレイスを繰り返すことでしだいにNASの容量を増やすことができます。これが、「育てる」ゆえんです。

 

ギカビットLAN1本でアクセスする場合はこんなものかと思います。

 

 

光学ベイの位置にも1本のHDDがあります。

 

 

何がどこに入っているかのメモ。

物理的には、合計13TB ありますが、RAID構築やHDD入手の行きがかりで、うち1本で1TBのパーティションを切ってしまっているので、現在のアレイサイズは5TBです。(過去に4本のHDDしかない時期があって、そのうちの2TBディスクを 1TB x 2に区切って合計5本として構成していました。)今はちょっともったいない感じですが、4番ベイのディスクをリプレイスする際には解消するつもりです。

 

導入時からのいきさつを今だに引きずっているということは、データを全退避してRAIDを再構築するという事態が1度もなかったということで、ある意味、丈夫というか永続性が高いということかと思います。

 

 

HDDをリプレイス 2017/12/28 

 

4番ベイのHDDをこちらに交換しました。

 

交換前の ST2000DM001 の稼動は、電源投入回数98回、使用時間76041時間に達していました。

ラベルにあるDateCode [13427] から、製造年月が 04/2013 とわかるので、76041時間(=8.9年)というのはアテにならないのですが、上記のパーティションの不都合などもあって、アレイから外すことにしました。

 

まがりなりにもサーバなので、ファンが静かだけど強力です。

おかげで、空気清浄機なみにホコリをトラップします。

 

 

 

交換の手順は、

  1. 古いディスクをオフラインにする。
    [user@N54L-NAS ~]$ sudo zpool offline zfspool sde1
  2. 電源OFF、ディスクを入れ替える、電源ON
  3. /etc/udev/rules.d/80-scsi.rules を編集して、個別のディスクが任意のデバイス名になるようにする、再起動。
  4. parted でパーティションを作成する。
  5. zfs に組み込む。
    [user@N54L-NAS ~]$ sudo zpool replace zfspool sde1 sde -o ashift=9
    (リシルバリング開始)

何度も行なっている作業なのに、毎回どうだっけと以前のログを見ながらの作業となります。

慎重にしないと、アレイが壊れてデータが消えると面倒ですし。

 

リシルバーというのは、新しいディスクをRAIDに組み入れて再構成する動作です(resilver ⇒ 再び銀メッキする、再び銀色に光らせる、鏡面を磨き上げてよみがえらせる)。HDDアレーを磨き上げる・・・すてきな言い方だと思います。けど、とても時間がかかります。容量にもよりますが、今回の場合、2時間で5%くらいしか進んでいないので、たぶん40時間くらいかかるのだと思います(進行中 ⇨ 完了:アレイサイズ10TBのリシルバーに約35時間かかりました)。

リシルバリング中も、ディスクの冗長性は欠くもののアクセスは普段どおりできるし、速度低下も感じられないので、運用に大きな支障はありません(けれど、ディスク負荷がかかるようなアクセスは避けます)。

 

今回のリプレイスで、物理ディスクは15TB、アレイサイズは10TB、RAIDドライブのサイズは、約8TBとなりました。

 

※ サイズの表示がちょっとわかりにくいです。

物理的にRAIDに使用しているサイズ:2TB x 5本 = 10TB

zpool list コマンドで表示されるサイズ:9.09TB (たぶん、RAIDに使用しているサイズ)

dfコマンドで見えるサイズ:7556269184b(7.1T)(RAID5として有効なサイズ)

sambaで共有してWindowsから確認できるサイズ:7.03TB

 

 


 

 

HDDをリプレイス 2018/12/27 

 

2番ベイのHDDをこちらに交換しました。

これで、HDD 5本のうち 4本が WD Red になりました。

 

ディスク名、型番、使用時間

sdb    WD30EFRX    13274
sdc    WD40EFRX     481
sdd    ST3000DM001     16488
sde    WD40EFRX     9959
sdf    WD30EFRX     36154

 

  • 購入金額

    14,580円

  • 購入日

    2014年01月頃

  • 購入場所

    OTTOサーバ店

コメント (6)

  • リンさん

    2017/01/21

    最近見ててNASが欲しくなってきましたよ。

    Windows2012のサーバーでファイルサーバーを構築しようかなぁ。
  • ちばとどさん

    2017/01/21

    リン さん、

    3TB、4TBのHDDでもお手頃に入手できますから、”NASどき” かもですね。
    GB単価の価格推移を見ると、最近やっとタイ洪水以前の激安を感じた頃を下回っています。円安のハンデがありながらもです。
    Windows Server だとRAIDはどんな感じになるんでしょう?おもしろそうですね。
  • jakeさん

    2017/01/21

    懐かしいなあ。
    WindowsServer Coreを入れてNASにしてたことがあります。
    HDDを5台入れて、OS+RAID1+RAID1構成だったかな。
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