元々文庫で買ったのだが、読み終えるや否や、一気に全部読みたくなってたまらず、翌日に書店注文にてハードカバー全巻(当時発刊していた分)購入。
この衝動買いのせいで、その月は昼食代を削るほかなくなり、えらい難儀をする羽目となった。
とにかく、歴史モノで、ここまで素直に「面白え!」って思った作品は久々。
誰でも名前は知っているのに、何故か詳細はさっぱり知らない「ローマ」という国が、いかにして空前絶後の世界帝国へと発展していったのか、そして何故これほど高度な文明とシステムを作り上げたローマが、まるでかき消えるように滅亡してしまったのか・・・・
テーマこそ壮大で、かつ敷居が高そう・・・・そう思うかもしれない。
だが、実際に読んでみると、その敷居が「実は、ごくごく普通の家と変わらない」ことがわかる。
歴史に興味のない人でも、ものの五分で「すっ」と言う感じで入っていける、そういう本になっているのは、何も「ローマ」が特別でないことを、普通の人間の目線をもって、明快に書いているからだろう。
氏の文章は、とにかく軽快で、淡々として、かつ繊細だ。
無駄な装飾がなく、学術的に奢ることもなく、誰にでも「すっ」とわかるように書く。
これは、凄まじい才能が、徹底した検証と推敲を行ったからこそで、並の作家ならば、最初の20ページを読む間に睡魔を誘っていることだろう。
ここまで読みやすい通史というものを、私は他に知らない。
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そして、ある意味これは氏にとっての「萌え」小説でもあるところが、何とも微笑ましい(笑)
明らかに、ローマというものを、そこに生きた、その時代を生きた人を愛し、萌えていなければ、こんな本は絶対に書けないw
この第一巻は、初っ端ゆえにまだまだ抑え気味ですが、巻を重ねるごとに、塩野氏の萌えっぷり全開が透けて見えてきます。
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購入金額
2,415円
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購入日
2002年頃
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購入場所
suecastさん
2011/04/29
カエサルに"マジLOVE"な人ですから(笑)
(個人的には、目的を達成したという点でオクタウィアヌス(アウグストゥス)の方が
評価高くていいハズなのに・・・と思いつつも、
もう関係ないんでしょうね、氏の恋心にとっては)
>ここまで読みやすい通史というもの
中学生の頃にこの本が有ったら、人生変わっていた可能性高い気がします
(少なくとも、もうちょっと社会科関連科目の成績良かった・・・はず?)
Vossさん
2011/04/29
戦争に滅法強くて、政治センスもあり、カリスマ性抜群で、史上初にして空前のベストセラー作家で、女に滅茶モテで、浮気しまくっても女に恨まれないとか、それなんてエロゲ?(汗)
私の中において、最大級に評価が高いのは、ハドリアヌス帝かな。
改革者でなく、保守派として「やれることは、手抜かりなく全部やった」という、史上最高の政治の凡才。こういう人が、地味に凄いと思う。
氏は「萌え」なかったみたいだけど・・・・w