この製品は2004年11月発売で、当時の価格は1本63,000円という製品ですが、つい先日添付のケーブルが欠品しているという展示処分品(展示されていただけで未使用とのこと)で、1本5,500円にて購入しています。
さすがにかなりの長期にわたって展示されていた製品のようで、最初に音を出した時点ではスピーカーより遙か後ろに音像が定位してしまうほど、音が引っ込んでいるという印象でした。しばらく鳴らし続けているうちに少しずつ改善してきているようですので、これはエージングが進めば解決する問題である可能性もあります。
3ウェイスピーカーとしてはかなり小型の製品ですが、低域方向の量感は思いの外あります。ただ、バスレフ型であるだけに、低音の量を稼ぎ出すとイコール応答性が鈍くなるという傾向があり、この製品も低域方向の応答性は決して良いものではありません。ただ、組み合わせているアンプのKENWOOD
L-01Aの特性から、小口径ユニットを力技で鳴らしてしまうという部分もあるため、結果論としては何とか許容できる範囲に収まっています。
高域方向は200KHzまで再生するという売り文句であるだけに、良く伸びているのは間違いありません。ただ、可聴範囲にピークを作って高域が出ているように錯覚させるという演出の部分が気になってしまいます。ツイーターに関してはまずまずの水準を持っているだけに、小細工無しに聴かせて欲しかったところです。
そして個人的に最も不満が残ったのが中域でした。例えばギターの音を再生すると、ピックが引っかかるようなノイズの部分を強調して、変に細かい音ばかりを意識させる傾向があります。その割にヴォーカルなどの音は妙にあっさりしていて、何となく他人事であるかのように音楽を鳴らしてしまうという印象があるのです。
これからエージングを進めていくうちに音質傾向も変化していくのかもしれませんが、現時点での感想はこれで1本6万円はちょっと高いな、というものです。購入価格からすれば十分すぎる音質ではありますが。
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購入金額
11,000円
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購入日
2012年07月30日
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購入場所
harmankardonさん
2014/03/12
jive9821さん
2014/03/12
確かに元の価格なら、じっくり聴き込んで気に入らなければまず買いませんよね。
私の場合は、実売価格で考えればハズレでもそれほど惜しくないだろうと考えて、試聴もせず(というよりその販売店に試聴環境がありませんでした)、勢いだけで買ってしまいました。
結果としては、元値であればかなり不満だが、入手価格から考えればある程度は満足というラインに落ち着いています。もっとも、現在は結局のところTV脇のDVD/BD観賞用スピーカーとなってしまっていますが。