当時のIOI Technology製SCSIホストアダプタは、Initio製のコントローラを搭載していました。Initio製SCSIホストアダプタの初期製品は、かつて存在していた日本の周辺機器メーカーICMにPC-9800シリーズ対応製品として供給されていたことから、そのときのリソースを活用していたのではないかという見方もありますが、実際のところは不明です。
このIOI-A100U2WはInitioのリファレンス製品であるINI-A100U2Wとほぼ同等の構成の製品で、コントローラーとしてINIC-1060Pを採用していたことも共通しているのですが、PC-9800シリーズとPC/AT互換機の双方をサポートするBIOSが提供されていた(Macintosh用も別に存在していました)こと、ボード上の水晶発振器のクロックがリファレンスよりも高くなっていたという特徴がありました。
BIOSでPC-9800シリーズをサポートしていたことは大きなメリットでしたが、水晶発振器の周波数を高くしていたことは、速度面でこそやや有利に働いたものの、それ以上の他の機器との接続互換性を下げる結果となってしまっていて、決して褒められたものではありません。当時IBM製のHDDとの相性の厳しさは有名でした。
PC-9800シリーズでWindows2000を快適に使おうとすると、Ultra 2 Wide SCSIのHDDで起動することが半ば必須条件となっていましたので、後に同じInitio製INIC-1060Pを搭載した複合機能ボード、玄人志向CHANPON3-PCIが発売されるまでは私もこのボードをメインPCで使っていました。
PC-9800シリーズの大きな武器であった、MOからのOSブートには対応できていないなど不完全な部分はありましたが、それでもこの時期に提供されていた数少ない高速ストレージインターフェースとして評価して良い製品であったと思います。
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購入金額
7,800円
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購入日
不明
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購入場所
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