レビューメディア「ジグソー」

MS-DOS環境でゲームに使うならこれだった

今となっては何に使って良いのか疑問に思えてくるほどの貧弱なハードウェアではありますが、かつてはPC-9800系のMS-DOSゲームで音楽を楽しむには必需品ともいえる製品でした。

私が購入したのは1995年だったと思いますが、在庫処分品を買ったためか初期製造分だったようで、後の製造分で省略されたワイヤレスリモコンが添付されていました。

主なスペックはパート数16 最大同時発音数28 音色数354 ドラムセット10 といったところです。GM(General MIDI Level1)及びGSフォーマットのデータに対応していました。MIDI端子以外にシリアル端子による信号入力も可能でしたが、シリアル接続で思いデータを再生すると、音が若干もたつくなどの問題があり、それによりMIDI専用のインターフェースボードと併用されることも少なくはありませんでした。私自身も同じRoland製のPC-9800シリーズ汎用バス向けMIDIインターフェースボードである、SuperMPU(S-MPU/PC)と組み合わせて使っていました。

出てくる音色は良くも悪くも無難なものでした。ただ、音色数が僅か354しか用意されておらず、購入当時から音色の不足感を感じることがありました。特にこの時期には上位モデルであるSC-88向けデータや、ヤマハ製のXG音源向けデータも出始めていて、それらを無理に再生しても全く音楽にはならないわけです。ただ、個人的に当時のXG音源モジュールの音はあまり好きではなかったので、音色数の少なさを承知で購入したという面もありますのでこれは仕方ありません。

この製品がその魅力を最大に発揮したのは、MS-DOSゲームのBGMを再生する時でした。MS-DOSゲームのMIDI対応データは、多くの場合このモデルを想定して作られていたため、制作者の意図通りの再生が出来るということになります。GMという統一規格に対応しているデータでさえ、再生する機器によって聞こえ方があまりにも違うことが多かったのです。

後に上位のSC-88なども買いましたが、この機種決め打ちで作られているようなデータも少なからず存在していたということが、買い換えてみて初めてわかりました。その意味では最初に買う1台としては非常に正しい選択だったと思っています。
  • 購入金額

    0円

  • 購入日

    1995年頃

  • 購入場所

9人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • ふっけんさん

    2013/07/09

    私はSC-88VLを使っていました。
    まだ、ミュー次郎パッケージが残っていたはず。
    上位モデルが10万円近くして買えなかった思い出があります。
  • jive9821さん

    2013/07/10

    コメント有難うございます。

    私はこの当時SC-88VLを買うほどの予算がなく、SC-55mkIIを選びました。後に買ったSC-88は中古ですし、MIDI音源モジュールの購入価格としてはこれが最も高かった(4万円弱)記憶があります。

    SC-88は長期間使っていましたが、最後に使ったのはKORGのNX5Rでした。これもなかなか面白い製品だったのですが、既にMIDI自体がPC環境ではあまり使われなくなっていた時期で、使いこなすには至らなかったのが残念です。

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