なつめぐさんのリボルテック風神雷神
に続いて
(勝手に) zigsow日本の美 週間
第2弾
は2次元での宗達vs光琳です。
周到にとも言えるほど自らの資料を後世に残した尾形光琳と比べ、生没年も定かでない謎に包まれている俵屋宗達が「風神雷神図」を通して自らの画を解説したとしたら・・・。
(以下は本著著者の山根有三氏による巻末解説「宗達と光琳」より引用)
①大胆な画面構成と豊かな大らかさの合致、とか学者はいうが、ワシはただ描きたいように描いただけ。もっとも以前はワシも画面構成とやらを心掛けたこともあったがね。
②とにかく金色がこんなに平和に明るくひろやかに輝いたことはないだろう。狙いといえばそこだ。
③ワシは生まれながらこの金色銀色がたまらなく好きだった。そして白。あまり明るくなりすぎると緑青や群青を使った。もっともそこへ朱をすこし加えると効果的なことを知ったのは、よほど年をとってからだ。
④なに、風神や雷神の姿態を古典的な絵巻から借りたから剽窃だって。
ワシはそれを少しも隠そうとはしていないぞ。
姿や形などは、それを描く線や彩色で変わるし、取り出して別の世界へ置くとすっかり意味の違ったものになるところがおもしろいのだ。
それにもともとワシの目はものを輪郭線でつかむようにできていない。
面のひろがり、色のひろがりとしてとらえてしまうのだ。
⑤だから、この図の雲を見て欲しい。
銀と墨と、それにちょっと教えにくい手法を用いたのだが、このすぐに消えてしまいそうなムラムラは、雲の出現としては最適だろう。
さすがの光琳もこの雲には困ったようだな。銀や墨でこのような調子を出すには、ワシのような長い経験が必要だから無理もない。
⑥ワシの絵にはどこにも狩野派や土佐派と似たところはない。
彼らの絵を意識しなかったというと嘘になるが、どうも絵まで威張ったり、上品そうに澄ましているのが嫌いなのだ。彼らが使うとワシが大好きな金色まで重苦しく冷たく見えてくるではないか。
⑦ふんだんに金を使ったがそれはただ金や銀の輝きを愛したからで、金儲けなどにはまったく興味がない。
どうやらワシは生まれつきの野人らしく、貴族にも大切にしてもらったが、やはり窮屈で仕方がなかったよ。
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購入金額
105円
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購入日
2000年頃
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購入場所
退会したユーザーさん
2012/11/08
やはり宗達の絵はすごいでつねぃ(’’;
2次元なのに3次元の世界観・・
屏風から飛び出してきそうでつ(・・;
いいものをお持ちでつ(・・b
めぐりさん
2012/11/08
vingt-et-unさん
2012/11/09
ブックオフです。
ズラーッと売っているのを見つけ、取りあえずこれの他に2冊買って、翌日にお金握りしめて買いに行ったのですが、もはやありませんでした。
カバーが焼けていて古本臭が若干するのですが、お気に入りの一冊です。
vingt-et-unさん
2012/11/09
羨ましいかぎりです。
実物をいつの日かこの眼で拝んで見たいものです。
海を隔てているとこういう時に実感します・・・遠いなぁ・・・。