商品としては、密閉型のヘッドフォンとUSB接続のサウンドアダプターを組み合わせたもので、この型番の「HP-U48.OH-BK」の場合、VH-OH48というヘッドフォンと、VC-48というUSB接続サウンドアダプターとの組み合わせという意味になります。
VH-OH48の方は、オーディオテクニカから発売されていた密閉型ヘッドフォン、ATH-A500相当の製品であるといわれています。確かに、オーディオ的な数値データは基本的に同じとなっています。音質も大きくは違わないと見て良いでしょう。ちなみにこのシリーズにはほぼ同価格でインナーイヤーフォンもあったのですが、こちらはやはりオーディオテクニカ製のインナーイヤーフォン、ATH-CM7と同等の品であったと思われます。
この製品のキーポイントはあくまでUSB接続サウンドアダプターである、VC-48の方です。オーディオ性能では24bit/96KHzをサポートしていて、USB1.1接続の製品としては精一杯のスペックであるといえます。ただ、最大の特徴はそこではなく、「Bit-Revolution(ビット・レボリューション)テクノロジー」と呼ばれる、CDや不可逆圧縮音源(MP3など)をSACDのDSDストリーム相当までの情報量に補完して高めるという技術です。個人的にはこの類の売り文句にはどうしても懐疑的ではあるのですが…。
実際に使ってみると、この機能により間違いなく音質は変化します。ただ、いかにも「音が変わった」ということをアピールしたいがために、印象の強い音を特に強調して出してくるという傾向があります。これでは補完ではなく、ただのイコライジングによる強調にしか聞こえません。本来は補完を行ったところで、音質傾向そのものが劇的に変わるわけではないのですから。
そして補完以前の問題としては、このサウンドアダプターの再生能力がさほど高くないということもあります。VH-OH48をVC-48に繋いで聴くよりも、emagic emi6/2mに繋いだ方が得られる音質はずっと良好でした。ATH-A500相当なのですから、元々その程度のクオリティは持っているといわれればそれまでですが。
「Bit-Revolutionテクノロジー」の是非については、この製品を使っただけで判断するのは早計かと思います。残念ながら後継シリーズは出ていないようですが、もっときちんとした再生能力を持つ製品で試してみたかった技術です。
購入価格からすれば、この程度の値段でATH-A500相当品が買えたということで満足するべきなのかと思っています。ある程度の音質とヘッドフォンアンプを持つサウンドカードやオーディオインターフェースを持ているのであれば、VC-48を敢えて使う必然性は感じられませんでした。
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購入金額
1,280円
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購入日
2011年03月02日
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購入場所
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