何かと最近話題になる森見登美彦のデビュー作である。
あろうことか、この物語は主人公による元カノストーキングの正当化で始まる。
これは研究だ。私は彼女になぜ一瞬でも惚れてしまい、
なぜ自分が振られたのかを解き明かすのだ。
私は彼女研究の第一人者だ。
もはやこれを妄想と言わずしてなんと言おう。
ヤバいヤバすぎる。危ない香りがプンプンする。
というのは、はじめだけで。主人公の妄想具合は、
その元カノの不思議ちゃん具合、"忌むべき"ストーカー、癖がある友達たちに
すっかり"棚上げ"されてしまう。
しまいには、彼ら自身も忌み嫌う"型にはまった幸せへ"と向かっていく。
そして、突如として現れる太陽の塔の話。太陽光パネル付き招き猫大量発生。
江戸を騒がせた稀代のええじゃないかの現代クリスマスへの襲撃。
このへんはあまりに不思議な世界観が示される。妄想は素晴らしい!
そして、何故か作品全体は愉快で後味が良いのだから不思議である。
全体的に非常に面白い作品となっている。
森見登美彦氏の作品は独立した作品が実は存在しないんじゃないかというほど
それぞれにつながりがあるので、
そういう意味では、この作品は内容的にも時系列的にも
一番初めに読むべきなのかもしれない。
現代クリスマスへの襲撃の場面なんか
"やぁやぁ、我こそははむにゃむにゃ、これから復讐を開始する"
とか言いそうじゃないですか? from 四畳半神話大系
良い感じに謎めいたレビューになっていれば、ある意味私の目論見は成功です。
是非、皆さん読んでみてください。
ちなみに読み順としておすすめは
ペンギンハイウェイ
↑
太陽の塔→四畳半神話大系→夜は短し歩けよ乙女→恋文の技法
↓ |(同列)
四畳半王国見聞録 新約走れメロス
という感じである。他の作品はおいおいレビューさせて頂きます。
また、この順番も随時更新させて頂きます。
さぁ、貴方も”阿呆の世界”へようこそ!
★他作品レビュー
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購入金額
420円
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購入日
2011年06月05日
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購入場所
Amazon
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