実売価格は9万円程度と廉価な24インチモニタが数台買える値段。実はコレ、某コンテストの賞品で貰ったものなので、自分で選んだ訳ではない。
確かに以前はNANAOのCRTにParheliaを使用するなど色にちょっとこだわっていた時期もあったが、今はあまり気にしていない人。
当然キャリブレーション機器も持っていないのでこの液晶のメインである「色関係」はたいした内容じゃございません。
視野角、発色はさすがグラフィックス用モデルといったところで、典型的なオフィス向けTNパネルモデルであるRDT196LMと並べて置くとその差は歴然としている。
淡い肌色、青の微妙なグラデーション等今まで見えなかったものも見えてくる。
本体にもセンサーを内蔵しており、電源投入後のバックライトの変化等を自動調整してくれる。
少々色が強すぎて人によっては目が疲れるかもしれない。ただカラープロファイルは5種類あり、それぞれにデフォルト値がありカスタマイズ可能。
プリンターにあわせるのは当然のこと、1つのプロファイルを長時間作業用としてあえて色を抑えた設定を作るのもいい。
一般的なフルHD液晶にくらべて縦方向が若干大きいWUXGAは、縦方向の作業に関しては数字以上のアドバンテージがある。今までは19インチ1280*1024モニタをデュアルディスプレイで使用していたのだが、これ1台で置き換えれるレベル。まあせっかくなのでRDT196LMをサブとしたデュアル構成で使用しているが。
入力系統は先述のとおり4系統入力。さすがにD-SUb接続は解像度が大きいこともあり、ケーブルやボードを選ぶ。DVIはHDCP対応なので、試しにHDMI変換コネクタを経由しPS3を繋いだらプレイできた。さすがに応答速度が遅いので気合の入れたプレイには向かないが、例えばグランツーリスモのフォトモードをこれでやるなんていう無駄に贅沢なプレイも可能。誰だ、ギャルゲーやれよとか言い出したのは!確かに「CGを見て楽しむ」って点では適任かもしれないけど!
失礼、あとこのモニタを紹介する上で外せないのが高度なピクチャーインピクチャ&ピクチャーバイピクチャ機能。要は通常の画面内に小窓で別の画面を表示したり、モニタ自体を2分割して並べて入力したりするのだが、それぞれに入力系統とカラープロファイルを設定可能。つまり同じ入力に異なるプロファイルを設定して比較したり、二つのパソコンの色の違いを比べる事だって可能。
Parheliaの記事で使ったこの画像もこのモニタで撮影。
アスペクト比維持の有無や小窓位置など非常に細かく設定できるので使い方はいろいろ。
メニューはボタンの横に機能が表示されるので、判りやすい。もう少しボタンが大きいと押しやすかったのだが。
付属のアプリケーションでこれらモニタ側の操作をOS上で操作することも可能。グラフィックボードが双方向通信できない場合はUSB接続すればよい。
本体下部にある青色の電源LEDが眩しいという人向けに、このソフト上から色を緑に変更したり明るさを調整(もしくはオフ)する事さえできるという細かさ。
やはりOS上で視覚的に操作できるのはラクなのだが、少々Windows7_64bit上だと不安定な面もあった。まあ私のPCが特殊な自作機なのでそのせいかもしれないが。
USBケーブルは本体内蔵のUSBハブ用のケーブルとしても機能し、2本のUSB入力を持っているためモニタに繋いだUSB機器を2台のパソコンで切り替える事が可能。画面入力切替に連動して切り替えられ、4系統それぞれの割り振りは自由にできる。というわけで実質的にPC切り替え器としての機能も備えている。
ただ私はキーボード&マウスを2台それぞれに接続しているのとUSB機器の電源がモニター依存になる関係であまり使っていない。
本体デザインはシンプルそのものでスタンドの底面形状がちょっと変わっている以外は癖がない。さすがに最近の廉価少エネ液晶と比べると本体も厚みがあり、発熱も大きめ。
ずっしりとしたスタンドは安定性も自由度も抜群で、アームを用意せずとも大抵の場面で思い通りの画面角度にできそう。高さも結構高くまで上げられるので、最初の写真では隣のRDT196LMは台の上に、PA241Wは机に直接置き、その手間に台が通っている。
安定性は近所で古い塀が倒壊する程度の地震でも位置が少々ずれたのみ。高さを最大まであげていたので不安定なはずなのだがこれは優秀。
消費電力はS-RGBデフォルト設定なら71W、輝度を大きく上げると100Wを超える。決して低くはない数値だが、そもそもそういうのを求められるモデルでもないし、長時間作業用に輝度を抑えれば42W程度まで下がる。
驚くべきはその待機電力で、電源を切った場合待機電力はワットモニター読み0W。画面信号がない場合の待機状態でも0.3Wと家にある数台のモニタの中で最も低い。
かゆいところに手が届く隙の無い設定項目、がっしりとした本体、高度なPIP機能と実際使ってみると9万という値段が安く感じてくる。今回は思わぬ形で入手したのたが、もしコレが壊れてもまたNECのグラフィック向けモニタを買おうという気にさせてくれました。
あえてオチをつけるならば、今私が自宅PCで作るものってのは一般的なPC向けや携帯電話向けもものが殆ど。むしろこのPA241にあわせて作ると色が薄すぎたりするので、わざわざRDT196LM側で色を確認するという完全な逆転現象が起きているという事か。
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購入金額
0円
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購入日
2010年08月23日
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購入場所
プレカリアート真面目明さん
2012/08/26
いいなー
下小川さん
2012/08/26
使い切れないくらいに高機能で、私にはほんと勿体無いクラスのヤツなんですが、入手したからには出来る範囲で活用しています。
輝度の調整幅も広くて、疲れにくいプロファイル作ったり、人様の絵を鑑賞したり(オイ
あるイベントの景品扱いで領収書の類が無く、真っ先にNECの保障が受けられるか確認したのはナイショ(OKだそうです)。
愛生さん
2012/09/03
凄い機能ですね。
良いですね、LCD-PA241W・・・こういったモニターを使って見たいですね。
下小川さん
2012/09/03
これは特に高価なモデルですが、最近はもう少しお手ごろなモデルでもPiP機能を備えているのもあるので、選択肢は広がっています。
何より怖いのは一度コレに慣れてしまった今の状態で故障とか起きたら、買い替えの時どれくらいかかるのかというコスト面…