レビューメディア「ジグソー」

冷たいスパイ合戦と、「アツイ」男達の物語

本の蟲。
実は結構読書家で、特に若い頃は乱読しました。
ジャンル的にはSF~ファンタジー~ミステリなどからコミックまでイロイロ。
3桁では収まらない蔵書の中からトピックをご紹介していきます。

まだまだ続く、谷甲州のSF連作“航空宇宙軍史”シリーズ。
時系列的には、「外惑星動乱」まさに開戦時点。
このあたりで

結成され

ここでも活躍したタナトス戦闘団の開戦時の破壊工作と、「航空宇宙軍」と「外惑星連合」のスパイ合戦が描かれる。

エアロックに関する描写や、脱出に使用するシャトルがある出発時点を過ぎると軌道の関係で母船との邂逅が遅れるなどSFをベースにはしているが、それは必ずしも必要条件ではない。子供を人質にとられ二重スパイに仕立てられる女性と彼女と行動を共にすることになるしたたかな現地協力者、工場への破壊工作とともに彼らの救出を任務に持つダンテ「中佐(←昇進させられてマス)」率いるタナトス戦闘団の活躍が描かれるストーリーで、SFというよりまたまた熱血ドラマ。

とくにダンテ隊長がいい味出していて、破壊工作を行っていた部下の技術将校ロッドと上記の二人を外惑星に脱出させるクライマックスで、迫る脱出期限に行動を共にしていた部下たちに「時間がないから、お前らは輸送機に乗れ。俺はロッドたちと合流して、脱出の方法を考える。」と命じると、部下もさるもの「また隊長の病気がはじまったぜ。どう思う?」「あんなことをいわれて、いく奴がいると思ってるのかね。」などと応じる。銃を向けてでも従わせようとした時、副隊長(ランス)の指揮する輸送機が飛び立つ。そばにいた部下が「それにしても、挨拶くらいしていってもいいじゃねえか!」と毒づいていると「こんなことだろうと思った。」とランス副隊長までやってくる始末w←アツイのは感染するんですかね(^^ゞ

その後なんとか全員で月から脱出したもののアテのない彼らを救ったのが仮装巡洋艦バシリスク

であるとか、二重スパイの女性が想う娘がエリヌス―戒厳令

で語られるなど、シリーズの他の作品との縦糸横糸も繋がれてくるが、単独でももちろん楽しめる作品。

シリーズ中、もっとも取っつきやすいかも。おすすめ。
  • 購入金額

    470円

  • 購入日

    1989年頃

  • 購入場所

18人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • makibisiさん

    2011/09/22

    小説は苦手なのですが、読みたくなってきました。^^;
  • cybercatさん

    2011/09/22

    makibisiさん、いつもどうもです!
    >小説は苦手なのですが、読みたくなってきました。^^;
    谷甲州は一見無骨な技術SFだったり、山岳小説だったりするんですが、人間を描くのが上手いので、血肉が通っている肌触りです。一時期はかなりでたので古本屋などでは遭遇できると思いますよ!

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