所持する音楽データに対する私利私欲．．．イヤ私情私見あふれるコメント、音楽の杜。こういった分野のものは「好み」ですし、優劣を付けるのもそぐわない気がしますので、満足度の☆はあくまで私的な思い入れです。現在は、維持費の高騰、公共交通機関の充実、カーシェアリングなど意識の変化で、特に若年層において「車」というものが必ず持ちたいものに数えられなくなってきていますが、以前は車と言えば若者の憧れでした。そんな若者の車の中である年一番流された音楽をご紹介します。

荻野目洋子

と言えば、1980年代中盤はユーロビートを基調とした洋楽の吹き替え、もしくは類似のオリジナル曲で一世を風靡したアイドル。絶頂期は「日本レコード大賞」の金賞を4連続で獲ったときあたりか（1986～1989年）。これはその絶頂期に編まれたベスト。サブタイトルの「"The BEAT" Special」の名の通り、「踊れる」曲が自身のヒット曲と洋楽カバーから選ばれ、収められる。

「ダンシング・ヒーロー(Modern Version) 」。オギノメちゃん（彼女の場合、洋子というよりオギノメちゃんｗ）の最大のヒット。これは洋楽カバーで、Angie Goldの「Eat You Up」の日本語詞バージョン。歌詞（作詞：篠原仁志）は直訳なのか意訳なのかよくわからんが、歌謡曲くさい。Aメロは母音も多くノリ切らない感じだが、英詩混じりになるサビは、良くリズムに乗せている。英語の発音も良い。

「ヴィーナス」も洋楽。でも1980年代中盤の発売時でも懐メロ。The Shocking Blueというオランダのグループが1970年にヒットさせた。カバーも多く最近では倖田來未がカバーしたが、1986年の長山洋子の日本語詞によるカバーが日本でのカバーの魁か。ビートにシンクロして左右に飛ばされるエコーが時代を感じる打ち込みのミドルテンポチューン。ゆるい16ビートでダンスには良さそう！サビはモロ英詞のままだが♪I'm your Venus／I'm your fire at your desire／Well, I'm your Venus／I'm your fire at your desire♪と同じ歌詞を歌い継ぐ時の♪Well♪という発音が妙に外国人ぼくってノッてる！あ、それとクレジットないけど、ギターソロ誰だろ。結構カッコよい。

前半は洋楽カバー曲と1980年代に活躍したロックバンドNOBODYの曲で結構洋楽っぽいが、後半に入って（LPならB面）日本人作曲家が主流で歌謡曲っぽくなる。「六本木純情派」もその一つで、ちょっとラテン風の味付けがされたアイドル歌謡曲。でも当時の基準では「踊れる」曲。中森明菜

の初期を手がけた作詞家売野雅勇が書く詞がちょっとベタだけどｗ

当時はショートカットのアイドルって珍しかったな

記事を書こうと思って調べてみると、LP、CD、カセットの3形態で売り出されたが、最もカセットの売上が高かったらしい。1980年代中盤というとカーステレオはUSBなどはもちろんなく、CDもまだ少なくてほとんどがカセット。家でじっくり聞くにはLPかCDという端境期とは言うものの、もっとも売れたのがカセット、ということは当時のヤング（←死語）はカーステでガンガンかけてナンパしにいったんだろうなぁ．．．

オギノメちゃんはアイドル時期を過ぎた後は、本格歌手にいくでもなく、女優に転身するでもなく、結婚して活動ペースを落としてた。でも芸能界やめるでもなく、ほそ～くなが～く続けてて、数年前にはオールディーズのカヴァー集出したり、最近でも「懐かしの．．．」「80年代ベストヒット」などの懐古歌番組には時々呼ばれて歌ってマス。相変わらずカワイイ感じが歳を感じさせないけど！ｗ

【収録曲】
1. ダンシング・ヒーロー(Modern Version)
2. Dance Beatは夜明けまで
3. フラミンゴ in パラダイス(Dance Mix)
4. ヴィーナス
5. Melting Point
6. 六本木純情派
7. D2D
8. NONSTOP DANCER
9. CHA-CHA-CHA
10. 瞳にI Love You

「六本木純情派」