実は結構読書家で、特に若い頃は乱読しました。
ジャンル的にはSF~ファンタジー~ミステリなどからコミックまでイロイロ。
3桁では収まらない蔵書の中からトピックをご紹介していきます。
「私を月まで連れてって!」は先日TVアニメ化もされた「地球へ…」の竹宮惠子女史による、SFコメディ。
竹宮惠子は石ノ森章太郎の影響などを受けたSF的なストーリー仕立てが魅力で(もちろん全くSF的でない話も多い)、同居もしていた同期の萩尾望都と良い影響を受け/与え、萩尾同様文学的にも良質な話を描く。
少年愛を扱っていながらその奧には思春期の葛藤を描いた「風と木の詩」、表面的には超能力者(ミュウ)と人類を管理するコンピュータの戦いとそれからの解放を描きながら、底には「大人になる」という社会的儀式に対する疑問が呈示される「地球へ…」、と深い話が多いが、本作は比較的肩の力を抜いて楽しめる短編集。話は宇宙飛行士ダン・マイルドと超能力者ニナ・フレキシブルを中心に進む。ダンが連続勤務から離れるために狂言として気が触れた振りをして少女ニナに求婚するところから話は始まる。ニナは精悍なダンに惚れるが年の差17歳!でもニナは超能力者でダンが自分の命を救う未来を予見する。はたしてばれた狂言のお仕置きとして?定期便航路のパイロットをしたダンの操縦する宇宙船が事故に遭い、乗員乗客全員無事を目指して救助活動を行うダンの最後の救出者がニナ。ニナを救助隊に送り出すとともに反作用で宇宙の深淵に落ちていこうとするダン。英雄の死を嘆きながら撤退する救助船になぜかダンの姿が!(ニナの超能力でテレポートしたw)
...な~んて結構ハードに始まるが、ニナの兄で天才児?のアーチーの創り出す人格を持つハウスキーパー・ロボットSABURINA、ペットロボットの失敗作ながらエイリアンが住み着き癒やしの生命体となるベンガルといったSFチックな設定や、名家のお嬢様ながらハウスキーパーとして複数の家を掛け持つおヤエさん、そのおヤエさんに熱烈に求婚するシェラトン財閥総帥のハリアンとのドタバタ...さらに最終巻に向けて緩やかに実っていくダンとニナの関係、と結構色々な要素を持った短編集。さらにコンピュータの変調や宇宙から持ち込まれた病原体というような古典SFネタをパロった話もあり、アシモフなど古典SFに親しんだヒトはニヤリ、とできる。自分の持つのは大学時代に買った大判コミックスタイプ。例によってAmazonは1巻目に繋いであるけれど、価格は6巻分。最近文庫版も出ているようなので、ぜひ!オススメです。
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購入金額
2,880円
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購入日
1986年頃
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購入場所
退会したユーザーさん
2012/09/15
3億円で連れていったろ!(笑)
cybercatさん
2012/09/15
この漫画のインスピレーションの元、Sinatraが歌ってスタンダードとなった「Fly Me to the Moon」もすでに夢ではない??ww
aoidiskさん
2012/09/15
何となく読めてしまうのもよかった
地球へ を連載されたときは、少女マンガじゃ
駄目なのかと いらぬ心配してましたね
とにかく
楽しい作品ながら好みの別れる作品でもありますね
ふじしろ♪さん
2012/09/15
ぺたぺた。
今これの続編があるんですよね~。ハリトンの長男が主人公…だったような。
まだ未読でーす!
cybercatさん
2012/09/15
>よき時代の産物
まさに。
「宇宙」というのがあくまでSFで、遠い未来にしか届かないものだった、憧れであり実現しないものだった、というのが前提にありますね。
前のレスじゃないですが、金さえ払えばロケットに乗れる、自立二本足歩行のロボットはある、自動で掃除するお掃除ロボットもあるww
でもそれがこの作品の価値を下げるものではないですけど。
cybercatさん
2012/09/15
>今これの続編があるんですよね~。
にな!..ぃゃ、ナニ!!そりは一大事!探してきます!!ww⇒⇒⇒