ALPSのリーフスプリングスイッチを採用した、IBMのキーボードです。マルチステーション「5550」付属のキーボードと基本的に同じもので、PS/2接続の日本語配列キーボードとしては最古のものになります。
キー数が多い為、筐体のサイズはG510とほぼ同じです。
5576というのは、日本IBMが製造していたPS/55シリーズの付属キーボードで、米国IBMのIBM PCとは分離した開発を行っていたようです。この、IBM PC付属のキーボードの一つが、有名なEnhanced 101、すなわちModelMなのです。
5576シリーズは6種類あり、それぞれ異なる性格を持ちます。
001:ALPS製リーフスプリング、大型機用
002:ALPS製リーフスプリング、通常サイズ
003:ブラザー製バックリングスプリング、002のテンキーレス
A01:ブラザー製バックリングスプリング、106配列のルーツ
B01:ミツミ製ラバードーム
C01:Enhanced 101系バックリングスプリング、トラックポイントⅡ搭載
中でも、A01は群雄割拠していた日本語配列を106配列という、一つの規格として統一しました。決定したのが、IBM主体で作られた団体というオチはありますが。。。さらに、A01のキータッチはバックリングスプリングとしては最高峰という声も大きく、ヤフオクでは数万円での取引が行われています。
さて、本題の001です。古めかしいフォルムは、見ていて飽きません。ファンクションキーは24個、左側にはIBM PCに見られる12個のキーが配置されています。これらのキーは、DOS文書の操作用のキーらしいですが、自分にはさっぱり分かりません。端末によって役割が違うとか何とかですが、Windows XPで使う上ではほとんどのキーは無用の長物です。
ちなみに、Windows 98SEまでは、今となっては特殊な配列の、このキーボード用のドライバが元から組み込まれていました。2000、XPではドライバ自体は存在するものの、レジストリで指定する必要があります。5576-001の場合、猫まねきのようなソフトを使うと、Windowsで対応していないキーでも、他の対応しているキーに置き換えられます。マルチメディア方面の指定ができれば、G510的な使い方ができるのに、、、と思います。
さて、肝心のキータッチですが、第一印象は「軽っ!」でした。調べると、バックリングスプリングの1391401と比べて10g近く押下荷重が軽いようです。
http://www5f.biglobe.ne.jp/~silencium/keyboard/html/ibm.html
さらに、リーフスプリングという構造上、音についてもかなりの違いがあります。言葉で表現するなら、1391401はガッチャンバッコンと、賑やかなのに対し、5576-001はカチカチと上品な音を奏でます。
紹介しているサイト
1391401は、そのキーの重さからか、長文を書くとかなり指先が辛くなりますが、このキーボードはそんな事はなく、しっとりとした底付き感もあり、自然と指先が次のキーへ吸い付こうとします。
同じメーカー内でも、キータッチが異なるというのはある種当然ですが、外装の作りも異なるというのは、面白いところです。1391401はアメリカ製でキーさえ良ければ、そのケースは何でもいい、というような作りで、所々スキマがあったりしますし、形状についても、特に工夫はありません。しかし、5576系は日本製という事で、外装を取り付ける時もカチっとはまりますし、裏面の形状も、中の鉄板に合わせた形になっています。
軽いタッチのに、ハッキリしたクリック感のある、このキーボードはかなりいい感じで、今では1391401を差し置いて、常用キーボードになっています。この、タイプしている時の特有のリズム感は、キーの重いバックリングスプリングでは出せない良さです。
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購入金額
3,000円
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購入日
2012年04月14日
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購入場所
ヤフーオークション
きっちょむさん
2012/04/15
たまにヤフオクを目に通してるのですが、
私とはなかなか疎遠のようです^^;
名湯さん
2012/04/15
さすがに20年以上前のモノにお金を出す人も減ってきたのでしょうね。