レビューメディア「ジグソー」

PlayStation 4 Proをさらなる高みへと誘う、最新ハイエンドストレージ


初版:2018/05/13

気がつけばほぼ1年ぶりのプレミアムレビュー選出ということで、今年初めての
レビュー対象製品はウエスタンデジタル社の最新SSD、「WD Blue 3D NAND SATA
SSD」1TBモデルです。

ウエスタンデジタル社のSSDは3つのシリーズがあり、それぞれ簡単に説明すると
■WD Black:NVMe接続のハイパフォーマンスタイプSSD
■WD Blue:SATA接続のメインストリーム向けSSD
■WD Green:SATA接続のローエンド向けSSD
という特徴があります。2.5インチタイプが用意されるのはBlueとGreenのみで、
容量もGreenは120GBと240GBの2種類なのに対し、Blueは250GB・500GB・1TB・
2TBと大容量なのも、使い勝手のよいメインストリーム向けという感じです。
ハイエンド構成の自作PCなど、ストレージのパフォーマンスに妥協したくない
場合はSATAよりも高速なNVMe接続となるBlackが用意されており、使い方に合わせ
た選択がしやすいシリーズ分けとなっています。



今回レビューさせていただくのはBlueということでメインストリーム向け、
Blueシリーズの2代目ということで「WD Blue 3D NAND SATA SSD」という
名称になっていますが、これは使用されているフラッシュメモリーがサンディスク
と東芝が共同で開発した「BiCS3」と呼ばれる64層3D TLC NANDタイプになって
いるためで、昨年発表の時点では「世界一速い64層3D NAND技術」と謳われて
いたあたり、個人的にはBlackシリーズの位置づけでも良かったような気はします
ね・・・。SSDでは宿命ともいえる、実質的な寿命の指標となる総書き込み可能
容量も3D NAND技術によって大きく改善しており、以前言われていた「MLC方式の
フラッシュよりTLC方式のフラッシュは寿命が短い」というTLC方式の弱みも
これなら気にすることなく使えそうですね。

PCの起動ディスクとしてもかなり快適に使用できそうなこのSSD、今回は


レビューのテーマであるSIEのハイエンドゲーム機、PlayStation 4 Proに搭載して
レビューしていきます。なかなか贅沢な選択です。

PlayStation 4 Proの場合、標準搭載のHDDが1TBとなっているため今回のWD Blue 3D
NAND SATA SSD 1TBへの交換の場合は同じ容量同士での交換になります。ちなみに
当方のPlayStation 4 Proは東芝のMQ01ABD100が搭載されていました。このHDDの場合、
転送速度が3Gbps止まりですが今回搭載するSSDは6Gbpsに対応しており、PlayStation
4 Pro自体も6Gbpsに対応しているためストレージのパフォーマンスを最大にすることが
できます。

換装作業の前にレビューで比較情報として使用するためにゲームソフトの起動時間等を
計測しておきます。また、以前別のHDDに換装した際のレビューではセーブデータのみを
バックアップしましたが、今回はインストールしたソフトもいくつかあって入れ直す
のが面倒なので、セーブデータやスクリーンショットのみではなくフルでバックアップ
しました。FAT32やexFATでフォーマットされたHDDないし大容量のUSBメモリが必要に
なりますので、手持ちの余っていた1TB HDDをUSB接続ケーブルにて繋いでバックアップ
しました。30GB程度なので10分弱で終了しました。次にSSDへ換装すると起動用のシステム
ソフトウェアがすっぽり抜け落ちた形になりますので、PCをSSDに換装する場合と同様に
インストールする必要があります。SIEのサポートページから、「アップデートファイル
(再インストール用)」をダウンロードして、


USBメモリや外付けHDDの直下に「PS4」フォルダを作成し、その下に「UPDATE」
フォルダを作ってダウンロードした「PS4UPDATE.PUP」ファイルをコピーします。
800MB程度のサイズなので、1GB以上のUSBメモリであれば使用できます。先ほどバック
アップに使用した媒体の空き容量に余裕があれば、「PS4」フォルダはすでにできて
いるので「UPDATE」フォルダを作って同様にファイルをコピーしてやればシステム
ソフトウェアのインストールとバックアップのリストアを1つでこなせるようになり
ます。準備ができたらPlayStation 4 Proの電源をスタンバイではなく、切ってから
作業スタートです。

本体からケーブルをすべて外し、背面側の

HDMIやUSB・LANポートの横にあるふたがHDDベイです。PlayStation 4 Proを
箱から出すとここにテープが貼ってあり、はがし忘れると写真の通りになります。
後々べたべたになるかと思いますので、設置するときには忘れずにはがしておき
ましょう。

HDDベイのふたは写真の通り、ツメではまっています。ポート側のほうから
ふたに引っかけて手前に引っ張ると外れます。外れにくいときはアイスの木べら
などでこじると簡単に外れるかと思います。ふたを外してもHDDはまだ外れず、

HDDマウンターがネジ1本で固定されていますので、精密ドライバーのプラスで
外します。ネジを外すといよいよHDDマウンターが外れますので、引っ張って
HDDを抜き取ります。



あとはマウンターにネジ4本で固定されているHDDを取り外して、WD Blue 3D NAND
SATA SSD 1TBに交換して逆の手順で組み立てていけばOKです。換装に慣れてくると
5分程度で終わってしまう作業で、自作PCを組み立てたことがあればかなり簡単で
すし、慣れていない場合でも手順をしっかり踏んでいけば問題無くこなせるレベル
かと思います。ちなみにメーカー保証は搭載されているHDDをユーザーが換装する
ことを想定しており、換装しても保証切れにはならないとのことです。PCの構成変更
で余ったSSDやHDDを下ろしてきたり、取っ替え引っ替えして遊べますね。

HDDの換装が済んだら設置し直して、システムソフトウェアのインストールし起動できる
ようにします。先ほどのアップデートファイルが入ったストレージをPlayStation 4
Proに接続し、コントローラもUSB接続して電源ボタンを7秒以上押してセーフモードで
起動します。

PSボタンを押すように表示されるので、コントローラのPSボタンを押すと
メニューに移行します。

「7.PS4を初期化する(システムソフトウェアを再インストールする)」を
選択します。

アップデートファイルが必要という表示が出ますが、すでに接続していますので
そのままOKを選択します。

しばらく待つと初期化の確認画面が出ます。はいを選択してシステムソフト
ウェアのインストールを開始します。

まず初期化が入り、次にシステムソフトウェアのインストールが行われます。
数回再起動し、

初回起動時のコントローラ接続画面が出ればシステムソフトウェアのインストール
は完了です。工場出荷時の状態になっていますので、バックアップに使用した媒体を
接続して設定にある復元メニューから一式復元します。今回はソフトも全てバックアップ
したので、設定やセーブデータはもちろんソフトもそのまま使える状態になりました。

PlayStation 4 Pro上でのベンチマークの前に、USB3.0ケースに入れてPC上で
CrystalDiskMarkを使用したベンチマークを実施してみました。SSDに換装前は
SSHDで使用しており、標準HDDは手放してしまっているためその前に取ってあった
ベンチマーク結果を引っ張って来ました。標準HDDの東芝MQ01ABD100では、

一番速い項目でも110MB/s程度とSerialATA2どころかSerialATAでも足りる
程度の転送速度にとどまっています。2.5インチHDDとしてはごく普通のスコア
ですが・・・。それがWD Blue 3D NAND SATA SSDに換装すると、

余裕で2倍です。USB3.0接続なので、恐らくPCに内蔵したときよりもスコアが半分
くらいになってそうなのですが、それでも同じ接続方法で2倍差が付けばPCでなく
ゲーム機に内蔵したときも分かりやすい差が出そうです。

実際にPlayStation 4 Proに搭載した状態での比較をいくつか行っていきます。
まずは本体の起動、コントローラのPSボタンを押して、ユーザー選択画面が表示
されるまでの時間を測定しました。前述の通り標準HDDが手元に無いため、SSHD
との比較となりますが

SSHDで24秒かかっていた起動が23秒に短縮されました。1秒程度とあまり差がない
ようですが、以前標準のHDDとSSHDの比較を行った際には

2秒ほどの差がついており、当時ベンチマークを取ったときよりもシステムソフト
ウェアのバージョンが上がっているため恐らく標準HDDとSSDの差は3秒ほどになる
と推測されます。ゲームソフトのインストール本数も数本程度の環境なので、これが
大量のゲームソフトのインストール環境だともっと差が付くのでは無いでしょうか。

次に本体の終了、こちらはメニューで電源を切るを選択して本体の白色イルミ
が消灯するまでの時間です。

こちらは明確な差がついており、SSHDで27秒かかったところがSSDだと24秒と3秒の
差です。機械的な機構を持たないフラッシュメモリらしい結果です。それでも数秒
レベルなので、PCに内蔵したときに比べると起動や終了での差はさほど感じないですね。

最後が実際のゲームですが、計測済みの標準HDDの結果と合わせるために「FINAL
FANTASY XV」の体験版「JUDGEMENT DISC」でタイトル画面からセーブデータを
ロードし、LOADING表示が消えるまでの時間を計測しました。

SSHDは読み書きが多いファイルがキャッシュされるため、計測開始から5回程度
ロードを行ったあとの平均値で比較しますが、ずば抜けてSSDが高速です。2倍以上
速くなったという数値以上に目に見えて高速となっており、LOADING表示中のバーが
SSHD他では途中で引っかかったりしますがSSDではほぼ止まることなく伸びていき
ます。FINAL FANTASY XVは高画質でかなり重量級のゲームソフトなので、効果が抜群
のようです。体験版では無く製品版のFINAL FANTASY XVもSSDとSSHDで比較しましたが、
インストールにかかった時間(ディスクをスロットに挿入してファイルコピーが終わる
までの時間)はどちらも6分弱程度で、これはどちらかというとBDドライブの読み込み
速度がボトルネックになって差が出なかったようです。体験版と同様に、タイトル画面
からセーブデータをロードしてLOADING表示が消えるまでの時間を計測してみましたが、

こちらも2倍以上速かったです。セーブしたポイントが異なっているため、こちらのほう
が読み込むファイルが多かったのかSSHDで1分以上待たされたところが半分くらいに
なったため、体感速度はそれ以上に改善した感があります。

一時期のフラッシュメモリーの価格高騰も若干落ち着きつつありますが、まだ大容量
SSDの価格はそれなりとなっておりこちらも実売価格がこの記事を書いている時点で
3万円オーバーと、PlayStation 4 Proの本体価格に迫る勢いだったりします。今回の
レビューでSSHDとSSDの差が結構あることが数字でも示すことが出来ましたが、究極の
パフォーマンスを得たいという場合でなければSSHDでも十分かなと感じましたね。
もしくはインストールするゲームソフトを厳選して500GBクラスに抑えておくのも手
かと思います。WD Blue 3D NAND SATA SSDの場合、半額くらいで収まりますので。
ロード時間が長く頻繁にロードするような、所謂大作レベルのゲームを快適にプレイ
したいのであればロード時間が半減するSSD効果は非常に大きいです。

20人がこのレビューをCOOLしました!

コメント (2)

  • VDL C's Gamesさん

    2018/05/14

    こんにちは!

    ff15はロードが長くて有名ですが、この速さならサクサクですね!

    結構簡単に換装できるようで、私も買おうかなぁとか思いました(´∀`)

    参考になりました!(о´∀`о)
  • i-ji-さん

    2018/05/14

    コメントありがとうございます。

    今までSSHDでもHDDより速かったので満足でしたが、
    SSDにすると異次元の速さに変化したので、FF15のような
    大きな容量の高画質ゲームにはSSDが一番だなと感じた
    次第です。

    バックアップに足りる容量の外付けHDDさえ用意してしまえば、
    システムソフトウェアのインストールにも使えますし、復元で
    ゲームの再インストールも不要ですしオススメです。あとは
    もうちょっと安ければ・・・と。

    では。

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