ポツダム宣言を受諾し、敗戦した日本へ「侵略してきた」ソ連軍と、それを食い止めるべく戦った、最後の日本陸軍の戦闘を、散逸した記録と綿密な取材によって「再現」した作品。
なんで「再現」かといえば、この戦いときたら終戦後のドサクサ紛れに行われたため、日本側にマトモな記録が殆ど残っておらず、また当事者たちも殆ど鬼籍に入ってしまい、詳細が殆ど知られていなかった事が原因。
筆者が取材を開始した頃は、まだ東西冷戦の真っ只中であったため、ソ連側の情報は皆無に等しく、日本側の情報も相当に少なかったため、一時は取材を断念した時期もあったそう。
それが再開出来たきっかけが、ソ連崩壊だったというのが歴史の皮肉だが、この戦闘・・・・旧ソ連軍にとっては屈辱的な結果だった上、北方領土問題に絡む重要な情報(要はソ連の明らかな不可侵条約違反を裏付ける証拠の一つになる)が含まれるため、やっぱ情報集めには苦労した模様。
筆者の執念が、この知られざる戦闘の詳細を半世紀を経て平成の世に再現されたわけだが、とにかく内容が・・・・・その・・・・・きついです、とにかく。
戦争だから仕方ないでは済まない、理不尽さとか、そういうものの中で「時代がどうあれ、日本人て、どこまでも日本人だなー」と思わされる事例が、山盛りです。
特に最後の、復員したとこのエピソードなんか、そら殴られても仕方ないぞとか思いました。
今じゃ、その殴られた人たちの同族が政権掌握してるわけで、ほんと日本て痛い目見ても時間が経つと忘れちゃうんだなあ・・・とも。
ただ、正直ちょっと読みづらいです。色々な説を併記するのはいいんだけども、混乱にも繋がるので括弧書きにするとかして欲しかった。
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購入金額
540円
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購入日
2011年09月10日
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購入場所
三洋堂清洲店
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