実は結構読書家で、特に若い頃は乱読しました。
ジャンル的にはSF~ファンタジー~ミステリなどからコミックまでイロイロ。
3桁では収まらない蔵書の中からトピックをご紹介していきます。
代表作として銀河英雄伝説を持つ田中芳樹は、遅筆で有名な?cybercatにとってはネ申のような存在のSF作家w。なにせ芸歴?30年に届こうというのに、完結した長編小説はたぶん片手くらい(^^ゞ
途中で投げ出している?長編だけでも(そしてcybercatが持っているだけでも)「アルスラーン戦記」「創竜伝」「タイタニア」「灼熱の竜騎兵(レッドホット・ドラグーン)」「自転地球儀世界」などなど...このうち「アルスラーン戦記」は前半部は一応決着ついたし、「創竜伝」は一巻ごとにある程度の小決着はつく書き方なのでまだ良い(?)が、「タイタニア」に至ってはまだ序章の風呂敷も広げきっていないという...(^^ゞ
そのうちに時の流れに逆らえず、出版元の方が先に逝かれて変わってしまうと言う...(^^ゞ
・タイタニア:徳間ノベルズ⇒講談社
・アルスラーン戦記:角川文庫⇒光文社
そんな中、このマヴァール年代記はとりあえずカドカワノベルズ健在なりし頃に完結した(後に角川文庫で文庫化)。
お話は架空の国での世継ぎ争い...という単純なものではなくて若かりし頃、机を並べた三人の武将(王子と貴族、騎士)が覇道という名に足を取られながら成長し、競い合い、戦い、斃れていく話。
前王の三男(であり残された唯一の王子)カルマーンは文武両道に秀でるが、非道の父王を弑逆したという負い目を持つ。その一点の曇りをかき消すべく良き王たらんと覇道の王道を行き、隣国ツルナゴーラを併呑し、その内親王アルデハイドを娶り合法的にも自国を拡張するが、彼女もまた覇権を目指すいわば同類であり、内にあっても癒やされることがない。
有力貴族ヴェンツェルは智に富み略に長け、カルマーンの父王崩御時の行動で弑逆を確信、国の簒奪を決意する。父王亡き後長子王子の三歳の遺児を戴き実利を得ようとする派と対立し一旦カルマーンの王位継承に味方するも、その駆け引きに勝利を収め他の有力貴族を退けたあとは、その遺児の後ろ盾になる。その一方帝室につながるパサロヴィツ家より9歳のイデリーダ姫を政略結婚のため婚約者とするが、幼い彼女に対しては紳士という二面性をもつ複雑な性格。
三人の学友のうち、一番身分が低かった騎士リドワーンは、無欲だがヴェンツェルの妹アンジェリナより思いを寄せられ、最終的に対立・対決することになるカルマーンとヴェンツェルの間に立ち苦悩するが己が信じるとおり、カルマーン側に立つ。
最終的にはカルマーンとヴェンツェルの一騎打ちになり両雄斃れたあと生き残ったリドワーンがアンジェリナとともに国を治めることになる。
歴史好きな田中らしい壮大で、緻密で、かつ道徳的なすこし口うるさいおじさんwであり、そして善良な性格が出て、伏線が張り巡らされ、偶然と思える部分にも裏の意味があり、そして最後には無欲で善良な人物が幸せになるというストーリー。
例によってAmazonは第一巻に繋いでいるけど、価格は三巻分!
そうそう、このスケールの大きい話を彩る挿絵は天野喜孝画伯。流麗にもおどろしくも変幻自在のそのタッチでカルマーンのたくましさもヴェンツェルの瀟洒さも描き分ける。cybercatの好きなイラストレーターで、後に文庫化された際に画が描き直されたので、ソレも押さえている...というのはコレクターとしては当然の流れだったりして....(^^ゞ
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購入金額
2,100円
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購入日
1988年頃
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購入場所
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