レビューメディア「ジグソー」

これまでのゲーム機とは一線を画す

本機は発売日当日に購入した。

ハード仕様を見ると、一世代前のNintendoゲーム機GameCubeとさほど変わりがない。
GameCubeも所有し、感動も覚えずに押し入れに行きになった経緯から
グラフィック性能の低いゲーム機に興味はなかった。
行列のニュースやトイザらスの人混みを横目に、ジャスコの文具売り場に
100円のノートを買いに行ったところ「在庫ありますよ」の一言。
100円の買い物のはずが、3万円超のゲーム機購入となってしまった。

前置きはこのくらいにして本題。
テレビCMを見て「面白そう」という気持ちがなかったわけではない。
ただしそれは、ドラクエ等を代表とするゲーマーに受けるゲームとは
異質の「面白そう」である。

実際にプレイしてみると「面白い」のである。
テレビゲームではあるが、これまでのテレビゲームとは異なる。
どっぷり浸ったり、対戦したりするゲームとは異なり、いわば
遊園地のアトラクション的な面白さである。

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違いは、言わずもがなコントローラ。
これまでのパッド型のコントローラはテレビの中の「何か」をコントロールする。
つまり、冒険する・戦う・話すのは自分が指示を出している誰かなのだ。
たとえ画面がプレイヤー視点になっていたとしても、パッド型コントローラでは
心理的壁ができていたのかもしれない。

これがWiiリモコンに変わるとどうだろう。
これまで指先で指示していた物が、腕だけではなく上半身全体を使って
ゲームをする。自然とゲームの中の空間と自分が近く感じる。
ゲームが簡単な物であっても(いやむしろ簡単なものの方が)、
この違いだけで夢中になれる。

実際にやってみないと、この違いは伝わらないかもしれない。
例えるなら、ラジコンと実車。
ラジコンは確かに楽しい。チューニングしたり、テクニックを極めたり、
いろいろな楽しみ方ができる。
実車になるとそれらはそう簡単にできない。しかし、車と自分が一体になって
走っている実感がある。
プロポを持って、ラジコンの中に入ってみたいと思ったことはないだろうか?
それがWiiリモコンが提供する面白さに通じる。

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Wiiが「面白い」ことは事実、しかし飽きるのも早かった。

元々、ゲーマー(コアとまではいかない)出身の私には、やはりWiiのグラフィック性能の
低さでは物足りない。
Wiiは子供やゲーマー以外の人と一緒に遊ぶには良い=ゲーマーがどっぷり遊ぶには
向いていないということである。
しかも、そういう人向けのゲームが少ない。何本か出したが、一人で遊ぶのに
コントローラを振り回すのは受け入れられなかったのかヒットには至っていない。

もう一つの原因は、キラーソフト(爆発的人気のゲーム)が少ないことである。
Wiiのキラーソフトは、マリオカート・WiiParty・WiiFitを筆頭にほとんどがNintendo製である。
新しい分野・技術(プラットフォーム)の魅力を引き出すゲームを、これまでのゲームメーカが
提供できずにいるように見受けられる。
Nintendoの技術開示が遅い、ハードウェア仕様が低すぎる等の理由はあるにせよ、
ソフトがなければただの箱、売れない箱にソフトは作らないという負のスパイラルがある。

一時期、ドラクエXがWiiに出るという話になっていたが
はたして開発どうなっているものだろうか...

---
トータル的に見ると、Wiiはパーティグッズ的位置付けである。
みんなでワイワイは良いが、一人ではワイワイできないだろうということ。
新しく開拓された分野で、一時爆発的ヒットしただけに更なる展開をしてほしかった。

本稿では大きく取り上げなかった機能としてネットワークがある。
Wiiをインターネットにつなぐことで便利で楽しいことができるとされている。
Nintendoもあれこれチャネルを提供しているが成功しているとは言えず、
結局ネットワーク対戦ができるという点につきる。

ゲームとネットワークの融合は未だ完成していないと思う。
Nintendoには是非、人=ゲーム=ネットワークを取り持つ、面白くも熱中できる
ゲームを提案して頂きたい。
それができる企業であると私は期待する。

---
そして先日後継機として「Wii U」が発表になったわけだがパッとした印象はない。
据え置き方コントローラに液晶というのはどうかと思う。
使い方次第なのだろうが、みんなでワイワイ楽しむのが、Nintendo据え置き型ゲーム機の
路線になりつつあったのではないか?
大人達が麻雀をするのにはもってこいかもしれない。

しかし、私が、DS発表の時に「ゲーム機にタッチパネルはどうなの!?」、
Wii発表の時に「グラフィックが弱いゲーム機はゲーム機ではない」と
冷視したのを見事に裏切ってきた。
3DSはまだ爆発的なヒットにはなっていないが、Nintendoは新しいことを使って
魅了する物を作り出すことができるようだ。
Wii U/3DSともに今後に期待したい、購入するか否かは別として。
  • 購入金額

    35,000円

  • 購入日

    不明

  • 購入場所

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