ダートトラックレーサーや、ダートトラック用タイヤが履けるようにホイールを換装したモトクロッサーを使い、舗装路(ターマック)と未舗装路(ダート)で混成された特設コースで行なわれた。
この番組ではケニー・ロバーツやフレディ・スペンサーやエディ・ローソン、ジェフ・ワードやジェイ・スプリングスティーンといった、当時のオートバイレースの各界から著名なレーサーが参戦して話題となった。
アメリカでのスーパーバイカーズはテレビ番組主導であったため、視聴率低迷による企画打ち切りなどもあって、何度か行なわれた後に衰退した。
しかしレース形式そのものは、オフロードレースが盛んなヨーロッパ(特にフランス)に伝播して「スーパーモタード」と呼ばれて継続された。
フランスのシャルル・ド・ゴール空港近くのキャロルサーキットで行われていた「ギドン・ドール(Guidon D'or)」(直訳で「黄金のハンドル」)というこのイベントでは、ケニー・ロバーツやフレディ・スペンサー、エディ・ローソン、ジェフ・ワードの他にもランディ・マモラやワイン・ガードナー、ウェイン・レイニーといったロードレーサーと、AMAモトクロスとモトクロス世界選手権チャンピオンのジャン・ミシェル・バイルやパリダカで6回の総合優勝を獲得したステファン・ペテランセルなど、モトクロスやエンデューロ出身のライダー達によって競われた。
ヨーロッパでは基となる車両がほぼモトクロッサーだけとなり、タイヤも前後19インチのダートトラック用タイヤではなく、前後17インチ程度の小径ホイールにオンロード用タイヤあるいはモタード専用タイヤを履かせたものが主流となり、以降これがスーパーモタードの標準となった。
こうしてヨーロッパで熟成されたスーパーモタードはフランス選手権からヨーロッパ選手権へと拡大し、発祥の地とされているアメリカに逆輸入され、日本でも知られるようになった。
2002年からは世界選手権が開催され、アメリカではエックスゲームズの種目としても採用された。
日本でも前述のアメリカでの番組などがテレビや雑誌などで紹介された経緯から、1980年代頃には前後ホイールや足回りをスーパーバイカーズ風に改造した車両が極少数ながら存在しており、それらによるレースも小規模ながら企画・開催されていた。
ただし当時の日本ではダート部分を含んだコースを準備するのが難しく、舗装路(ターマック)に特化したコースでの開催が主となったこともあって「ターミネーター」と呼ばれたりもしていた。
このために使用される車両も、モトクロッサー等を基にしながらもオンロード用バイクのサスペンションを組み込んだりと、ターマックに特化したコースにあわせたものとなり、アメリカやヨーロッパとは少し違った趣きを呈していた。
日本で最初の本格的なスーパーモタードのレースイベントといえるものは、1993年8月に鈴鹿サーキットで行われた『鈴鹿スーパーバイカーズ』である。
このレースは、鈴鹿サーキット南コースとダートコースを組み合わせた特設サーキットで行なわれた。
トップライダーをはじめさまざまなカテゴリーのライダーが参戦し、レースではモトクロスライダーの東福寺保雄が優勝した。
エントリーしたバイクはモトクロッサーだけでなく、市販のレーサーレプリカやダートトラック用のマシンなど、ノウハウがなかったが故に雑多でバラエティに富んだものであった。
また、バイクレースのオフシーズンである冬から春にかけて開催されたレースでは、阿部典史や塚本昭一や宗和孝宏、モトクロスからは芹沢太麻樹や宮内隆之といったロードレースのトップライダーがトレーニングを兼ねてエントリーした。
当時は既に第一線からは退いていた平忠彦や東福寺など、かつて全日本選手権で活躍したライダーもエントリーしていた。
鈴鹿スーパーバイカーズは1994年からシリーズ化され、ダート区間こそなくなったものの、鈴鹿ワンデーヒーローズのカテゴリーのひとつとして現在も南コースで開催されている。
鈴鹿での成功を受けて富士スピードウェイや筑波サーキットでも同様のレースが開催された。
2001年の12月にオーバーオールというレースが静岡県森町デイトナスライドパークで行なわれた。
2003年の4月には、日本のスーパーモタード選手権「MOTO1」が森町デイトナスライドパークで最初に行なわれ、各地でMOTO1が行なわれるようになった。
2005年からはMFJ公認レースとして、全日本選手権の「MOTO1オールスターズ」が開催されている。
こうして日本国内でのレースが充実するにつれ、近年ではアメリカやフランスなどの海外へ進出する日本人ライダーが増えている。
・・・といった経緯で、興味を持ち所有するに至る。
(排ガス規制の関係で、国内販売が終了してしまうと聞きつけ、慌てて購入)
とても面白い操縦特性のバイクであり、国産のこの手のバイクでは完成度No.1である。
後継機種が出てきていないのが、嬉しさ半分、寂しさ半分だったりする。
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購入金額
550,000円
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購入日
2009年03月頃
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購入場所
ウェストウッド 井原商会
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