レビューメディア「ジグソー」

下がスッカスカマザー

915Gチップセットを搭載した最初期のLGA775マザー。

Intel純正品で自作向けとしても販売されていたようだが、私の現品は知人の持っていたBTOパソコン(ねずみ)からの抜き取り品。
この頃のPentium4マシンは私の周囲でも去年(2011年)頃まで現役だったモノが多いのだが、コイツは07年にPC自体が起動不能になり、保障もちょうど切れた頃だったのでCore2Duoマシンに買い替えられ、私が部品にバラして引き取ったもの。
このマザー及び装着されていたPentium4は動作に問題なく、今思えば電源ユニットの故障が疑われる症状だったが、今更だ。とにかくその時引き取ってから5年くらいは所有していることになる。


915Gチップセットという事で私が自作で使っていた865搭載マザー(GA-8IPE1000 Pro2)と比べると、ちょうど規格の変遷機。実装されているものがだいぶ異なる。
CPUソケットもちろん、特にAGPからPCIexpressになったのは大きく、PCIe x1スロットも2つ備えるという当時としては積極的な仕様。だが「当時PCIe x1拡張カードが何種類あったのか」はつっこまないでおこう。
SATA周り
SATA周り

またGA-8IPE1000 Pro2では2ポートのみだったSATAも4ポートに増強された。
DDR1 スロット*4
DDR1 スロット*4

一方メモリがDDR1だったり、背面ポートのレイアウト等まだ変わりきれなかった面も備えている。
バックパネルUSBも4ポートと控えめ
バックパネルUSBも4ポートと控えめ

ちなみに補助電源コネクタは田型の4pinだが、ペリフェラル4pinコネクタを更に備えている。これも最近は一部のマザーを除いてみなくなりましたね。


今の目で見ると「Coreシリーズ非対応」「メモリがDDR2ではなくDDR1」の2点が厳しく、もらってから何度かサブPC用としての活用を見出そうとしたのだが、945Pチップを備えたDDR2対応マザーもほぼ同時期に入手したせいで、実際使ったのは半年程度だった。


何せDDR1だと既に大容量モジュールの入手性が悪く、同じPentium4を使うにしてもDDR2対応マザーの方が高性能にし易かったのだ。

ちなみにBIOS設定項目も多くもなく少なくもなく無難な感じだと記憶している。
重箱の隅的余談
重箱の隅的余談


ところでこのマザー…というか未だに一部インテル純正マザーにも引き継がれている変わった特徴が、このスッカスカの下部。
目に優しい緑の大平原
目に優しい緑の大平原

この辺りは見事に何も実装されておらず、本来最下部に来るであろうフロントピンヘッダも中途半端な高さに実装されている。
せまっ苦しいマザーにおける癒しポイント
せまっ苦しいマザーにおける癒しポイント

初めてこのマザーを見たときはなんぞこれ!?と驚いたものだが、ちょうど何も無い部分とPCIスロットを切り取るとM-ATXマザーサイズになるので設計の共通化を行っているのだろう。

最近だとDZ68DBがその系譜。以前プレミアムレビューでDZ68DBをやらせて頂く予定だった(結局マザー変更)だったので、その時取り上げようと思っていたのがこの「謎の余白」と「スロット位置」だった。

今回のD915GAVのスロット部、最近のATXマザーと比べて何か違和感を感じません?なんかスロットが妙に多く見えるというか…
PCIe x16/PCI/PCI/PCIe x1/PCIe x1/PCI/PCI
PCIe x16/PCI/PCI/PCIe x1/PCIe x1/PCI/PCI


ATXマザーは最大で7つのスロットを備えられるのだが、ATXマザーは上から2番目にAGPやPCIe x16スロットを配置し、最上段は空きパターンにするかPCIe x1スロット辺りを実装するのが主流。一方M-ATXマザーの場合はスペースに限りがあるので最上段からPCIe x16を実装する事が多い。

しかしこのD915GAV、そしてDZ68DBはM-ATXと同じ最上段にPCIe x16が来る配置。この事からもある程度M-ATXモデルと基盤設計を共通化していることが伺える。
つまりATXなのにM-ATXばりにCPUとグラフィックボードが隣接してしまうのだ。まあD915GAVの場合はCPUソケットがかなり上の方に来ているので大した問題ではないし、その分7つのスロットをフルに実装しているともいえる。

しかし最近のインテルプラットフォームははCPUソケットがどんどん下に来ている。DZ68DBも例外ではなく、PCIe x16(=グラボ)とCPUソケットが近い。しかもD915GAVと異なり最下段のスロット位置はまさかの「空きパターン」。7つフルに実装という言い訳もできないというステキ仕様。

キツキツなZ68 M-ATXマザーの例(でかいクーラーつけんな)
キツキツなZ68 M-ATXマザーの例(でかいクーラーつけんな)

まあ世の中の大半のM-ATXマザーが普通に運用されているのだから大したメリットデメリットにはならないだろうが、一つの個性として興味深かったので、長々と書いてしまいました。
  • 購入金額

    0円

  • 購入日

    2007年頃

  • 購入場所

30人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (11)

  • きっちょむさん

    2012/05/15

    め、珍しいw

    こんな変態レイアウトのマザーがあったんですねw
  • 下小川さん

    2012/05/15

    ドクロじゃないインテルマザー(マルチメディアシリーズ)は結構思い切った空きパターンがあったりするんですよね。
    レビュー内で上げたDZ68DBは典型的な例で写真見ると下がスッカスカです。

    http://www.intel.com/cd/channel/reseller/ijkk/jpn/product...

    あとZ77のマザーはまた面白いスロット配置で、PCIe x16直下のスロットが空きになっていて、
    http://www.intel.com/cd/channel/reseller/ijkk/jpn/product...

    こちらはグラフィックボードが2スロット占有多いことを考えると合理的かもしれませんね。
  • harmankardonさん

    2012/05/15

    ある意味,合理的なレイアウトで,感激しました.
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