なれる! SE の第4巻です。今回のテーマはプロジェクト管理、プロジェクトマネージャです。
今回のお話はのっけからデスマーチの様相で始まります。
業務経験も浅く、リーダーという立場の経験すら無い新入社員が突然PMを任されるなんて、なんとも無茶な話ですが、現実を見回せばどこの案件も要員のアンマッチから来る無理やら無茶やらは横行しているかもなあ、なんて。
僕自身はプロジェクトマネージメントを全面的に担ったことが無いので、断片的な経験と対比しながら読みました。あるある! いるいる! なんて思いながら、少し苦笑いをしながら読みました。
以下、ちょっとネタバレ気味です。
PMというのは、個人のヒューマンスキルに強く強く依存する仕事だと思うのです。
モノを創るのが人間である以上、そして1つのモノに複数の人間が関わる以上、利害や意見や思想や嗜好の対立は発生します。会社や立場、個人の特性なんかで発生する問題を、取引や説得や理屈や強権などを使って解決し、目的の場所に軟着陸させる。『システム』なんてロジックの塊みたいなものを作るのに、その中の人はどうしてこうも曖昧で不条理でファジィなのか。主人公は持ち前の高いコミュニケーションスキルで混沌としたプロジェクトを調整し、完遂しようと立ち向かっていきます。
これ以上書くとネタバレが過ぎるのですが、結局人並み外れたヒューマンスキルと桁外れのテクニカルスキルに依存してしまうのは、予定調和ではあったかな、と思いました。とは言え突破の過程こそがこの本の楽しみだと思うので、文句はありません。
内容がちょっと業界の方向けなので、他業界の方が読み始めると最初の15ページ位で飽きてしまうかもしれません。同業者の方、特に若手から中堅くらいの方は、面白く読める本と思います。
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購入金額
599円
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購入日
2011年05月15日
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購入場所
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