このスピーカーを一言で言うと、「信じられないだろうが、この音、小型スピーカーなんだぜ?」です。って、わかりにくいですねw
通常、卓上のスピーカーは、置き場所の関係で小型です。で、小型にすることで犠牲になるのが、低域の表現や、それに伴う部屋全体を支配するような圧力感で、それを補うために、高価なものになると、サブウーファーを足元に置くようになっていたりします。卓上のスペースは小さいという意味では、理にかなっているんですよね。で、こいつは、そのサブウーファーがなくても、低音が気持ちよく耳に届きます。そこが、「小型なのに信じられない音」です。
仕掛けは、本体裏にあるパッシブラジエーターという、コイルがないコーンだけのスピーカーです。コレによって、低域を物理的に補い、豊かな低音が出てきます。で、それだけの低音を出すと、剛性が求められますが、卵型という命を守る為に自然界が産み出した硬い形状を採用することにより、高価な金属を使うことなく、剛性を手に入れています。そして、かるいので本体が飛び跳ねてしまうのを、足元のインシュレーターが防止しています。コレはスピーカーの角度調整にも役だっています。
で、その低域の出力を支えるアンプ部は、USB供給でも10W+10Wを確保しています。細かい説明は抜きにすると、音は常に一定ではなく、出力にムラがあるため、その出力が要求されない間を利用しておけに水を貯めるように電力を蓄え、必要になったときにそれを放流するという、ダムのような発想で達成している。ここにも、使用者に条件を押し付けず、最大限に尊重するという配慮が感じられます。
小型でいいものといえば、BOSEのM3というスピーカーがありますが、それに惜しみなく注ぎ込まれた高価な仕掛けを、アイディアによって克服しているところに、設計者の心意気が感じられます。
私が選んだのは、WalkmanドックとUSB端子がついているタイプ。WalkmanとPCとのデータ通信に加え、Walkmanポートからの音をアンプに送ったり、PCのDACとしての機能も備えています。ヘッドホン端子もあるため、ヘッドホンアンプとしても利用可能です。この機能は必要ないという方は、USBスピーカーに特化したTW-S7がおすすめ。これだと、Walkmanポート付きのタイプに比べ、半額に近い価格に抑えられています。私が購入したあと、液晶テレビとの親和性を考慮した光デジタル端子付きのタイプも発売されました。
PC用のスピーカーを買ってみようかなと思っていたら、ぜひ、こいつを候補に入れてみてください。ただ、やっぱりスピーカーは好みで印象が変わるので、出来れば視聴できると良いのですが・・・
ちなみに、同じくパッシブラジエータを2枚備え、それをダクトで調整したBOSE M3と比べ、低域の圧力感や繊細さは多少劣るものの、音の広がりに関してはこちらのほうが上でした。細かく聴きこむ場合はM3ですが、部屋に音楽を満たす場合は、こちらのほうが着気疲れしない音ですね。
ええ、M3も持っています(^^;
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購入金額
16,000円
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購入日
2011年03月頃
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購入場所
Amazon
harmankardonさん
2011/08/09
いけない,いけない.....
mochiponさん
2011/08/16
ちなみに、USBスピーカーなら1万円でAmazonにあります・・・って、をいをいw
やっぱり、チッコイってのは、スピーカーの仕組みとしては致命的欠陥ではあるんですが、このパッシブラジエータの仕掛けは、その弱点をかなり緩和してくれます。ちっちゃいけどすごいスピーカーは、家の中ではM3が一番なんですが、この音が必ずしも万人に受けるとは限らないこともわかります。やっぱり、スピーカー(イヤホンやヘッドホンも)は、視聴が必須ですね。
後日紹介する予定のEtymoticResearch社のER-4Sというイヤホンとの出会いが、視聴の大切さと恐ろしさを実感させてくれました。1万5千円の予算でSHURE社製のイヤ法を購入しに店に行き、視聴をしたら納得出来ず、ダメもとで3万くらいのを試しても好みに合わず、イヤホンそのものの購入を断念。で、うなだれながら店を出る直前、レジ前で見かけたよくわからない会社の変なイヤホンをネタとして試したところ…3万円(財布の中ほぼ全部)で購入してしまいました(>_<) いやぁ、視聴ってほんとうに恐ろしいですね。