レビューメディア「ジグソー」

なかなかの重低音が心地よいカナル型イヤホン

ソニーのイヤホン「SONY MDR-XB90EX」をレビューしたいと思います。

 

■初めに


自分はこれまで「SHURE SE102-K-J」と「turbine MH TRB IE」を使用していました。

「SHURE SE102-K-J」はナチュラルサウンド系で低音・中音・高音のそれぞれがあまり主張しないイヤホンでした。

 

 

「turbine MH TRB IE」は高音・中音の伸びもよく低音もしっかり出るイヤホンでした。

上記2つのイヤホンについては、それぞれのリンク先で見てもらうとしてこれらのイヤホンを聴いた上でのレビューとなります。

 

■スペック


・型式:密閉ダイナミック型
・ドライバーユニット:16mm(ドーム型、CCAW採用)
・感度:106dB/mW
・再生周波数帯域:4-27,000Hz
・インピーダンス:16Ω *2
・最大入力:200mW
・ケーブル:1.2m(Y字型、L字型プラグ、フラットケーブル、縦方向にスリット入り)
・質量:9g(ケーブル含まず)
・付属品:ハイブリッドイヤーピース(SS,S,M,L)、ノイズアイソレーションイヤーピース(S,M,L)、キャリングケース、クリップ

 

■付属品


 

・イヤーチップ

イヤーチップはシリコンタイプです。ハイブリッドイヤーピース(SS/S/M/Lサイズ)とノイズアイソレーションイヤーピース(S/M/Lサイズ)がそれぞれ付属しています。

 

・ケース

付属のイヤホンケースは、大きさ形状ともに申し分ないもので、他社でたまに見る、やたら小型化してイヤホンがケースに収まりにくいなどの問題もありません

 

■外観


本体部分はやや大き目で、耳からはみ出ます。ちょっと変わった形状をしているのは、音の出る位置を調整した結果だと思いますが、かなり特徴的な形状をしているかと思います。

 

ケーブルはきしめん状のフラットケーブルで絡まりにくく、タッチノイズ(ケーブルを触った時のノイズ)が出にくくなっています。

 

「SHURE SE102-K-J」はタッチノイズがひどく、ケーブルが服にこすれていてもノイズとして聞こえてくるほどでした。

それと比較すると”ほとんどタッチノイズを感じない”と言えます。

 

また、ケーブルが絡まりにくく、長時間使用しても折り目などのクセはついていません。

「turbine MH TRB IE」はケーブルが細くて脆くすぐにはぜたり切れたりしましたが、このケーブルは非常に丈夫でほころんだり切れたりもしていません。

 

■各特徴とレビュー


本イヤホンは「密閉ダイナミック型」と呼ばれる駆動形式を持つイヤホンで、一般的で安価なヘッドホン、イヤホンはほぼこのタイプを採用しています。

 

ダイナミック型は、価格を安くでき、かつ低音を再現しやすく音のバランスも作りやすい反面、音が籠りがちになるという欠点もあります。そのため、よくある安価なものは低音のみを重視し、中音・高音はいわゆるドンシャリ系のサウンドになるものが殆どだと思います。

 

ただ、製品によっては安価で非常によい音を再現できるので、上記弱点をどう克服するかが各社の腕の見せ所だと言えます。

 

さて、この「SONY MDR-XB90EX」は、比較的安価なイヤホンだと言えます。

では、いったいどんな音の性質を持っているのかをレビューしたいと思います。

 

音のレビューについては、数百時間のエージングを終えた後のものです。

 

・遮音性

「SHURE SE102-K-J」と比較すると若干もれます。しかし、カナル型らしくそれなりな遮音性はあるので、電車の中であれば問題ないでしょう。

ものすごく静かな場所だと回りの人は若干気になるかもしれません。

 

・高音

エージングが進む前は、やはり籠っており、音の傾向がこのままならお払い箱にしようとさえ思いました。しかし、この手のイヤホンはエージングをおえないと正しい音の判断はできません。

エージングが進むについて、高音の”伸び”が出てきます。思ったよりもクリアで伸びのある高音が出ますが、聞いているサウンドの種類によっては少しシャリっぽい音になります。ですが、ドンシャリというほど、ひどくはないのでそれほど気にはならないと思います。

 

・中音

若干籠り気味ですが、ソニーは音の位置を調整することで絶妙なバランスに仕上げてきています。このイヤホンの形は結構独特で他のカナル型イヤホンとは違いますが、音の出る位置がちょうど耳の高さになるよう工夫されています。

そのため、本来籠っている音を耳の近くで聞こえるようにしているようです。

この辺は音にプライドの高いソニーならではのアイディアだと思います。

 

・低音

この製品の最大の”ウリ”といっていいでしょう。

音の定位置を調整しつつ、ダイナミック型の長所である低音が非常に響きかつ、クリアに聞こえるようにしています。

実際、イヤホンの差し加減を変えると結構低音の質も変わってくるので、ご自分で差し加減を調整したりイヤーピースを変更したりしてみるとよいと思います。

低音の質については、ボーズのものにも負けていないと思います。

 

■視聴音楽について


私は基本的にはジャンルにこだわらずなんでも聴きます。

流行っているJPOPよりは「Kalafina」とかテクノ系であれば「田中ヤスタカ」とか好きなのでそれを聴いてみての感想です。

 

この機種は高音と中音でボーカルの再現度が高いので、「Kalafina」の重厚なサウンドとボーカルの艶やかさをそれなりに堪能できます。”それなり”と書いたのは、前述でも記載しましたが、イヤホンの差し加減で稀に音が籠るのと、高音がシャリになる時があるので、辛めの書き方ですが、それなりと表現しました。

ただし、低音は本当に重厚で心地よいので、マイナスをプラスにできるだけのものはあります。

 

「田中ヤスタカ」系でも低音が利いており、今度はよりビート感を感じることができました。

個人的には好きな音の傾向です。

 

音の傾向は、「SHURE SE102-K-J」のようなバランス型ではなく、低音重視となっています。かといって高・中域の音はないがしろにされておらず、音に拘りのあるソニーらしいイヤホンに仕上がっていると思います。

 

■総評


現在は比較的安価になっており、性能、低音のキレ、音のバランスなどを考慮した場合コストパフォーマンスは抜群だと思います。

これまで、100均や1500円クラスのイヤホンを使っていた方はまずはじめに入門用として購入するにはものすごくよい製品だと思います。

 

私もこれまで2~3万クラスのイヤホンを使っていましたが、このままいくと10万クラスまで飛びそうだったので、このイヤホンと出会えて家計的に非常によかったと思います。

音も非常によく、ああ、次もソニーのイヤホンを買うんだろうな、と自分でも思います。

 

ウォークマンでも驚きましたが、音に関してはさすがのソニーだと思います。

 

  • 購入金額

    12,390円

  • 購入日

    不明

  • 購入場所

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