レビューメディア「ジグソー」

よく練られたシンプルさに駆け引きが加わった名作。

  • by
    L2さん
  • 2016/01/30
  • (更新: 2016/01/30)

ニコニコ動画にて、アイマスキャラによるプレイ動画をみて、欲しいなあと思っていたゲームです。

 

その動画に使われていたものとは違い、完全日本語版という事で、装丁などは一新されておりますが、イラストは同じでした。

 

カードを取る為に指を入れる窪みが付いているのは良いですね。

この下の空間がチップとマーカーを入れるスペースとなっていますので、この窪みの折返しで型崩れしにくい構造になっているのが◎

中古での購入でしたが、状態も上々な上に、販売店の駿河屋さんが、カードにスリーブを付けていてくれたので、むしろ、新品で買うよりもお得でしたw

更新: 2016/01/30

そう、この国の全ては、見えざる黒幕のあやつり人形。

このゲームでは、様々な階級(国王すらも!)を裏で操って、国の発展を成功させたプレイヤー(黒幕)の勝利となります。

その条件とは、自分の場に8つの建物を建築する事です。

 

進行方法としては。

参加しているプレーヤーが順番に手番のアクションを終了していき、全員が手番のアクションを終了したら、1ラウンド終了です。

ラウンド中に8つの建物を建てたプレイヤーが出たら、ラウンド終了時点でゲーム終了処理に。

その時点で、自分の場に建ててある建物を点数化し、幾つかのボーナスを条件に因って加算し、合計得点が多いプレイヤーの勝利です。

 

プレイヤーは、最初に手札として建物カードを数枚(プレイ人数ごとに増減して調整)と、建物を建てるコストとして金貨(として扱うチップ)を2枚所持してスタートします。

順番を決めて、順番が来たら国庫(銀行とも呼ぶ)2枚の金貨を貰う。

或いは、山札から2枚建物カードを引いて、1枚を手札、もう1枚は山札の底に戻す。

このどちらかのアクションを行った上で、望むならば手札の中から1枚だけ選んだ建物を金貨を払って建てる事が出来る。

ここまでの流れは、普通のカードゲームですよね。

 

このゲームの肝は、順番を決める部分にあります。

順番は、黒幕があやつる職業によって、決まっています。

一番から順番に。完全日本語版と翻訳名称では名前が一部違います。

 

・暗殺者

 職業を指定して、暗殺します(その職業を選んだプレイヤーの、このラウンドでの手番を飛ばします=収入フェイズも飛ばします)

・盗賊

 職業を指定して、盗みを働きます(その職業を選んだプレイヤーの金貨を全て受け取ります)

 但し、暗殺者と、このラウンドに暗殺された職業は選べません。

・奇術師(翻訳は魔術師)

 ①プレイヤーを指定して手札を交換します(枚数関係なく、持っているものを全て交換=自分0枚、相手3枚でも成立)

 ②手札を山札の底に戻して、戻した枚数分引きなおす。

 ①②のどちらかを実行できる。

・王様

 自分の場に建築している王城カテゴリの建物の数だけ金貨を貰えます。

 また、王冠マーカーを持って、次のラウンドの進行役と職業カードを最初に引く権利を得ます。

・司教(翻訳は伝道師)

 自分の場に建築している宗教カテゴリの建物の数だけ金貨を貰えます。

 司教としてプレイしているラウンドでは自分の建物を後述の将軍から破壊されません。

・商人

 自分の場に建築している商業カテゴリの建物の数だけ金貨を貰えます。

 更に、アクション終了時に1枚金貨を貰えます。

・建築家

 アクション終了後に山札から2枚手札に加える。

 建物を3枚まで建てられる。

・将軍(翻訳は傭兵)

 自分の場に建築している軍事カテゴリの建物の数だけ金貨を貰えます。

 アクションの最後に、建築されている(場に出ている)建物を一つ選んで、その建物のコスト引く1枚の金貨を支払って壊す事が出来ます。(コスト1枚は無料で破壊出来る)

 但し、8枚建築を達成したプレイヤーの建物と、司教の建物は破壊出来ません。

 

順番の決定は、これらの職業カードを前ラウンドで王様を選んだプレイヤー(スタート時はくじ引きなどで決定)がカードの中身を見ずに一枚伏せたままで場の中央に戻して除外し、プレイヤーの人数+2枚程になるようにカードを引いて、それらを表にしてから、他のプレイヤーに見えないように選んで手元に伏せたまま確保します。

左回りに、他のプレイヤーも同じように引いて、最後の一枚は伏せたままで場の中央に戻します。

全員が引き終わった時点で、伏せたままのカードが2枚、場の中央にあり、人数+1枚になるように調整する為に弾かれたカードは明らかになっています。

 

ちょっとややこしい手順なのですが、これをしないで人数よりもかなり多いままだと駆け引きや推理が難しくなってしまう事が往々にして存在し、枚数をきっちり人数分にしてしまうと、最初に職業カードを選んだプレイヤーの職業を、次のプレイヤーは簡単に知る事が出来るという現象が起きるのです。

人数分の枚数だけでプレイすると、最初のプレイヤーが暗殺者以外を選んだら、左隣のプレイヤーが暗殺者か盗賊を選んで、判明した職業を狙い撃ち、という事が発生しやすくなります。

これを防ぐ為には、最初のプレイヤーは暗殺者を取り続けるか、金貨を使い切る(極論ですが)という事をし続けないと不利になりやすいです。

特に暗殺されると金貨貰えない上に一回休みですから、こんな事態になると、王様を取ったプレイヤーは、次のラウンド暗殺者、というゲームを有利に進めたいなら選ばざるを得ない半強制的な流れが出てしまい、職業の選択を巡る駆け引きが硬直化します。

それを防ぎつつ、相手の目標達成度や所持金貨の観察によって職業を選ぶという戦略が必要になる手順ですね。

 

また、勝利条件としては。

誰かが8つの建物を立てたラウンドでゲーム終了だけれども、勝敗は、建物のコストを点数に読み替えたものと、8つ建築を達成したプレイヤーへのボーナス点、建物のカテゴリを全て網羅したボーナス点の合計によるという計算式となっています。

コストの高い建物は同じカードが少なく(一枚という事もあります)、コストの低い建物は同じカードが複数枚あります。

けれども、自分の場には、同じ名前の建物は重複して建てられませんので、コストの低い同じ建物を建築家でパパッと建てて、一番乗りが勝ちという事もできないようになっておりますし、一番乗りボーナスも絶妙な得点ですので、コストの高い建物を建てている8つに到達していないプレイヤーの方が得点が高くなる事も有り得ます。<もちろん、誰かの建築済み枚数が8枚に近づいたラウンドの建築家は暗殺の対象になりやすいですしw

 

こういう部分の単純化した、しかし、深いバランス調整というのは素晴らしいと思います。

  • 購入金額

    1,610円

  • 購入日

    2016年01月24日

  • 購入場所

    駿河屋楽天市場店

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