vol.1同様、こちらもアンチパターン集です。vol.1は(良い意味で)枯れた技術や考え方をベースに書かれた本でしたが、こちらはクラウドや仮想化、Android/iPhone、Windows7など新しいテクノロジーにスポットを当てた本になっています。
個人的には、仮想化の話がためになりました。
仮想化ベンダがそういう売り方をしている所為か、お客様や、ときにはこちら側の営業の人まで『仮想化は簡単』『仮想化するとコストは下がる』と思い込んでいる節があります。
現実はそんな理想的にコトが運んだためしはまずなくて、既存システムからそのまま移行できるのは単機能のアプリケーションだけ(それすらも改造を必要としたり)でバックアップや監視系、冗長化技術などは全て再設計が必要だったり、複雑度が増す分トラブったときの調査が難しくなったり(性能が突然30分の1になったことがありました)、性能要件を満たしているかどうかを判定するのに同居するほかのサーバの利用特性を調べないといけなかったり、とにかく簡単ではありません。
「いざ仮想化でコスト削減!」と夢を抱いている方々にこんなネガティブなことを伝えるのはなかなか難しく、毎度理解を得るのに苦労しますが、この本で僕自身見えていなかったポイントや観点を知ることができたので少しは説得力が付いたかなー、なんて思っています。
vol.1に比べると対象読者は限定されるように感じますが、システム構築、開発に携わるアーキテクトの方、仮想化、スマートフォンなど先進技術に携わる方、そしてそのお客様に読んで欲しいなあ、と思う本です。
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購入金額
1,680円
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購入日
2010年11月頃
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購入場所
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